「決勝まで行きたかった…」かもめんたる・岩崎う大「M-1」出場で感じた“漫才の魅力”とは?

お笑いコンビ・麒麟の川島明がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「SUBARU Wonderful Journey 土曜日のエウレカ」(毎週土曜 17:00~17:55)。「あなたの心を、ここではないどこかへ」をテーマに、ゲストの「ココロが動く(=エウレカ)思い入れのある場所」へと案内していきます。

1月14日(土)放送のお客様は、お笑いコンビ・かもめんたる 岩崎う大(いわさき・うだい)さん。ここでは、“「M-1」ラストイヤー”で挑んだ「M-1グランプリ 2022」を振り返りました。


岩崎う大さん(かもめんたる)


1978年生まれ、東京都出身の岩崎さん。2007年に槙尾ユウスケさんと「かもめんたる」を結成し、2013年に「キングオブコント」で優勝。2022年に開催された「M-1グランプリ」では準決勝に進出しました。近年は脚本家、役者、漫画家など幅広い分野で活躍。2015年から旗揚げした「劇団かもめんたる」では精力的に公演をおこない、2020年・2021年に岸田國士戯曲賞候補に選ばれています。


TOKYO FMのラジオ番組「SUBARU Wonderful Journey 土曜日のエウレカ」1月14日(土)放送ゲスト:岩崎う大さん(かもめんたる)


◆全力を出し切った「M-1グランプリ」

川島:去年は「M-1グランプリ」にも出られていましたね。

岩崎:2021年から出ているんですけど、僕はずっと漫才に苦手意識がありまして。

川島:そりゃあ「キングオブコント」に出ていますからね。

岩崎:そうなんですよね。最初に芸人をやり始めたときにちょっとやったんですけど、周りの漫才師と並んだときに太刀打ちできないし、自分でやっていてもテンションが上がっていかなかったんです。

それで完全にコントでいこうってことになり、漫才に苦手意識を持つようになったんです。だけど、“コント師に漫才をやらせる”っていう番組がありまして、1回やったときに反応がよかったんですよ。

川島:単純に言うと、ウケた?

岩崎:そうです。僕らがやったのがしゃべくり漫才で、自分たちの素を活かしている感じだったんです。“かもめんたるの説明書”にもなるからやってみたんですけど、面白い話というか奇妙な話というか。

コントをやっているときは、漫才を“対極にあるもの”として捉えていたんです。さらに、漫才とは遠い演劇もやっている。たまたま演劇の公演中に漫才番組のオファーが来たんですけど、そのときの公演でやっていたのは、僕の頑固さやウザい部分を煮詰めた役だったんです。

川島:けっこう等身大な役だったと。

岩崎:そのときはラサール石井さんが客演で出ていたんですけど、ラサール石井さんを延々と詰めたりするような役でした。“そのキャラでしゃべくり漫才をしたらいいのかな?”と思ってやったんですけど、それがハマって。

漫才って、いったら会話劇じゃないですか。コントでそれをやると、「2人でしゃべり続ける理由がない」「なんでこの登場人物は、こんな嫌なやつの隣にずっといるの?」といった疑問が出てくるんです。

川島:たしかに。

岩崎:それで(説得力を持たせるために)いろんなシチュエーションをくっつけていかないといけないんです。でも、漫才だと(隣にいるのが)“相方”っていう理由だけで、それが成立する(笑)。

川島:やりたいことと漫才がリンクしたんだ?

岩崎:近かったです。劇団を経由していなかったら、“しゃべり漫才でやっていこう”っていうアイデアが出なかったと思います。

川島:いろいろご縁があって漫才をやってみたら楽しかったんだ。

岩崎:出演した番組のディレクターさんから「『M-1』に出てみたら?」って言われたんです。昔、小島よしおとかとやっていた5人組の(コントグループ)「WAGE」のあとに、かもめんたるを結成しているから、実は結成が普通のコンビよりも遅いんです。

「M-1」は“コンビ結成15年以内”っていう出場条件があるけど、「あと2年残っている」って話になったんです。

川島:それでなんだ!

岩崎:2年計画で、“1年目は準決勝までいけたらいいかな”って。僕のなかではピンポイントで、2022年の「M-1」決勝にストレートで上がる。この1点のみを(目指しました)。

川島:そんなに熱いものがあったんだ。

岩崎:そうじゃないと時間を割いてやるモチベーションが湧かないなと思ったので、本気でやらせてもらいました。

川島:2021年はどこまでいったの?

岩崎:目標の1個下・準々決勝で終わっちゃったんです。で、準決勝の空気をやっぱり知っておきたいじゃないですか。本当は初年度にそこまで行きたかったんです。そして、去年は準決勝まで行ったから、結局(毎年)目標の1個ず下で終わりました。

川島:あのメンバーで準決勝にいったのはすごいことですよ。錚々たるメンバーが準々決勝で落ちて、ラストイヤーは、かもめんたるだけという。結果を予想できなかった人は多いと思います。名誉なことですよ。

岩崎:そうですね。周りから見たら“健闘した”ってなるんですけど、僕のなかでは決勝までいきたかったし、あとは単純に寂しい気持ちですね。

川島:もう出られないからね。

岩崎:でも、今回も自分のなかでお気に入りのネタを2本やれたので、その点では満足しています。

川島:今できることはやりきったということですね。

▼「劇団かもめんたる」最新舞台!
岩崎さんが作・演出を手掛ける「劇団かもめんたる」第12回公演「奇事故(KIJIKO)」が、1月25日(水)~29日(日)、東京・池袋の劇場「あうるすぽっと」で上演されます。

「奇事故(KIJIKO)」は催眠術ショーの途中、その催眠術師が殺されたせいで、催眠術にかかったまま暮らすことになった少女のその後の人生が描かれるストーリーです。

岩崎さんは「ただ“おもしろおかしく”ではなく、割とノンフィクション。コメディの話だけど、シリアスな部分も多々ある」とアピールしました。

現在、各プレイガイドでチケット発売中です。ぜひ、足を運んでみてください。
詳しくは「劇団かもめんたる」公式Webサイトをご確認ください。

次回2023年1月28日(土)の放送も、お楽しみに!

▶▶毎週土曜の55分間だけ営業する旅行会社EDC(=Eureka Drive Corporation)の社員たちが担当するPodcast番組(AuDeeSpotify)も配信中です。

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聴取期限 2023年1月22日(日)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:SUBARU Wonderful Journey ~土曜日のエウレカ~
放送日時:毎週土曜 17:00~17:55放送
出演者:川島明(麒麟)
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/wonderfuljourney/

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