身長168cmで相撲界へ…元関脇・豊ノ島が入門当初に感じた壁「すごいところに入ってしまったな」

藤木直人、高見侑里がパーソナリティをつとめ、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMのラジオ番組「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」(毎週土曜 10:00~10:50)。2月11日(土・祝)の放送では、元関脇の豊ノ島大樹(とよのしま・だいき)さんをゲストに迎えて、お届けしました。


(左から)藤木直人、豊ノ島大樹さん、高見侑里



豊ノ島さんは、1983年生まれ、高知県出身の39歳。2002年に18歳で初土俵。21歳で新入幕、25歳で新関脇となり、通算703勝、殊勲賞3回、敢闘賞3回、技能賞4回、金星は4個。2020年4月に現役を引退し、現在はタレントとして活動しています。

◆小さな体で真正面からぶつかり続けた18年間

藤木:身長168cmは、相撲界では小柄なほうになりますか?

豊ノ島:そうですね。自分の前(の世代)で言うと、舞の海(秀平)さんが同じぐらいだったんですが、今の世代で言うと炎鵬も168cmぐらいです。

藤木:舞の海さんが(規定の)身長が足りず、(新弟子検査規定の際に)頭にシリコンを入れたという話が有名ですよね。

豊ノ島:“頭にシリコンを入れる”って危険じゃないですか。“そこまでしてまで(相撲界に)入りたいという子がいるなら”ということで、規定が下げられました。

自分は、※第二新弟子検査で入ったんですけど、身長が167cm以上、体重が67kg以上(が基準)でした。また、スポーツテストをして、運動能力が長けていれば入れるという規定もできまして。自分はそれで入門しました。
※第二新弟子検査…2001年から2012年までおこなわれた、第一検査で体格面(173㎝、75㎏以上)で不合格になった人が受けられた検査(現在は廃止)。

藤木:部屋入りされて、順調に昇進されていったわけですね?

豊ノ島:そうですね。2年ほどで十両に昇進できたので、まあまあ順調でしたね。

藤木:それまでに、どこかで壁にぶつかったりはしなかったのですか?

豊ノ島:入門してすぐに“すごいところに入ってしまったな”と感じたんです。幕下(十両の手前の番付)の人に思い切りぶつかっても、羽目板(壁)に簡単にふっ飛ばされるような……それぐらいの力の差があったので、“こんなところに入ってしまったんだな”と。

でも逆に“この人を倒さないと、上が見えてこないんだな”“ふっ飛ばされた人に勝たなきゃ”と思って、その人をターゲットにして(稽古していました)。

藤木:(幕下の人で)そんなにすごいんだったら、“横綱ってどれだけすごいんだ!?”と思ってしまいませんか?

豊ノ島:“横綱がどれだけ強いんだろう?”ってすら想像できないぐらい、その人が強すぎて……(笑)。相撲界に入ってすぐの出来事だったので、慣れない環境もあいまってビビっている部分もあったんです。

相撲部屋の稽古の雰囲気も、すごくピリピリした感じで、もちろん、兄弟子も新弟子に厳しくするわけじゃないですか。そこで“うわっ!”と壁を感じましたね。


豊ノ島大樹さん



◆横綱・白鵬との優勝決定戦で心境に変化

藤木:幕内力士となってから、どんな思いで優勝を目指していましたか?

豊ノ島:“優勝を狙う”という気持ちは常に持っていたんですけど、“結果に残していかないと、所詮口で言っても……”とも思っていました。1度、白鵬関と14勝1敗で優勝決定戦まで行かせてもらったことがありまして。

優勝まであと1歩というところまで行ったので、“こういうことは、ちゃんと口にしていかないとダメだな”と思って、それからは場所前に「本場所の目標は?」と聞かれたら「全勝優勝」と口にするようになりました。

とはいえ、自分のなかでは大きいことを言っているわけじゃなく、もし初日で負けたとしたら「14勝1敗」を目指す。2日目も負けたら「13勝2敗」を目指す……と“15日間のなかで負けていい相撲なんてない”という考え方でした。

そういう意味で「全勝優勝を目指します」と言うようにしていましたし、優勝決定戦を経験してからは、“優勝”というものに対して余計に気持ちが強くなりましたね。

藤木:1年に6場所しかないと、優勝できる力士は少ないですよね。

豊ノ島:特に自分たちの時代には白鵬関がいましたので。

藤木:やっぱり強かったですか?

豊ノ島:強かったですね。45回も優勝していますから。“1回くらい(自分が優勝しても)良かったじゃん?”ってすごく思いますよね(笑)。14勝1敗ってなかなかできないので(優勝できなくて)悔しかったですね。

藤木:白鵬関の強さの秘密は、どこにあると思いますか?

豊ノ島:わかりやすく言うと、(力士は)みんな“まわしを四つに組めば強い”とか“突き放しが強い”とか(得意な分野が)あるんです。それが、(白鵬関は)すべてにおいて長けている。全部が超一流という感じなんですよね。いまだに“何が弱点だったんだろう?”と思います。

次回2月18日(土)のゲストも、元関脇の豊ノ島大樹さんです。

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聴取期限 2023年2月19日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/

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