放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。3月12日(日)の放送は、「手帳類図書室」主催の志良堂正史(しらどう・まさふみ)さんをゲストに迎えて、お届けしました。
(左から)小山薫堂、志良堂正史さん、宇賀なつみ
さまざまな人の手帳を集めて展示する「手帳類図書室」を主催している志良堂さん。自身の定義によると、「手帳というのは“手で書いた帳”を全般的に言っておりまして、例えば、スケジュール帳や日記帳、ノートなど、手で書かれたものひと通りを指して“手帳類”と言っている感じです」と説明します。
手帳というと、「極めて個人的なものじゃないですか。“どういう人がどういう気持ちで(志良堂さんに)差し出すのかな?”と思ったんですが」と宇賀が不思議がっていると、志良堂さんは、人の手帳を集めることになった“きっかけ”について言及します。
そのきっかけとは、「人々が書いた記録を読むことで、ゲーム創作のなかの人物造形に使いたいなと思って、『手帳を売ってください』という形で最初は募集をしたんです」と振り返ります。
現在は、寄贈してもらう形ですが、集め始めた当初は買い取っていたと言います。手帳を売ってくれる人を探し始めて2~3週間が経過した頃、「ようやく『いいですよ』という方が現れて、当時は学生か浪人をしていて、就職を目指されているような方の記録でしたね」と懐かしそうに話します。
小山から「それは期待通りのものだったんですか?」と聞かれると、「いや、それが全然思っていたのとは違っていて(苦笑)」と志良堂さん。「どちらかというと、僕は思考の断片みたいなものが書いてあるのかなと思っていたんですけど、『おばあちゃん孝行をしたいな』みたいなことが書いてあって。“(他人は)こんなことを書くんだ!?”ってイメージしていたものとは全然違っていたんですよね。
でも、逆にそれがちょっと面白くなっちゃって。これだったら“僕以外の人が読んでも、結構おもしろいんじゃないかな?”と思って。もっと集めていろいろな人に読んでもらって、みんなで楽しみたいと思ったのが当初のきっかけでした」と語ります。
実際に、いくつかの手帳を手に取ってみた宇賀は、「本当におもしろいですね。日本地図を書いて『ここに行ったよ』みたいな」と興味を示し、「『会社の飲み会だった ベロンベロンになった 幹事やったけど段取りが悪かった カラオケで盛り上げ役に徹しようとしたけれどなんかムリだった』って日記が延々書いてある人とか……おもしろい!」と声を弾ませます。
一方、小山が関心を示したのは、テレビ局のADさんがフジテレビ系のテレビドラマシリーズ「北の国から」を制作していく模様をつづった日記で「これは、この道を志す人にとっては貴重な資料ですよね!」と驚く場面も。
志良堂さんが持参した、とある手帳をパラパラと確認中
「手帳類図書室」(利用料金:1時間1,000円)は、渋谷区・参宮橋にあるアートギャラリー「Picaresque(ピカレスク)」内にあり、置かれている目録のなかから「“これを見たい!”と伝えたらスタッフが実物を持ってきてくれて、実際に読んで楽しめるという形になっています」と志良堂さん。
現在、ここに所蔵してあるのは、書き手は80人ぐらいで冊数にしておよそ400冊。これまで受け取った手帳のなかで、特に印象に残っているものを問われると、志良堂さんは「例えば、探偵さんの手帳。浮気調査のメモが書かれていて、もちろん図書室には置けないんですけど。“こんなものを寄贈してくれるんだ!?”って本当にビックリしましたね」と振り返ります。
さまざまな手帳に触れ、小山は「人の頭のなかを覗いているみたいな感じですね」と感想を語ると、「私もずっと手帳を書いているんですけど、絶対、誰にも見せたくないです(笑)!」と話し、笑いを誘う宇賀でした。
<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/post/