読書の秋におすすめの一冊

前回の放送で、おばあちゃんの思い出のメッセージ、読んでいただきありがとうございました。
素敵なメッセージありがとうと言っていただいて、とても嬉しかったです。でも朝から泣かせてしまって、ごめんね。

さて、最近めっきり涼しくなってまさに読書の秋ですね。
私がおすすめしたい本は、宮本輝さんの「錦繍」です。

とある男女が偶然再会したことをきっかけに、過去の自分と向き合い、未来に向かっていく人間愛に溢れる再生の物語です。 

この本がちょっと変わっているのは、主人公2人の間でやりとりした手紙の形式をとっている所です。

手紙の文面以外、何の説明もないので、2人がやりとりしている手紙の文面から、説明のない所は想像したり行間を読まなくてはならず、最初は謎解き要素もあるのですが、そのうち手紙であることを忘れてしまうくらい、2人の魂のぶつかりあいと、そこから生まれるドラマに引き込まれてしまいます。

手紙にすることで、というか手紙でないと、このような魂のやりとりにはならなかったんじゃないかと。
今はメールやLINEばかりで、手紙を書くことって殆どないけど、手紙を書くことは、自分を見つめ直すいい機会なのかもしれないなぁと。
そんなことを思いました。

また、時代背景は昭和なので、「昭和の話が好き」な新谷さんにピッタリだと思います。
(そういえば、昔「昭子」って言われてなかったっけ?)

それでは、これからも新谷さんの声が聞けることを楽しみにしています。

アキヤマニア

神奈川県 / 男性 2021/10/16 00:10