世界約40の大学と“協定校提携”東京農大が“国際センター”をつくる理由とは?

川瀬良子がパーソナリティをつとめ、日本の農業を応援するTOKYO FMのラジオ番組「あぐりずむ」。毎週火曜は、農業はもちろん、時代の先を捉えるさまざまな研究をおこなっている東京農業大学から、最先端の農学研究を紹介します。1月3日(火)の放送では、東京農業大学の大澤貫寿(おおさわ・かんじゅ)理事長が出演。東京農大に新たに建設された国際センターや食品安全研究センター(FSRC)について伺いました。


(左から)大澤貫寿理事長、川瀬良子


◆農業分野で活躍できる人材の輩出を目指して

昨年、当番組では、北海道オホーツクキャンパスで「ホッカイエビ(ホッカイシマエビ)」の生態や「流氷」のメカニズムについての話を伺ったり、東京農大が所有する奥多摩演習林や「東京農業大学『食と農』の博物館」を訪ねるなど、東京農大のさまざまな一面に触れてきた川瀬は「東京農大の幅広さに驚きました」と印象を語ります。

そんな川瀬の言葉通り、東京農大ではさまざまな付属施設を全国に展開していると大澤理事長。現在は、125周年事業の核として、世田谷キャンパスに国際センターを建設中です(※4月完成予定)。

大澤理事長は、「東京農大は世界の32ヵ国44大学と協定校提携をしていますので、ここを拠点に学生・スタッフの交流を積極的におこなっていきたい。また、アジアやアフリカも含めて積極的に学術交流・学生交流を進めており、東京農大で学位を取得後、世界各地域に戻って地域の発展や教育に貢献している人材もいます。そういった人たちとの交流を深めながら、農業分野で活躍できる人材を輩出していきたい」と展望を語ります。

さらに、昨年4月には“食の安全と安心”に関して、より積極的な活動をおこなう新たな組織として、食品安全研究センター(FSRC /Food Safety Research Center)を設置しました。

この施設の目的について大澤理事長は「食品安全は、従来から病原菌による食中毒の問題などもあります。今は培養肉が作り出されてきているなかで、その安全性をどうやって担保するのか。昨今、技術革新もあって(遺伝子)組み換え作物が問題になりましたが、そういった新たに出てくる食品の安全など、製造工程を含めて、時代に対応した安全の管理が非常に大事」と語ります。

また、「東京農業大学『食と農』の博物館」では、3月4日(土)まで「荒川 弘〈百姓貴族〉× TOKYO NODAI 2022」を開催しています。ここでは漫画家・荒川 弘先生が描いたマンガのパネルや秘蔵コレクションのほか、各テーマに沿った同大学教員による解説パネルが数多く展示されています。

同企画展を実際に鑑賞した川瀬は「(一般の方からすると)畜産業って、まだまだ遠い存在だと思いますが、荒川先生によって、シニカルでちょっと笑える漫画になっています。さらに東京農大の先生から詳しい解説もあるので、すごく分かりやすくて楽しかったです。しかも、あの展示を無料で発信されているのは本当にすごい!」と絶賛。

この話を受けて大澤理事長は、「我々は地域の人たちのご理解を得なければなりませんし、“動物に接すると動物の気持ちが分かる”ということだろうと思うんです。若い子たちの感覚や感情は、そういうことのなかから生まれてくることもあるので、若い人たちには、できるだけ生き物と接してもらいたい。動物の感情や感覚を理解していくと、動物との共生も生まれてくることになるので、こういう展示が皆さまに伝わっていくと大変ありがたいです」と話していました。

次回1月24日(火)の放送も、どうぞお楽しみに!

<番組概要>
番組名:あぐりずむ
放送日時:毎週月曜~木曜 15:50~16:00
パーソナリティ:川瀬良子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/agrizm/

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