父の思い出

ゆづみん、こんにちは!

むかし左官職人だった私の父は、曲がったことが大嫌いで、子供のころはよく叱られました。ぶ厚い手でビンタを食らった時の父の手の力を、いまだに左の頬が覚えています。

そんな父でしたが、母や私や妹が、風邪をひいて寝込んだりすると、人が変わったように優しくなるのが謎でした。そして決まって、野菜と肉を炒めてごった煮にしたような不思議な料理を作って食べさせてくれました。またその料理の名前が謎! 「ちーとふんかん」って言うんです笑。きっと父が適当に命名したんでしょうね。

父は10年前に癌で亡くなったのですが、その前日に、私はしばらく病床の父の枕元にいました。もう語りかけても返事が無い父の、右の手のひらを私の左頬に当てて、「ちーとふんかん、うまかったな」とつぶやくと、父の閉じた目からスーッとひとすじの涙が流れたのです!
それが私と父との最後の会話でした。

ゆづみん、パパを大切にしてあげてね。

さかな師匠

山形県 / 男性 2022/5/13 13:32