手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。2月25日(土)の放送では、「直下型地震と海溝型地震の違い」について取り上げました。
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あなたは“直下型地震”と“海溝型地震”という言葉をご存知でしょうか? 阪神淡路大震災や首都圏での発生が予想されている首都直下地震は“直下型地震”、東日本大震災は“海溝型地震”に分類されます。今回は、この2種類の地震の違いについて解説します。
◆直下型地震が起きる原因
直下型地震について、地震学で明確な定義があるわけではありませんが、主に人の住んでいるエリアが震源となる地震のことを指します。
直下型地震が起きる原因は、地表近くの活断層による地震。フィリピン海プレートの内部破裂による地震。太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界で発生する地震。太平洋プレートの内部破壊による地震などが挙げられます。
また、震源が地表近くにあることから、突然の大きな揺れに襲われることが多いという特徴もあります。そのため、緊急地震速報が間に合わずに大きな揺れが発生する場合もあるので注意が必要です。
◆海溝型地震が起きる原因
海溝型地震とは、陸側のプレートとフィリピン海プレートや太平洋プレートの境界である海溝付近を震源とする地震のことを指します。
海溝型地震が起きる原因は、陸側のプレートの先端が海側のプレートに引きずり込まれ、その際に発生したひずみが元に戻ろうとするときなど、プレートの内部破裂によって起きます。
このうち、陸側のプレートを海側のプレートが跳ね上げることで発生する地震は、多くの海水も同時に跳ね上げることから、東日本大震災のような大きな津波が発生します。つまり、津波が発生するのは基本的に海溝型地震ということになります。
直下型地震と海溝型地震を比較すると、直下型地震は、海溝型に比べるとマグニチュードがやや小さいですが、狭い範囲で強く揺れるのが特徴です。一方、海溝型の地震はマグニチュードが大きく、広範囲にわたって強い揺れが長く続くのが特徴です。被害については、どちらも家屋の倒壊や火災が起こりやすいですが、海溝型地震だと、さらに津波による被害が発生する可能性があります。
地震大国・日本において、これから予想される地震として、30年以内に70%の確率で発生すると言われている「首都直下地震」や「中部圏・近畿圏直下地震」、海溝型地震として「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震」「南海トラフ地震」がありますが、それ以外のエリアでも、いつ大地震が起きてもおかしくはありません。あなたが住んでいる場所の地震リスクについて、改めて知っておきましょう。
<番組概要>
番組名:防災FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/bousai/