元関脇・豊ノ島「入門から半年ぐらいで約20kg痩せました」“付き人時代”に一番大変だったこととは?

藤木直人、高見侑里がパーソナリティをつとめ、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMのラジオ番組「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」(毎週土曜 10:00~10:50)。2月18日(土)の放送では、前回に引き続き、元関脇の豊ノ島大樹(とよのしま・だいき)さんをゲストに迎えて、お届けしました。


(左から)豊ノ島大樹さん、藤木直人、高見侑里



◆寝る暇もなかった“付き人時代”

藤木: 2002年に初土俵を踏まれて2020年の引退までの18年間のなかで、相撲界は変わっていきましたか?

豊ノ島:あまり“自分たちの頃は……”なんて言いたくはないのですが、入った頃と引退する頃では、ガラっと変わっていましたね。生活面も違いますし、こういうことを言うと、今の力士から嫌がられるかもしれないけれども、やっぱり、どんどん楽になってきているような気がしますね。

“楽に”と言うと、今の力士が楽をしているみたいな言い方になってしまうんですが“相撲にだけ集中できる環境になってきた”と言いますか……そう言うと、僕らが集中できていなかったみたいになりますけど(笑)。ただ、自分たちのときは寝る時間もなかったです。

藤木:“お相撲さんは寝るのも仕事”みたいなイメージがあって、昼寝の映像もよく観ますよね。

豊ノ島:当時は、ある程度年数が経って兄弟子になり、結果を残して関取(十両以上)にならないと、昼寝ができなかったんです。掃除や付き人の仕事をやって、本当に5分間だけ寝て、(5分後に)アラームが鳴って“あ、仕事しなきゃ!”というのが若い衆の頃の思い出ですね。

◆兄弟子の“機嫌取り”が大変!?

藤木:「相撲」って不思議(な存在)ですよね。スポーツだけではないというか、神事でもありますし、そういうお世話をする付き人みたいなところも含まれていて、いわゆるアスリートとは違う側面がありますよね。

豊ノ島:そうですね。今思えば、気が休まらないというか、大部屋で(他の力士と)生活を一緒に共にするので、1人になれる時間がないんです。関取になったら、個室を与えられますけど。

藤木:もっと上(の番付)に行くと、部屋から出て他の場所に住めるんですか?

豊ノ島:それは部屋によって違いますね。自分で生活できるようになれば、それも許されます。(一緒に暮らしているときは)1人になれる時間が、トイレぐらいしかないので、トイレに入った瞬間に“あ~、1人になれた”という感じでしたね。

藤木:やはり、付き人の仕事というのは多岐に渡るのでしょうか?

豊ノ島:大変ですね。洗濯、掃除、身の回りの世話もそうなんですけど、一番大変だったのは(兄弟子の)機嫌を取ることですね(笑)。やっぱり、機嫌が悪くなると大変なので、気を遣わなきゃいけない。(それが影響して)入門から半年ぐらいで約20kgも痩せましたね。

藤木:待遇は番付によってかなり違うものですか?

豊ノ島:そうですね。基本的に十両からが“一人前”ですかね。十両から給料が出るので。

藤木:そうすると、付き人の数も変わってくるんですか?

豊ノ島:部屋によって違いますけど、大体、十両で2人、幕内で3人みたいな感じでした。

高見:前頭に、小結に、関脇になって……というタイミングで、何か変わることはありますか?

豊ノ島:関取になってからは、それほど生活面での変化はないのですが、相撲のほうで言えば、幕内に上がると懸賞金が付くんです。十両では付かないので。

藤木:たくさん懸賞金がかかっている場合は、(フツフツと)燃えてくるものなんですか?

豊ノ島:そうですね、心のなかで“今日、何本だな”ってちょっと数えたりします(笑)。

藤木:(笑)。懸賞金はすべてもらえるんですか?

豊ノ島:個人でいただきますけど、多いとやっぱり付き人が目を輝かせますから(笑)。なので「じゃあ、これだけ獲ったし、ご飯でも行こうか」とか、そういう使い方が多いですね。

藤木:ご自身も付き人をされていた時期があるので、つい優しくしてしまいますよね。

豊ノ島:あと、若い衆のネットワークがすごいんですよ。“あそこの関取はケチみたい”って、あっという間に広まります(笑)。でも、それは自分も(若い衆の頃に)経験しているので、自分が関取になったら、とりあえず「ケチ」と言われないようにしようと。なるべくどこかにご飯を一緒に食べに行って、他の力士がいても、全部自分が出すようにしていましたね。

藤木:回り回って自分に返ってきますよね。

豊ノ島:それで、若い衆から「(他の若い衆が)『豊ノ島関はいろんなところでパッとやって、カッコいいよね』と言っていました」なんて言われたら、うれしいじゃないですか。それだけで満足でしたね。


豊ノ島大樹さん



次回2月25日(土)のゲストは、プロ野球・千葉ロッテマリーンズの松川虎生(まつかわ・こう)選手です。

----------------------------------------------------
▶▶この日の放送内容を「radikoタイムフリー」でチェック!
聴取期限 2023年2月26日(日) AM 4:59 まで
スマートフォンは「radiko」アプリ(無料)が必要です⇒ 詳しくはコチラ
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
----------------------------------------------------

<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/

コンテンツ一覧

ゲスト:女子プロゴルファー 横峯さくら選手 音声

ゲスト:女子プロゴルファー 横峯さくら選手

ゲスト:スポーツ記者 小谷真弥さん② 音声

ゲスト:スポーツ記者 小谷真弥さん②

ゲスト:スポーツ記者 小谷真弥さん① 音声

ゲスト:スポーツ記者 小谷真弥さん①

ゲスト:サッカー元日本代表 小林大悟さん 音声

ゲスト:サッカー元日本代表 小林大悟さん

ゲスト:プロサーファー 原田來愛選手 音声

ゲスト:プロサーファー 原田來愛選手

ゲスト:パデルプレイヤー 小澤琴巳選手 音声

ゲスト:パデルプレイヤー 小澤琴巳選手

2025年年始のスポーツ振り返り! 音声

2025年年始のスポーツ振り返り!

ゲスト:トヨタイムズスポーツ 三好南穂さん&森田京之介キャスター 音声

ゲスト:トヨタイムズスポーツ 三好南穂さん&森田京之介キャスター

ゲスト:トヨタヴェルブリッツ 谷中樹平選手 音声

ゲスト:トヨタヴェルブリッツ 谷中樹平選手

「日本は良くも悪くも…」サッカーにおける“日本と海外の教え方の違い”とは?元日本代表・小林大悟が言及 記事

「日本は良くも悪くも…」サッカーにおける“日本と海外の教え方の違い”とは?元日本代表・小林大悟が言及

元サッカー日本代表・小林大悟“現役時代の海外移籍事情”を語る「チームに届いた海外からのオファーも僕に届かないまま…」 記事

元サッカー日本代表・小林大悟“現役時代の海外移籍事情”を語る「チームに届いた海外からのオファーも僕に届かないまま…」

ヨーロッパでは既に人気!注目のスポーツ「パデル」の魅力をアジアランキング1位・小澤琴巳選手が解説! 記事

ヨーロッパでは既に人気!注目のスポーツ「パデル」の魅力をアジアランキング1位・小澤琴巳選手が解説!

石川祐希、髙橋藍はどんな選手?日本バレーボール協会会長・川合俊一「藍くんはちょっと僕に似ているというか…」 記事

石川祐希、髙橋藍はどんな選手?日本バレーボール協会会長・川合俊一「藍くんはちょっと僕に似ているというか…」

日本人女性初の“FIBA殿堂入り”!元バスケットボール女子日本代表・大神雄子「リアクションが取れないくらいビックリして…」 記事

日本人女性初の“FIBA殿堂入り”!元バスケットボール女子日本代表・大神雄子「リアクションが取れないくらいビックリして…」

史上初の「50-50」達成、“ワールドシリーズ”制覇…バッターに専念した大谷翔平の成績に五十嵐亮太「考えられないです」 記事

史上初の「50-50」達成、“ワールドシリーズ”制覇…バッターに専念した大谷翔平の成績に五十嵐亮太「考えられないです」

佐々木朗希は“メジャーリーグ”で通用する!? 五十嵐亮太が言及「10勝以上できる力はある」 記事

佐々木朗希は“メジャーリーグ”で通用する!? 五十嵐亮太が言及「10勝以上できる力はある」

レスリング文田健一郎「やっと銀メダルを自分のものにできた」パリ五輪で“金メダルを獲得した瞬間”に感じたこととは? 記事

レスリング文田健一郎「やっと銀メダルを自分のものにできた」パリ五輪で“金メダルを獲得した瞬間”に感じたこととは?

前園真聖「久々に“日本代表強いな”と…」2026年のワールドカップで“ベスト8以上”を目指す森保ジャパンに言及 記事

前園真聖「久々に“日本代表強いな”と…」2026年のワールドカップで“ベスト8以上”を目指す森保ジャパンに言及