声優界随一のサイクリスト・野島裕史が、自転車をテーマにお届けしているラジオ番組「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」。12月24日(土)~12月26日(月)の放送は、自転車チーム「VOICYCLE(ボイシクル)」のメンバーで声優の勝杏里(かつ・あんり)さんをゲストに迎えてお届けしました。
(左から)野島裕史、勝杏里さん
◆「BBJ2022千葉大会」は“スゴイ体”の人ばかり…!?野島:前回ゲスト出演してくれたときには、4月におこなわれた「ベストボディ・ジャパン2022 千葉大会」(以下「BBJ2022千葉大会」)で準グランプリに選ばれて、11月の「ベストボディ・ジャパン2022日本大会」(以下「BBJ2022日本大会」)の出場権を獲得した話題で盛り上がりました。
11月23日(水・祝)におこなわれた「BBJ2022日本大会」は、全国からどんな方々が集まっていたんですか?
勝:全国の地方予選で3位以内に入った人ばかりなので、それはもう名うての“スゴイ体”の人ばかりで、オーラがすごかったですね。地方予選のときとは雰囲気が全然違いました。“ヤバイ!”っていう(笑)。
野島:右を見ても左を見ても筋肉(笑)。
勝:やっぱり(出場者たちの)オーラですよね。僕もそうでしたけど、地方予選はある意味、度胸試しみたいな人がたくさんいるので。でも、「BBJ2022日本大会」はみんな完全に優勝を取りにきているので。
野島:そういった意味でもやっぱり気迫というか、オーラが違うんですね。そんななか、ズバリ結果は?
勝:「BBJ2022日本大会」予選で敗退しました。その予選に残ると、トップ10に入れたんですけど、トップ10に入れず……という感じです。
野島:惜しかったですね。でも、そこまで至ったのがすごい。
勝:初出場で「BBJ2022千葉大会」で準グランプリを取ることができて、そんなメンバーのなかに入れたのはすごい経験だったと思います。
野島:今後のモチベーションにもつながりますよね。
勝:モチベーションはヤバいですよ(笑)。
野島:アスリート体質というか、そういう考えのテンションの人たちって、負けて“もういいや”という感覚はゼロですよね。
勝:ゼロです(笑)! 負けこそがエネルギーになるじゃないですか。勝ち続けていると、何が良いのかわからなくなってくるので。
野島:そもそも重いものを持ち上げている人たちって、持ち上がらないことによってテンションが上がりますもんね。
勝:そうなんです。“上がらない……やってやるぜっ!”みたいな(笑)。
野島:持ち上がらないからこそテンションが上がると。
勝:そこに対して努力していくので。そこは一緒ですよ。
野島:負けたり、うまくいかなかったりしたときこそテンションが上がるのが筋肉思考なんですよね。
勝:負けた原因もすごく考えるし、弱点を克服するためのこともすごく考えるし。
◆本番に向けて…過酷な調整方法を告白野島:「BBJ2022日本大会」に向けて、今回も相当準備されたと思うのですが、具体的にはどんなトレーニングをしたのでしょうか?
勝:とにかくトレーニング量を増やしました。入賞した人たちは僕よりもサイズが大きかったので、“サイズを大きくしたい”と思って、地方予選が終わってすぐに食べる量、カロリーを上げて、なるべく重いものを持ち上げるようにトライしていって、筋肉量を増やすことをやりました。
野島:具体的には、週にどのぐらいのペースでトレーニングするんですか?
勝:週6でした。(1回当たりのトレーニングは)長くても2時間半ぐらいですかね。それ以上やれちゃうということは、強度が低いんですよね。
野島:なるほど。
勝:2時間以上できないぐらいの強度でやっていかないと体が反応してこないので。
野島:つまり、何も持ち上がらない状態まで持っていくということですね。
勝:そうです。必要な種目数をやるとちょうど2時間ぐらいになるという感じです。
野島:週6ということで、日によって鍛える部位を変えているのですか?
勝:僕は、1日目が脚の日、2日目が胸の日、3日目が背中の日、4日目が肩の日、5日目が腕の日、で、6日目がイレギュラーにしています。僕の弱点は肩の広がりと背中の広がりなので、6日目に肩と背中のトレーニングがもう1回くるんです。
野島:なるほど。苦手なところをさらに攻めると。
勝:それで1日休んで、また脚から始まるというルーティンにしていました。
野島:1日休むのも大事なんですか?
勝:気持ち的には7日やりたいんですけど、筋肉を大きくするには絶対休養が必要なんです。あと休みを入れないと疲れが溜まってくるので。休みの日は、サウナに行ったり、マッサージに行ったり、(トレーニングは)何もしない。
野島:ちゃんとリセットして、完全に労わる日なんですね。前回話を聞いたときは、地方予選の前日と当日はフラフラだったということでしたが、最後の水抜きはどうでした?
勝:今回もやったんですけど、声優という職業柄、完全な水抜きって、ちょっときついじゃないですか。
野島:はい。水抜きをすることで、より筋肉がバキバキになるのが驚きでした。
勝:筋肉がパンパンになった状態だけど、皮下に水分が溜まっていると、それ(筋繊維)が見えないんですよね。すごく難しいんですけど、筋肉が張るのは糖質と水と塩分なんですよ。ナトリウムと水は必要最低限だけ取って、糖質をいっぱい入れて、最後の最後で水を抜いていくという。
野島:前回はそれでフラフラだったと。
勝:前回は最後の最後で水を500gぐらいにしたので倒れるかと思ったんですけど、今回はウォーターローディング(水分調整)という1日に水を7~8リットル飲む期間を1週間ぐらい設けて。
野島:めちゃくちゃ水を飲むと。
勝:本当にえずくぐらい水を飲んで、ものすごく排出能力が高い状態にして。20分おきぐらいにトイレに行きたくなるような状態でしたね。
野島:いつ頃から水を抑え始めるんですか?
勝:水は前々日まで取って、前日は水を少なめにしていって、当日は様子を見ながら……という感じでした。
野島:声優業は当然、大会前日・当日は休んで?
勝:それが前日に仕事があったんですよ。
野島:よくできたね(笑)。
勝:前日も水が飲めない状況にするとヤバいから、前日も水1リットルぐらいは飲んで、仕事が終わって夜から抜いた感じです。
野島:ということは、大会本番ではフラフラにならなかった?
勝:前の経験を活かして、めちゃくちゃ元気でした! 成長を感じましたね(笑)。今回はカーボアップというのをやったんです。筋肉が張るのは糖質と水と塩分ですが、糖質をいっぱい取る作業ですね。だから最後は、ずっと糖質を取っているような感じでした。
野島:本番直前に?
勝:前日です。塩分はあまり取れないので、お餅をハチミツや黒蜜、あんこと一緒に2時間おきぐらいで食べました。
野島:めちゃくちゃおいしく感じるのでは?
勝:そうなんですけど、後半はもう水が飲めないんですよ。
野島:それはつらい(笑)。お餅なんて水がないと危ない。
勝:だからちょっとスリルがあるんですよ。喉につまらせて水を飲んでしまったら、これまでの努力がパーになってしまうので。
野島:何をそんなギリギリを攻めているんだか……(苦笑)。
勝:そんな緊迫感のなか、前日はお餅ばかり食べていました(笑)。
次回1月1日(日・祝)の「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」も、引き続き勝さんをゲストに迎えてお届けします。お楽しみに!
<番組概要>
番組名:サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国23局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週日曜 朝5:00~5:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトおよびアプリ「AuDee(オーディー)」でご確認ください)
パーソナリティ:野島裕史
番組Webサイト:
http://www.jfn.jp/toj