全国各地で“お雑煮のナンパ旅”お雑煮研究所・粕谷浩子「どんなお雑煮を食べていますか？」
放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」（毎週日曜15:00～15:50）。12月18日（日）の放送は、冬になると食べたくなるものにフォーカスする新企画「冬の味覚シリーズ」の第2弾として、“お雑煮”を特集。「お雑煮研究所」所長の粕谷浩子（かすや・ひろこ）さんをゲストに迎えて、お届けしました。
◆全国各地の“お雑煮”を探し求めて…
全国のお雑煮を調査するため、各地を年中巡っているという粕谷さん。そのために住まいを替えることもあるそうで「今年の4月までは福岡に住んでいたんです。もともとは東京なんですけど、福岡に移りました。九州には110いくつかの自治体があるんですよ。“そこを全部回ってやれ！”と思って、引っ越したんです」と笑顔で語ります。
粕谷さんの調査方法はとてもアナログで、現地で道を歩いている人や農作業をしている人などに声をかけて、「どんなお雑煮を食べていますか？」と聞いてみるというもの。
「聞くだけでわかるものと、わからないものがあるじゃないですか。それこそ熊本・天草（あまくさ）市のほうの牛深（うしぶか）地域のものとかは、聞いてもわからないんです。『シンジュゴウ』とか言われて。シンジュゴウって魚のクロサギの地域名だったんです。シンジュゴウで出汁をとって、それを焼いて、ほぐし身にして。さらに、甘くない塩餡のあんもちを入れるんですけど、ビックリするくらい甘くないんです」と例を挙げます。
これに、天草出身の小山は「初めて聞きました」と驚きの表情を浮かべると、宇賀も「そんなに地域によって違うんですね」とビックリ。
粕谷さんいわく、天草市のなかだけでも違うそうで、「本当に地道に聞いて回って（情報を）集めていくしかないんですよ」と、自身がこの調査方法にこだわる理由を語ります。
小山が「お雑煮ってあんなにおいしいのに、なぜお正月しか食べないんですかね？」と率直な質問をすると、「もともと、お雑煮はお公家さんとかが食べる高級なものでした。武家のところで食べるようになったときは、宴席料理の初めに出される汁物だったので、そもそもはお正月のものじゃないんですよ。（お正月に食べるようになったのは）江戸時代と言われています」と粕谷さん。
さらに小山からは「ハレのものなのに、なぜ“雑”な“煮”と書くんですか？」との質問も。粕谷さんも「不思議ですよね」と首をかしげつつ、「保臓（ほうぞう）という胃にもやさしい食べ物、みたいな言い方からという説だとか、いろいろあるんですけど、それもお正月じゃない時代の話なんですよね」と一説を紹介します。
現在は滋賀県長浜市在住という粕谷さん。ここでも日々、町で出会う人に声をかけているそうで「滋賀県中を自転車で回って、“お雑煮のナンパ旅”を昨日の夜までやってきたんです。回っていたら知らないものばっかり出てくるんですよ」と興味は尽きない様子。
あるときには、2階で洗濯物を干そうとしている人に声をかけたことも。そのときは、わざわざ下りてきてくれて粕谷さんの話を聞いてくれたそうで、そんなエピソードに「粕谷さんの存在感、ハッピーオーラがあるからでしょうね」と小山。
宇賀が「お雑煮の話ってあんまりしたことがないから、逆に話したいかも。遠くから来た人に聞かれたら、（「この地域にはこんなお雑煮があるよ」って）聞いてほしいかもしれないですね」とうなずくと、粕谷さんは「（現地の人が）『楽しそうに話を聞いてくれて、ありがとうね』と言われることはよくあります」と話します。
また、この日スタジオでは、粕谷さんが作ったお雑煮を小山と宇賀が試食する場面も。今回作ってきてくれたのは、粕谷さんの出身地・香川県善通寺市で食べられているお雑煮です。
白味噌ベースで、具材には、里芋、大根、人参（本来は金時人参）、あおさが入っています。そして一番の特徴は、あんこ餅も具材として使われており、ひと口食べた宇賀は「（あんこ餅のお雑煮は）初めて食べた！ 白味噌と合うんですね。あおさが効いていてちょっと塩味があって、おいしい」とその味わいにビックリ。
小山もあんこ餅のお雑煮は初めてで「ん～、おいしい！」と箸が止まらず、宇賀から「薫堂さん、めっちゃ食べてません（笑）!?」と突っこまれるほど。そんな2人のやり取りや、おいしそうに食べる姿に、粕谷さんは「うれしい」と笑顔を見せていました。
次回12月25日（日）の放送も、どうぞお楽しみに！
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聴取期限 2022年12月26日（月） AM 4:59 まで
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＜番組概要＞
番組名：日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時：毎週日曜 15:00～15:50
パーソナリティ：小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト：https://www.tfm.co.jp/post/
香川県善通寺市のお雑煮
◆全国各地の“お雑煮”を探し求めて…
全国のお雑煮を調査するため、各地を年中巡っているという粕谷さん。そのために住まいを替えることもあるそうで「今年の4月までは福岡に住んでいたんです。もともとは東京なんですけど、福岡に移りました。九州には110いくつかの自治体があるんですよ。“そこを全部回ってやれ！”と思って、引っ越したんです」と笑顔で語ります。
粕谷さんの調査方法はとてもアナログで、現地で道を歩いている人や農作業をしている人などに声をかけて、「どんなお雑煮を食べていますか？」と聞いてみるというもの。
「聞くだけでわかるものと、わからないものがあるじゃないですか。それこそ熊本・天草（あまくさ）市のほうの牛深（うしぶか）地域のものとかは、聞いてもわからないんです。『シンジュゴウ』とか言われて。シンジュゴウって魚のクロサギの地域名だったんです。シンジュゴウで出汁をとって、それを焼いて、ほぐし身にして。さらに、甘くない塩餡のあんもちを入れるんですけど、ビックリするくらい甘くないんです」と例を挙げます。
これに、天草出身の小山は「初めて聞きました」と驚きの表情を浮かべると、宇賀も「そんなに地域によって違うんですね」とビックリ。
粕谷さんいわく、天草市のなかだけでも違うそうで、「本当に地道に聞いて回って（情報を）集めていくしかないんですよ」と、自身がこの調査方法にこだわる理由を語ります。
小山が「お雑煮ってあんなにおいしいのに、なぜお正月しか食べないんですかね？」と率直な質問をすると、「もともと、お雑煮はお公家さんとかが食べる高級なものでした。武家のところで食べるようになったときは、宴席料理の初めに出される汁物だったので、そもそもはお正月のものじゃないんですよ。（お正月に食べるようになったのは）江戸時代と言われています」と粕谷さん。
さらに小山からは「ハレのものなのに、なぜ“雑”な“煮”と書くんですか？」との質問も。粕谷さんも「不思議ですよね」と首をかしげつつ、「保臓（ほうぞう）という胃にもやさしい食べ物、みたいな言い方からという説だとか、いろいろあるんですけど、それもお正月じゃない時代の話なんですよね」と一説を紹介します。
（左から）小山薫堂、粕谷浩子さん、宇賀なつみ
現在は滋賀県長浜市在住という粕谷さん。ここでも日々、町で出会う人に声をかけているそうで「滋賀県中を自転車で回って、“お雑煮のナンパ旅”を昨日の夜までやってきたんです。回っていたら知らないものばっかり出てくるんですよ」と興味は尽きない様子。
あるときには、2階で洗濯物を干そうとしている人に声をかけたことも。そのときは、わざわざ下りてきてくれて粕谷さんの話を聞いてくれたそうで、そんなエピソードに「粕谷さんの存在感、ハッピーオーラがあるからでしょうね」と小山。
宇賀が「お雑煮の話ってあんまりしたことがないから、逆に話したいかも。遠くから来た人に聞かれたら、（「この地域にはこんなお雑煮があるよ」って）聞いてほしいかもしれないですね」とうなずくと、粕谷さんは「（現地の人が）『楽しそうに話を聞いてくれて、ありがとうね』と言われることはよくあります」と話します。
また、この日スタジオでは、粕谷さんが作ったお雑煮を小山と宇賀が試食する場面も。今回作ってきてくれたのは、粕谷さんの出身地・香川県善通寺市で食べられているお雑煮です。
白味噌ベースで、具材には、里芋、大根、人参（本来は金時人参）、あおさが入っています。そして一番の特徴は、あんこ餅も具材として使われており、ひと口食べた宇賀は「（あんこ餅のお雑煮は）初めて食べた！ 白味噌と合うんですね。あおさが効いていてちょっと塩味があって、おいしい」とその味わいにビックリ。
小山もあんこ餅のお雑煮は初めてで「ん～、おいしい！」と箸が止まらず、宇賀から「薫堂さん、めっちゃ食べてません（笑）!?」と突っこまれるほど。そんな2人のやり取りや、おいしそうに食べる姿に、粕谷さんは「うれしい」と笑顔を見せていました。
粕谷浩子さんのお雑煮愛が溢れた「お雑煮マニアックス」（プレジデント社）
次回12月25日（日）の放送も、どうぞお楽しみに！
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＜番組概要＞
番組名：日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時：毎週日曜 15:00～15:50
パーソナリティ：小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト：https://www.tfm.co.jp/post/
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