青学大・原晋監督 連覇を逃した“箱根駅伝”を統括「まさかの連続」「改めて難しさを感じさせられた」

藤木直人、高見侑里がパーソナリティをつとめ、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMのラジオ番組「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」(毎週土曜 10:00~10:50)。1月7日(土)の放送では、青山学院大学陸上競技部の原晋(はら・すすむ)監督をゲストに迎えて、お届けしました。


藤木直人、原晋監督(タブレット画面)、高見侑里



原監督は、1967年生まれ、広島県三原市出身の55歳。中学から陸上を始め、高校時代は主将として全国高校駅伝で準優勝。進学した中京大学では、3年生のときに日本インカレ5,000mで3位入賞。

そして、2004年から青山学院大学陸上競技部監督に就任。就任5年目となる2009年に箱根駅伝出場に導くと、その後は箱根駅伝4連覇を含む、6回の総合優勝を果たすなど、その手腕が注目されています。

◆原晋監督が今年の箱根駅伝を総括

藤木:今年の箱根駅伝、青山学院大学は3位と素晴らしい成績ではありますが、連覇を狙っていた原監督としては、ちょっと悔しいレースになりましたか?

原:そうですね。1万メートルの自己ベストタイムもチーム平均タイムも、これまでにない良いタイムを出していましたので、人材的には豊富だったんですけど……駅伝というのは何が起こるかわかりませんよね。

藤木:箱根駅伝に体調を合わせていく難しさというものもあるんでしょうね。

原:昨今の箱根駅伝は、1区間でもブレーキしたら優勝から遠ざかる。それだけ激戦なので、やっぱり(箱根駅伝に)ピークを合わせたチームが良い成績を収めますよね。

藤木:原監督は常々「上り坂、下り坂、“まさか”の3つの坂がある」とおっしゃっていますけど、今回はそこにすべて集約されてしまった感じでしょうか?

原:今年の坂はどんな坂よりもキツかったですね。“まさか”こんなことが起こるんだな、と。改めて箱根駅伝の難しさを感じさせられました。

藤木:それでも素晴らしい走りを見せてくれました。まずは2区のエースの近藤幸太郎(こんどう・こうたろう)選手。日本を代表する選手である駒澤大学の田澤廉(たざわ・れん)選手と同じ区間を走ることが多いですが、今シーズンは負けない走りを見せてくれましたし、箱根の2区では田澤選手に勝ちましたよね。

原:高校時代はそれほどスーパースター的な選手ではなかったんですけど、大きな故障もなく4年間しっかり練習を積み上げて、最後に田澤選手に勝つことができましたね。

藤木:これで区間賞を取るんじゃないかと思ったら、最後の最後で中央大学の吉居大和(よしい・やまと)選手がすごいスパートでしたね。

原:吉居選手はすごいですね。将来、世界を目指せるランナーじゃないでしょうか。それに、吉居選手と近藤選手は、子どもの頃から同じランニングクラブでトレーニングをしていた仲なんです。

途中、近藤選手が吉居選手に追いついたとき、吉居選手がちょっとバテていたのに、近藤選手が「ついて来いよ!」というような仕草をしたんです。監督の立場からすると「余計なお世話だぞ!」という感じなんですけど(笑)。

藤木:本当にそうですね(笑)。でも、そこが近藤選手の人間性の素晴らしさなのかなと思いました。

原:やっぱりそれが“ザ・青学大”の選手でしょうか。心やさしい選手がいます。

藤木:そして4区の太田蒼生(おおた・あおい)選手。去年は1年生で素晴らしい走りを見せてくれましたが、今年も素晴らしい走りでした。駒澤大学の鈴木芽吹(すずき・めぶき)選手に追いつく走りでしたよね。

原:実は、彼も1年間苦労しまして。昨年の箱根駅伝の直後に故障して、それがずっと長引いて、本格的な練習を再開したのが10月以降だったんです。ですから、10~12月の3ヵ月で箱根にピークを合わせてきた。(箱根駅伝まで)1週間を切った段階で、ようやく“いけます”というような状態だったので、ギリギリのラインで調整してくれましたね。ポテンシャルも高い選手です。

藤木:そして9区の岸本大紀(きしもと・ひろのり)選手。8位という想像もしていなかった順位でタスキを受け取るわけですが、そこから一気に3位集団に追いつき、そこで併走するのかと思ったら、一気に抜きましたね。

原:彼もポテンシャルの高いランナーなんですけど、この1年間は故障に悩まされた時期がありまして。12月中旬ぐらいまでは、出走すらできないぐらいの足の状態で、彼は(箱根駅伝まで)5日前ぐらいからようやく“いけます”というぐらい悪かったんです。それでも、太田にしても岸本にしても、最後はきっちり仕上げてくれました。

藤木:そうだったんですね。だとしたら、今回の箱根駅伝のオーダーは、ギリギリまで決め切れない状態だったということでしょうか?

原:今になって私のメモを見返してみると、12月に考えたオーダーと実際のオーダーが、1区間も合っていないですね(笑)。実は、近藤選手は1区へ持っていって、ぶっちぎりで突っ走ろうかなと想定していたんです。理想を言えば、1区は近藤、2区は岸本で行きたかったんですけどね。

◆記念すべき100回大会に向けて

藤木:来年の箱根駅伝は、記念すべき100回大会になります。新チームは始動されているんでしょうか?

原:はい。優勝した後は、わりとのんびりして、集合練習もそんなに早くからはやらないのですが、今年は3位という成績で終わりましたので、もう1月4日(水)から始動をしています。

藤木:(箱根駅伝の)次の日じゃないですか!

原:さすがに朝練習は集合しませんでしたけど(笑)。4日から練習を開始してミーティングで意識づけをしましたね。

藤木:最後に、来年の箱根駅伝で、青山学院大学はどのように進化した姿を見せてくれますか?

原:僕は日ごろから、何かをやってしまった、失敗した出来事を“失敗”と捉えるのではなくて、何もしない、そこに立ち止まっていることこそが“失敗”だと思っているんですね。もはや何が正解か読めない時代に突入しているということは、みなさんも理解されていると思います。

ですから私は、今日の常識は明日の非常識、改革心とチャレンジ精神を持って、これからも努力し続けていきたいと思います。100回大会では、必ずやリベンジすることを誓いたいと思います!

次回1月14日(土)の放送は、元サッカー日本代表の石川直宏さんを迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!

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<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/

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