手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。今回の放送では、「ブラックアイスバーンの危険性」について取り上げました。
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1月の第4週は、北日本から西日本の日本海側を中心に大雪となりました。これによって、新名神高速道路では立ち往生が発生するなど、交通機関にも大きな影響が出ました。
前回の放送では“大雪で車が立ち往生してしまったら”という視点でお伝えしましたが、今回は、この時期だからこそ知ってほしい“ブラックアイスバーンの危険性”についてお伝えします。
ブラックアイスバーンとは、アスファルトの表面が氷に覆われた状態のことです。コンクリートの表面に薄い氷が張った状態は、濡れているだけの路面と見分けがつきにくく“そのまま走っても大丈夫”と考えてしまいがちです。しかし、実際は滑りやすく車の動きにも影響が出てしまうため非常に危険です。
具体的にどんな危険性があるのでしょうか? JAF(日本自動車連盟)によると、スタッドレスタイヤを装着した車が時速40キロで急ブレーキをかけてから、車が停止するまでの距離を調べたところ、濡れた路面では11メートルに対し、ブラックアイスバーンの路面では69.5メートルと、濡れた路面に比べて6倍以上も長くなる結果が出ています。とはいえ、スタッドレスタイヤを装着していても、すぐに止まれるわけではないので油断は禁物です。
また、ブラックアイスバーンは、橋の上やトンネルの出入り口など、気温が低くなりやすい場所や風が通りやすい場所だったり、主に日かげの箇所で発生します。特に路面が見えにくく気温が下がる夜間や早朝は、濡れた路面とブラックアイスバーンの路面を見分けるのが難しいため、路面が凍っている可能性が高いことを意識して、慎重な運転を心がけましょう。
さらには、事故を防ぐために車間距離を保って運転したり、コントロールが効かなくなってしまう恐れがある急発進、急停止、急ハンドルといった動作を避けることも重要です。
では、もし運転中にブラックアイスバーンの路面で滑り始めてしまったら、どうすれば良いのでしょうか? JAFによると、急ハンドルを切っても思い通りの方向に進まず、急ブレーキを踏んでもすぐには止まらないため、落ち着いてエンジンブレーキをかけるなど、徐々にスピードを落としていく動作が必要とのことです。
また、寒さによってバッテリーが上がってしまうことにも注意が必要です。気象情報を見て、荒れた天気になることが予想される場合は、“外出しない”“予定を変更する”といった判断も大切です。
この時期は“雪が積もっていないから大丈夫”という考えで運転するのは大変に危険です。雪が降っていなくても、条件が揃えばアイスバーンは起こります。アイスバーンの知識と注意点を覚えて、雪が降らない地域の方も十分に注意して運転しましょう。
<番組概要>
番組名:防災FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/bousai/