上品な甘さで、とろける果肉が最大の特徴の「伊達市のあんぽ柿」
モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの朝のラジオ番組「ONE MORNING」(毎週月曜~金曜6:00~9:00)。
12月16日(金)の放送は、今年生誕100周年を迎えた福島県伊達市(だてし)の特産品「あんぽ柿」に注目!「あんぽ柿」発祥の地・伊達市の市長・須田博行さんに、「あんぽ柿」のこだわり製法、おいしさの秘密、おすすめの食べ方などを伺いました。
吉田明世、須田博行市長(画面内)
◆祝生誕100周年!「伊達のあんぽ柿」とは?
吉田:須田市長には7月にもご出演いただき、おいしい「伊達市のもも」を紹介していただきました。今回は、伊達市の特産品「あんぽ柿」について、じっくりお話を伺っていきます。
須田市長:よろしくお願いします。
吉田:まずは、目の前にある「あんぽ柿」をいただきたいと思います。実が大きくて、ずっしりしているんです。やさしい甘さで食べ応えがあり、すごく幸せな気持ちになります。伊達市の特産品「あんぽ柿」は、甘くてどことなく懐かしい感じがします。「伊達のあんぽ柿」は歴史が長いんですよね?
須田市長:はい。今から約270年前の江戸時代までさかのぼり、市内の梁川町(やながわまち)五十沢(いさざわ)地区で柿の皮を剥き、縄に連ねて下げ、天日に干したものを「天干柿(あまほしがき)」と呼んだことが始まりです。それが明治維新の頃には「あんぽ柿」と呼ばれるようになったと言われています。
皮をむいて天日に干しただけですと、表面が黒く硬くなってしまいます。そこで、大正時代に、アメリカから干しブドウの製法として使っていた「硫黄燻蒸(いおうくんじょう)」の技術を取り入れたことで、表面はしっとりとしたきれいな飴色、中はとろっととした口当たりの「あんぽ柿の製法」が確立しました。
ちなみに、ちょうど100年前の今の時期に「あんぽ柿の製法」が確立し、今年であんぽ柿の誕生100周年を迎えることができました。
吉田:本当にきれいなオレンジ色で、中もとろっとしています。このおいしさは、独自の製法によるものだったんですね。
そんなあんぽ柿には100年もの歴史があり、今でも多くの方々に愛され続け、生産し続けているのはすごいことですよね。
須田市長:そうですね。特にあんぽ柿は、自然災害や病害などの困難を乗り越えた、先人たちの熱い想いと努力によるものです。その熱い想いを引き継いだ農家さん、流通や販売を担う農協や市場、販売店、あんぽ柿を楽しみに待つ消費者のみなさまなど、たくさんの人たちの想いが一つひとつにぎゅっと詰まっているからこそ、100年愛される味が守られ、受け継がれてきたのだと思いっています。
福島・伊達市発祥の特産品「伊達のあんぽ柿」
◆干し柿“呼び名”の違いは水分量!?
吉田:100年もの間、愛される味……本当に素敵ですね。伊達のあんぽ柿には、どのような特徴があるんですか?
須田市長:一般的に言われる“干し柿”は、水分量の違いにより「あんぽ柿」や「ころ柿」など、さまざまな呼び名があります。
「あんぽ柿」は水分量50%程度と半乾燥状態であるため、やわらかめの食感で、飴色でふっくら、とろける果肉が最大の特徴です。
「ころ柿」は水分量を25%程度までしっかりと乾燥させたもので、糖分が結晶化し表面に白い粉がふいたものになります。
また、あんぽ柿の乾燥期間は40日~50日程度と、一般的な干し柿よりも少し長目に乾燥させるのが特徴です。さらには福島県伊達市の独特の風土である、昼夜の激しい寒暖差が、柿特有の甘みをじっくりと引き出します。西側からの強い風が山にあたり吹きおろす風により、少しずつ乾燥して凝縮され、水分を50%ほど含んだ状態でやわらかく仕上げていきます。
吉田:水分量が50%なので、こんなにトロトロになるんですね! 原料となる柿は、何という品種の柿なのでしょうか?
須田市長:あんぽ柿に使われる柿には、縦長でふっくらとした形の「蜂屋柿(はちやがき)」と、平べったくて種がない「平核無柿(ひらたねなしがき)」の2種類があります。今回、試食していただいたものは「蜂屋柿」になります。
吉田:本当に鮮やかなオレンジ色で、“立派な柿なんだな”と実感します。100年前に確立した製法は、伊達市発祥のこだわりの製法なんですよね?
須田市長:はい。現在も、大正11年から続く伝統的な製法「硫黄燻蒸」で作られています。ヒモに下げた柿を二酸化硫黄の煙で30分ほど燻製することで、柿の表面がコーティングされ、外気に直接触れなくなります。これにより表面は鮮やかな天然の橙色を残し、虫よけやカビ防止、ビタミンの保持効果も得ることができます。
吉田:“燻製”と聞くと「匂いがするのかな?」と思ったのですが、そういった(燻された)香りはまったくないですし、柿本来の甘みと香りがあり本当においしいです。
市長も「あんぽ柿」をよく召し上がりますか? おすすめの時期などがあれば教えてください。
須田市長:私も毎年食べています。あんぽ柿は伊達市の冬の風物詩でもあり、地元の方にとっては、とても馴染み深いものです。また、あんぽ柿は贈答用としても人気が高いので、年末やお正月など特別なときにも、よく食べていただいています。
吉田:本当にトロトロでやわらかくておいしいので、お子さんも喜んで食べるのではと思いました。また、これからの時期は帰省のお土産として持って帰るのもいいかもしれないですね。
◆おいしくて美容にも◎
吉田:ちなみに、あんぽ柿はおいしいだけではなく、健康にもいいそうですね?
須田市長:あんぽ柿には、ビタミンAが豊富に含まれています。ビタミンAには皮膚や粘膜の保護、眼精疲労やドライアイを防止するなど、免疫力のアップにつながると言われています。
また、ゴボウやグレープフルーツよりも多くの食物繊維を含んでいるので、美容にもうれしい効果があると言われています。
吉田:おいしくて美容にもいいのは、うれしいですね!
◆アレンジすれば高級感のある“おつまみ”に
吉田:そのまま食べても、もちろんおいしいのですが、おすすめの食べ方がありましたら教えてください。
須田市長:あんぽ柿をバゲットに乗せ、クリームチーズや生ハムと一緒に食べるとおつまみとして味わうことができます。また、大根や人参と一緒に酢・醤油などの調味料を混ぜて“なます風”にしてもおいしいですよ。
(左上から時計回りに)あんぽ柿と牡蠣のフリット、伊達鶏とあんぽ柿のクリーム煮、あんぽ柿とマスカルポーネチーズの生ハム巻き、あんぽ柿とショコラクリームのフルーツサンド
▶▶ひと手間で、さらに美味しく!「あんぽ柿」をもっと楽しむレシピ集:
https://www.city.fukushima-date.lg.jp/uploaded/attachment/49657.pdf
吉田:ちょっと贅沢で、高級感のあるおつまみになりそうですね。最後に、須田市長からリスナーに向けてメッセージをお願いします。
須田市長:伊達市の自然豊かな気候風土と伝統の技が生み出すあんぽ柿は、きめ細やかな飴色ととろっとした口当たりが特徴です。今年は伊達のあんぽ柿が誕生して100周年ということもあり、地元は特に盛り上がっていますし、今年は柿が豊作でしたので、たくさんのおいしいあんぽ柿をお届けできると思います。農家の方が一つひとつ丹精込めて作った伊達あんぽ柿を、ぜひ多くの方に味わっていただきたいと思います。
<番組概要>
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月~金曜6:00~9:00
パーソナリティ:ユージ、吉田明世
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/one/