市川美絵がパーソナリティをつとめるJFN系列で放送されているラジオ生放送番組「Seasoning~season your life with music~」。2月9日(木)の放送は、木曜レギュラーパートナーの若新雄純(慶應大学特任准教授などをつとめるプロデューサー)が出演。最近起きたニュースを独自の視点で解説するコーナー「若新雄純の『色メガネ』」では、「マスクの着用ルール」に関するニュースを取り上げました。
木曜レギュラーパートナーの若新雄純
◆マスク着用ルールに見る日本の現状
政府は、直近の新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向にあることを鑑み、マスクの着用ルールについて、3月上旬にも「屋内・屋外問わず各自の判断に委ねる」とする方向で調整に入っています。卒業式などにおけるマスクの着用についても、コロナの流行が落ち着いていることを前提に、マスクなしを容認する見通しです。
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このニュースに若新は、「屋内・屋外問わず各自の判断に委ねる」とする言葉に着目。「『各自の判断に委ねる』と言われると、逆に困ってしまう人がいるのが、日本の現状を面白くあぶり出していると思う」とコメント。
若新によると、「マスクの着用ルール」について、現場の先生からの「子どもたちが“安全”だというだけでなく、子どもたちが“安心”して卒業式に出られるようにしてほしい」という声を聞き、ここで言うところの“安心”について深掘りしたいとのこと。
マスクの着用を各自の判断に委ねることになった場合、例えばクラスのなかで、ほとんどの生徒はマスクを着用していて、マスクを外している生徒は、ごくわずかという状況も大いにあります。若新は「子どもたちは、自分の選択や判断が少数派だから“間違っている”と思われるのではないか……と、ものすごく気にしているらしい。だから、子どもたちが不安にならないように、子どもたちの安心のためにも先生や校長が『学校でどうするか方針を決めましょう』と議論になっている学校もある」と言います。
続けて「各自の判断に委ねると不安になる社会……これが現状の日本の特徴の1つ」と言い、「本来、作らないといけない“安心”というのは、例えば『今日、みんなとは違う判断をしたけど、別にこれでもいいんだ』と思えることが本当の意味での“安心”のはず。でも、日本の社会にはそれがない。特に少数派になってしまうと、(自分の選択や判断が間違っているのではないかと)不安になってしまう」と語ります。
また、政府がマスクの着用ルールを「各自の判断に委ねる」と正式に示したときに、「僕たちが目指すべき“安心”は、(自分の選択や判断が)人と違って少数派だったとしても、堂々としていられること。そもそも、人と一緒になることのほうが珍しいし、みんなが同じというのは、まれな話」とし、「子どもたちを不安にさせないためにも、『自分だけ違うことをやってもいい』『違っていていいんだよ』という安心感を、なぜ学校で作れないのか」と指摘します。
そして、「子どもたちですら学校で人と違う選択ができないのだから、大人になって社会に出て『私は私』とはなれない。今回、ここまで議論が深まっているのだから、この卒業式こそ(学校が独自の方針を強いるのではなく)マスクを着けたい人は着ける、着けたくない人は着けないという形に取り組んでみてほしい」とコメント。
最後にあらためて「『各自の判断に委ねる』とは、どういうことなのかをトレーニングする良い機会。これから人生を通して選択を迫られる世代の中学生や高校生に、『各自の判断に委ねる』ことで不安にならないように“一律にしましょう”というのは、人が何かを選択することを、すごく軽んじているのではないか」と語りました。
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<番組概要>
番組名:Seasoning~season your life with music~
放送日時:毎週月曜~木曜 13:30~15:55
放送エリア:TOKYO FMをのぞくJFN全国20局ネット
パーソナリティ:市川美絵、角田陽一郎(月曜)、副島淳(水曜)、若新雄純(木曜)
番組Webサイト:
https://audee.jp/program/show/38286