木村拓哉が親交のあるゲストを迎え、人生をしなやかに生きていく様や、ゲストの秘めた魅力や強さに迫るTOKYO FMのラジオ番組
「木村拓哉 Flow supported by GYAO!」(毎週日曜 11:30~11:55)。2月のマンスリーゲストは、ロックバンド・SUPER BEAVERの渋谷龍太さん(Vo.)です。2月19日(日)の放送では、メジャーからインディーズに移ったきっかけについて語りました。
◆渋谷「いろいろなものが決壊しちゃって…」
SUPER BEAVERは、渋谷さん、上杉研太さん(Ba.)、柳沢亮太さん(Gt.)、藤原“34才”広明さん(Dr.)の4人からなるロックバンド。高校の同級生・上杉さんが渋谷さんを誘い、後輩の柳沢さんと、柳沢さんの幼馴染みの藤原さんが加わり、2005年4月に結成。2009年6月にシングル「深呼吸」でメジャーデビューを果たすも、2011年に所属していたレーベル・事務所を離れ、活動のフィールドをインディーズに移しました。
メジャーデビューしてからの2年間を振り返り、「まったく結果が出なかったんですよね。ちっとも数字が出なかった。高校のときは(ライブハウスのキャパシティが)300人ぐらいの所で、勢いでワンマンができていたけど、メジャーから離れる最後の頃にはお客さんが2人になったんですよね。ライブに人が来ない、盤も売れない……端的に言うとクビを切られる状況ではあったんですけど、クビを切られる前に自分たちで判断したというか……」と渋谷さん。
バンド自らメジャーを離れる判断を下すきっかけとなったのは、レコーディング中に渋谷さんが倒れてしまったときのことでした。レコーディングでできあがってきた自分の歌を聴いたときに、「あまりにも気持ち悪すぎて。(歌に)何の気持ちも入っていないし、ツギハギだらけの歌で、めちゃくちゃ直されているし。“こんなのは絶対におかしい”って思っていたことが、気づかないうちにどんどん限界を超えていて。胃に穴が開いて、そこでうずくまって動けなくなっちゃって……」と回顧。
スタジオで倒れてしまった渋谷さんに対し、当時担当していたディレクターからは耳を疑うような一言が。「本当に“信じられないな”と思ったのが、僕が夜中に倒れて救急車で運ばれていくときに、ディレクターが“明日の入り時間”を言ったんです。『(明日のレコーディングは)○時から歌入れだから、○時までに来いよ、お前!』って言われて……」と告白。
それを聞いた木村からは「キテる……」と驚きの声が。しかし、当時の渋谷さんといえば、そのディレクターの言いなり状態だったため、救急車で運ばれながらも、“翌日のレコーディングに、どうにかして行かなきゃ”という思いでいたそうです。
「(病院に運ばれたことを聞きつけて)母ちゃんが来てくれて。母ちゃんは、俺の様子がおかしいことに気づいていたと思うんですけど、『あんた大丈夫?』って言われたんですよね。それがグッときちゃって(当時、抱えていた)いろいろなものが決壊しちゃって、バーッて泣いちゃって……」と病室での状況を明かします。
そして、渋谷さんはマネージャーに「音楽自体辞めます! メジャーとかじゃなくて、僕はもう音楽ができません。バンドを抜けることになるなら、それはそれで構わないし、とにかく僕はもう音楽を続けられません」と伝え、バンドを辞めることを告げるためにマネージャーと一緒に事務所に行ったそうです。
すると最後にマネージャーから「一番大事なこと忘れているよ。メンバーと話したの?」と言われ、自分が音楽を辞める決心をしたことをメンバーに何も話していなかったことに気づいたという渋谷さん。
「そこまで、そこの回路はつながらなかった?」との木村からの問いに、渋谷さんは「まったくないです。もう逃げたくて仕方がなかったんで。だから、バンドがどうなろうがメンバーがどうだろうが、とにかく逃げたいだけで、こんな環境からいなくなりたいって思っていたから、その思考すらも抜けていて。マネージャーにそれを言われたとき、めっちゃショックで……学生のとき、あんなに楽しくワクワクして組んだバンドのメンバーに何の筋も通さずに、俺、けっこうヤバいなと思って」と当時の胸中を吐露。
その後、マネージャーが、メンバー4人がそろう場をセッティングしてくれたものの、「みんな憔悴しきっていて、僕が(入院して)いない間も3人はレコーディングを続けていて大変な思いをしていて、ボロボロの4人が集まって……」と振り返ります。
そして渋谷さんが「俺、バンド辞めるわ」とメンバーに告げたところ、「『まぁ、そうだろうね。無理じゃん。解散、解散』みたいな感じになり、解散直前までいったものの、マネージャーから『それ、本当に4人の意思なの? 4人の意思で辞めたいって思うんならいいけど、4人でまだ何もしてないんじゃないの? (解散するのは)それからでも遅くないよ』と言ってもらって」
お互いに溜め込んでいた思いをぶつけ合い、数時間かけて話し合った末、「4人でもう1回やろうぜ」という結論になり、メジャーから身を引く決意をしたときのエピソードを明かしました。
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番組では他にも、インディーズでの活動で気付かされたことなどについて語りました。
次回2月26日(日)の放送も、引き続きSUPER BEAVERの渋谷龍太さんをお迎えしてお届けします。
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聴取期限 2023年2月27日(月) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:木村拓哉 Flow supported by GYAO!
放送日時:毎週日曜 11:30~11:55
パーソナリティ:木村拓哉
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/flow/