狩野英孝「“流行らせよう”と思ったギャグはやっぱりダメ」「世に出たギャグは欲がない」一発ギャグを分析


狩野英孝さん



お笑いコンビ・麒麟の川島明がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「SUBARU Wonderful Journey 土曜日のエウレカ」。「あなたの心を、ここではないどこかへ」をテーマに、ゲストの「ココロが動く(=エウレカ)思い入れのある場所」へと案内していきます。

3月11日(土)放送のお客様は、お笑い芸人の狩野英孝さん。YouTubeチャンネル「EIKO!GO!!」でのゲーム実況など、YouTuberとしても人気の狩野さんが、自身のギャグ「ラーメン・つけ麺・僕、イケメン!」誕生エピソードを披露してくれました。


TOKYO FMのラジオ番組「SUBARU Wonderful Journey 土曜日のエウレカ」3月11日(土)放送より



1982年生まれ、宮城県出身の狩野さん。高校卒業後の2000年に俳優を志して上京し、日本映画学校(現・日本映画大学)俳優科に入学したのち、2003年にマセキ芸能社からデビュー。長髪で全身白のスーツ、胸に赤い薔薇を差した“ナルシストキャラ”と、「ラーメン・つけ麺・僕、イケメン!」のフレーズで人気を集めます。

お笑い芸人として活躍する一方、2016年には神主の資格を取得。宮城県栗原市にある実家の神社・櫻田山神社で神主の仕事にも従事しています。

2020年1月からはYouTubeチャンネル「EIKO!GO!!」がスタート。ゲーム実況などが話題を呼び、現在チャンネル登録者152万人超えの人気YouTuberとしても活躍しています。


 
◆「僕、イケメン!」誕生秘話

狩野:当時、“ピン芸人=キャラクターもの”って多かったじゃないですか。僕もその1人だったんですけど、周りからは「キャラが崩壊するとお客さんがガッカリするぞ」と言われていたんです。「気を付けなきゃ」と思っていたんですけど、やってみたら「俺ってもともとナルシストだな」って気づいたんですよ。

川島:根が?

狩野:はい。L'Arc-en-CielさんとかGLAYさんといったギラギラした音楽も好きだったし、ああいうファッションも好きだったんです。だから、ずっとナルシストでいられるというか。“電車の席はガラガラだけど、ドアの所に立って景色を見ている俺……”みたいな。根がそうだから、特にキャラが崩壊することもなかったんですよね。やりやすかったです。

川島:日常のものを誇張していったんだ。

狩野:そうなんですよ。ネタがスイスイできました。

川島:「ラーメン・つけ麺・僕、イケメン!」のネタはどうやって生まれたの?

狩野:ネタで、「もしもナルシストがラーメン屋の店員だったら」のコントをやったんです。「爆笑オンエアバトル」(NHK総合)でも4分のネタでやったりしていました。内容は、ラーメン屋さんに取材が来て「注文どうする? ラーメンあるよ。味噌ラーメンもあるよ、塩ラーメンもあるし、とんこつラーメンもあるけど……まあ僕はイケメンだけどね!」みたいに返す、1個のボケだったんですね。

川島:なるほど!

狩野:それから「爆笑レッドカーペット」(フジテレビ系)という番組が始まったんですけど、当時、ショートネタがブームだったこともあり、4分の尺から1分にしないといけなかったんです。このネタを1分にするときに、「何とかラーメン」って言っていられないなぁと思って、「ラーメン・つけ麺・僕、イケメン!」の3段オチにしました。

そうしたら、そのネタのオンエアの翌日には(街で)「『ラーメン・つけ麺・僕、イケメンの人』だ!」と言われて。狩野英孝という名前より「“僕、イケメン”の人」と言われるようになり、これは自己紹介の頭に持ってきたほうがいいのかなと思って「『ラーメン・つけ麺・僕、イケメン!』こと狩野英孝です」となりました。

川島:何が「こと」なんだ(笑)。何の説明にもなっていないけどね(笑)。

狩野:(笑)。名前より先にギャグが(浸透した)って感じでしたね。

川島:「ラーメン・つけ麺・僕、イケメン!」の陰に隠れて「赤貝・ミル貝・ナイスガイ!」がありますが、こちらは二番煎じ?

狩野:二番煎じです! 欲が見えますね(笑)。あとは「レモンティー・ミルクティー・僕、ビューティー!」とか「タクシー・ミクシィ・僕、セクシー!」とか。

川島:どんどんクオリティが下がっていく(笑)。

狩野:やっぱりいやらしさが出ますね(笑)。ヒットさせようとしているのが良くないですね。

川島:バレるのよ。

狩野:そういう話を、よくギャガー(ギャグ芸人)たちと話すんですけど、やっぱり世に出たギャグというのは欲がないんです。(小島よしおさんの)「そんなの関係ねえ!」とかも、先輩に無茶ぶりされて、舞台の上で「どうしよう……」ってときに出たものですし。小島さんとは仲がいいのでよく話すんですけど、“流行らせよう”と思ったギャグはやっぱりダメ。

川島:たしかに、よしおも、もがき苦しんでいるときがいっぱいあったもんな。

狩野:面白いなと思ったのが、(エド・はるみさんの)「グゥ〜!」とか(ダンディ坂野さんの)「ゲッツ!」といった、ポジティブなギャグが流行りやすいんですよね。

川島:使い勝手もいいんでしょうね。

▶▶毎週土曜の55分間だけ営業する旅行会社EDC(=Eureka Drive Corporation)の社員たちが担当するPodcast番組(AuDeeSpotify)も配信中です。

次回3月25日(土)のゲストは、お笑い芸人・友近さんです。

<番組概要>
番組名:SUBARU Wonderful Journey ~土曜日のエウレカ~
放送日時:毎週土曜 17:00~17:55放送
出演者:川島明(麒麟)
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/wonderfuljourney/

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