小日向文世、23歳で劇団に入り俳優となるも「47歳までは借金生活でした」

放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。2月12日(日)の放送は、俳優の小日向文世(こひなた・ふみよ)さんをゲストに迎えて、お届けしました。


(左から)小山薫堂、小日向文世さん、宇賀なつみ



小山が企画・脚本を手がけた映画「湯道」が2月23日(木・祝)に公開を迎えます。そこで今回は、“公開直前スペシャル”と題し、同作で定年間近の郵便局員・横山正を演じている小日向さんがスタジオに登場。

まず自らが提唱した「湯道」について、小山は「お茶の道、お花の道、香りの道があるように、風呂にも道があったらいいなという僕の妄想のもとに始まったもの」と説明。完全オリジナル脚本で書き下ろした本作は、「まるきん温泉」という銭湯を舞台に描いた笑いあり涙ありの群像劇。

主演を演じるのは、東京で成功していた建築家・三浦史朗役の生田斗真さん。そして、史朗の弟で「まるきん温泉」店主の悟朗役を濱田岳さん、銭湯で働いている看板娘・秋山いづみ役を橋本環奈さんが演じています。

さらに、この日のゲスト・小日向さんをはじめ、天童よしみさん、クリス・ハートさん、戸田恵子さん、寺島進さん、厚切りジェイソンさん、生見愛瑠さん、朝日奈央さん、ウエンツ瑛士さん、吉田鋼太郎さん、窪田正孝さん、夏木マリさん、角野卓造さん、柄本明さんと実に多彩な豪華俳優陣が脇を固めています。

そんな本作について、小山は「風呂を突き詰めた、風呂好きのための映画」とキッパリ。小山いわく、「湯道が16代も続いている伝統的な話」に加え、「まるきん温泉」を舞台に三浦兄弟の確執などの人間模様を描いた「この2つの軸をつなぐ重要なキャストが、小日向さん演じる郵便局員の横山という人物なんです」と解説します。さらには、「僕にとってはもう、この横山を描きたくて(脚本を)書いたみたいなところもありますから」とも。

最初に台本を読んだときの印象について、小日向さんは「子どもの頃から『時間ですよ』のようなホームドラマとか庶民のお話のドラマが大好きで。最近そういう作品があまりないなと思っていたなかで、まさにその世界が広がっているなという感じで、(演じるのが)すごく楽しみになりましたね」と振り返ります。

自身が演じた横山という役については「まったく地味で、ピッタリだなっていうか(笑)。こういう役は、僕的にはとても楽ですね。頭のいい人や知的な役、女ったらしの役など、そういう役だと自分とはかなり遠い存在なのでとてもキツいですけど。『まるきん温泉』がある町のなかで、いろいろな人たちとのつながりを持っている人という感じがして。いい役だなと思って演じました」と小日向さん。

そして、小山いわく「おそらく、小日向さんが最もお風呂に入るシーンが多かった」と補足します。


映画「湯道」のフライヤー



そんな小日向さんは、1954年生まれ、北海道出身の69歳。18歳のときに上京し、デザインの学校に通っていましたが、骨折をして2年間ほど入退院を繰り返していたそう。そして、20歳で写真の学校に進み、2年で卒業。

そのときに「写真が“自分の進む道”なのかどうか。何か違うなと考えて、俳優をやりたいと思うようになった。だから(俳優になろうと思ったのは)22歳のときですね」と小日向さん。

俳優を志し、文学座を受けるも、あっさりと落ちてしまったそう。しかし、知り合いの紹介で中村雅俊さんのコンサートスタッフをやることに。当時、中村さんといえば、文学座で人気を博していたこともあり、「中村さんのそばにいたら、来年コネで(文学座)に入れてもらえるかもしれないと思って(笑)」と笑顔をのぞかせます。

それが縁で中村さんの付き人をするようになった小日向さん。小山から「中村さんから一番学んだことは?」と問われると、小日向さんは「学んだことというか、僕はステージ袖で、中村さんがピンスポットを浴びながら気持ち良さそうに歌っているのを見たときに、“あっ、やっぱり自分は俳優を目指して、あっち(人前に立つ側)に行かなきゃいけないな”というのを、しっかりと見せてくれた」と話します。

1977年、23歳のときにオンシアター自由劇場に入団。1996年に同劇団が解散するまでの19年間、42歳まで在籍。当時、借金はなかったものの、「貯金もなかった」と回顧。劇団解散後に、事務所に入って映像の仕事などを始めるも、「42歳から47歳までは借金生活でしたね。結局、仕事がこないんですよね」と小日向さん。

そんな状態から俳優一本で“食っていける”と実感したのは、「たぶん(フジテレビ系の月9ドラマ)『HERO』、47歳のときですね。『HERO』に出て、そこからようやっと回り始めたという感じですね」としみじみと語りました。

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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/post/

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