青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMのラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」(毎週日曜 7:30~7:55)。1月8日(日)の放送では、警察庁 生活安全局 調査官の桝野龍太(ますの・りゅうた)さんに、「110番通報の新たなシステムと、使い分けよう『#9110番』」をテーマに話を伺いました。
(左から)青木源太、桝野龍太さん、足立梨花
◆「110番映像通報システム」とは?
「110番」とは、警察に事件・事故の発生を電話で知らせる緊急通報ダイヤルです。電話での通報のため、これまでは事件・事故の状況を言葉のみで伝えていましたが、新たなシステムである「110番映像通報システム」は、通報者のスマートフォンやタブレット端末から、事件・事故の映像などを送信することが可能となりました。
これによって、「視覚的に詳細な状況を知ることができるため、110番通報に迅速かつ的確に対応することができる」と桝野さん。また、「送信を受けた映像などは、通信指令室の担当者がリアルタイムに確認して、現場に向かう警察官にも送信することができるシステムになっています」と説明。すでに昨年10月から全国の都道府県警察で試行運用を始めており、「今年の春頃からの本格運用を目指している」と言います。
事件・事故による被害の拡大防止や速やかな事件解決のためには、「発生直後の初動活動がとても重要」と桝野さん。そのため、最初の情報伝達をより迅速に、より的確におこなうために「110番映像通報システム」の活用が期待されています。
◆「110番映像通報システム」の利用手順(スマートフォンの場合)
スマートフォン(以下、スマホ)から110番通報すると、通報を受理した通信指令室の担当者が「事件ですか? 事故ですか?」と状況について質問してきます。そのやり取りをしている最中に、映像が必要だと担当者が判断すると、「映像通報にご協力いただけますか?」と尋ねてきます。そして、これに同意すると“映像送信依頼”がショートメールでスマホに届きます。
このメールに記載されているURLにアクセスすると、アクセスコードを入力する画面が現れます。ここで、電話で話している担当者から口頭で伝えられる数字4桁のコードを入力することで、システムにログインできます。その後に「留意事項画面」が表示されます。ここには、次の4つの事項が記載されています。
1.送信する映像等に係る著作権は放棄していただきます。
2.GPS機能を用いて通報者の位置情報を取得します。
3.第三者のプライバシーを不当に侵害することがないよう撮影をしてください。
4.映像等の送信に係るデータ通信料金は通報者の負担となります。
これに同意する場合、「同意する」を押すとカメラモードが起動して映像をリアルタイムで警察と共有できるようになります。また、スピーカー機能を使って、映像を撮りながら会話もできます。さらに、映像を撮影中、画面上に「もう少し右側を写してください」など、担当者からの指示がテレビのテロップのように文字で表示される機能もあります。
こうした映像は現場に向かう警察官にも共有され、事件がよりスピーディーに解決することも期待できます。この新システムでは、リアルタイムの映像だけでなく、その場で撮影した写真や、すでにスマホに保存していた映像なども送信することができます。
ちなみに、昨年10月~11月の2ヵ月間で「110番映像通報システム」の試行運用がおこなったところ、110番映像通報システムを活用した件数は622件でした。そのうち、保護・救護関係は約46%と最も多く、次に交通関係で約20%でした。
◆警察相談専用ダイヤル「#9110番」
昨年1月~11月のあいだに、日本全国で受けた110番通報の件数は約850万件。これは国民の約15人に1人が通報したことになり、頻度でいうと、約3.4秒に1件のペースで、誰かが通報をしているということになります。ただ、そのうちの2割ほどは“身の上相談”“免許更新の問い合わせ”など、緊急対応を必要としない通報も。このような通報が寄せられると、本当に緊急を要する事件・事故への対応が遅れてしまうことにもなりかねません。
そこで、もう1つの警察への窓口として開設されたのが、警察相談専用ダイヤル「#9110番」です。これは、全国どこからかけても、電話をかけた地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながる全国共通の電話番号です。110番は、今すぐ警察官に駆けつけてもらいたいような緊急の事件・事故などを受け付ける緊急通報ダイヤルであるのに対し、「『#9110番』は、緊急ではないけれど、警察に相談したい、問い合わせたいことがあるというときにご利用いただきたい警察相談専用ダイヤルです」と桝野さん。
「#9110番」には、いじめやDV事案に関する相談、痴漢など性犯罪被害の相談、悪質商法・サイバー犯罪に関する相談、交通相談など、さまざまな相談が寄せられます。また、これらの相談内容に応じて、関係する部署が連携して対応し、指導、助言、相手方への警告、検挙など、相談者の不安などを解消するために必要な措置を講じてくれます。
さらに、相談内容によっては、弁護士が助言してくれる法テラスや消費生活センター、児童相談所など、他の専門機関への引き継ぎや紹介もしてくれます。
なお「#9110番」は、基本的に各都道府県警察本部の受付時間内で対応しており、時間外や土日・祝日の場合は、24時間受付体制の一部の県警を除き、当直または音声案内で対応しています。ダイヤル回線や一部のIP電話からは利用できませんので、ご注意ください。
最後に桝野さんは、「110番通報の際に警察から映像や画像の送信を求められた際は、無理のない範囲でのご協力をどうぞよろしくお願いします。また、緊急の場合は『110番』、緊急性のない相談・要望は『#9110番』と使い分けていただき、警察が緊急通報に速やかに対応できるように、ご協力をお願いします」と呼びかけました。
「110番映像通報システム」について、足立は「今後(導入されたら)役に立ちそう」と期待を寄せ、「被害の拡大を防ぐため、(警察官が)早急に事件解決に向けて動くために、私たちが映像や画像を送信することによって良い方向に向かえばいいなと思うので、(そういう場面に直面したら)できる限り協力したい」とコメント。
青木は「#9110番」に着目。相談内容に応じて、関係する部署が連携して対応してくれることを受け、「暮らしのなかで、“緊急性はないけれども警察に相談してみたい”ということもあると思うので、そういうときに『#9110番』に電話をすれば、関係機関や専門機関に引き継いでくれたり、紹介してくれるのは、とても安心ですね」と話しました。
(左から)青木源太、足立梨花
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聴取期限 2023年1月16日(月) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/collection/