声優界随一のサイクリスト・野島裕史がパーソナリティをつとめ、自転車をテーマにお届けするTOKYO FMのラジオ番組「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」。3月5日(日)の放送は、声優の小野大輔さんをスペシャルゲストに迎えて、お届けしました。
(左から)小野大輔さん、パーソナリティの野島裕史
◆駆け出し時代の野島裕史のマル秘エピソード
野島:まずは、僕と小野くんの関係性をよく知らない人も多いかもしれないので、改めて出会いを振り返ろうと思うんですけど、だいぶ前なんだよね。もう20年以上前の話。
小野:そうですね。だって当時ジュニア……ジュニアっていうのは声優になったばかりで、ギャランティも安い、つまり下積み(時代)のことで、新人だからこそいろいろな番組に出させてもらえるんですけど、当時は毎日のように会っていましたね。「またいるお兄ちゃん!」って感じで、一緒に仕事をすることが多くなって。あと、当時はよくお兄ちゃんの家に遊びに行っていたよね。
野島:そうそう、うちによく遊びに来ていたね。
小野:引っ越しも手伝ったし(笑)。
野島:引っ越しを手伝ってもらったときに、DVDデッキを小野くんに設置してもらったんだけど、そこから大人しか観ちゃいけないDVDが出てきちゃって(苦笑)。「お兄ちゃん、こういうジャンルが好きなんですか?」みたいな(笑)。
小野:それがきっかけでもっと仲良くなったりしてね(笑)。あの頃は本当によく飲みにも行かせてもらっていました。
野島:でも、飲みに行っても絶対に演技論や芝居論はしなかったよね。くだらない話しかしていなかった(笑)。
◆野島裕史宅で断髪式…小野大輔が衝撃的な髪型に!?
小野:でも、それがとにかく楽しくて、青春でしたね~。あとは、お兄ちゃんの周りにはいつも人がたくさん集まっていた印象があって。先輩だけどなんか話しやすかったし……あ、覚えてます? 僕が高校球児役で舞台に出るってなったときに(髪を)バッサリ切ろうと。
野島:「せっかくだから、ウチで断髪式をやろう!」ってなったんだよね(笑)。僕がバリカンを買ってきて。
小野:そもそも「せっかくだから」の意味がよくわからないんですけど(笑)。当時の仲間が4~5人ぐらい集まって、「断髪式をやりま~す」ってなったんだけど、そのなかに折笠富美子さんがいらっしゃって。
最初に折笠さんがバリカンで(僕の)頭をカットし始めたら、何もアタッチメントがない状態で(笑)。高校球児役って言っても五分刈りくらいでよかったのに、(頭の)真ん中から(バリカンを)入れて「あ゛あ゛あ゛~~~」みたいな(笑)。
野島:その後、いろいろな髪型にしたよね。落武者にしたり、「まことちゃん」(楳図かずおさんのマンガの主人公)みたいにしてみたり(笑)。
小野:それで最後、どんな状態で僕を帰したか覚えています?
野島:頭のてっぺんをちょっとだけ残して、三つ編みにしたんだっけ?
小野:違う……それは途中でやったかもしれないけど、最後は左右2本だけ(角みたいに)残してナメック星人みたいだった(笑)。
野島:そうだ(笑)。その状態で「あとは自分で切りなよ」って言って、バリカンを渡して帰らせたんだ(笑)。
小野:めちゃくちゃひどい(笑)。でもね、本当に楽しかったし、確かタクシー代は出してくれたんですよね。
野島:さすがに電車じゃかわいそうかなと思って(笑)。
小野:僕と違うところは、そういうところなんですよ。ちょっと“S”。
野島:そのバランスが良かったのかもしれないね。
◆小野大輔がロードバイクにハマったきっかけとは?
野島:小野くんは自転車、しかもロードバイクに乗っているんですよね。きっかけは?
小野:“弱ペダ”ですね、「弱虫ペダル」がきっかけです。巻島(裕介)先輩役でオーディションを受けたんですよ。でも、落ちてしまって……そのとき、(巻島役は)絶対に森久保(祥太郎)さんだろうなと思っていたら、やっぱり森久保さんで(決まって)。
野島:そういうときってあるよね。オーディションの段階で、これは誰が受かるのか、なんとなくわかっちゃうときがある。
小野:そうなんです。だって、(漫画を)読んでいるときに脳内再生の声ってあるじゃないですか。それがまずは自分じゃないんだもん(笑)。
野島:あるある(笑)。しかも、(役を演じる人が)当たると悔しいとか、やりたかったじゃなくて「当たった!」って気分になるんだよね。「自分の感性が間違っていなかった」って。なんならオーディションに受かった気分にもなっちゃう(笑)。
小野:いや、そこまでは……(笑)。で、そこから「弱ペダ」に激ハマりしました。ああいう熱いスポーツ漫画はもともと好きだったんですよ。特に「弱ペダ」は学校生活とかもちょっとは出てきますけど、基本ロードバイクにずっと乗っていて、それがもう衝撃的で。読んでいたら「俺も乗りたい!」って気持ちになって、(ロードバイクを)買おうと。で、そのときに影響を受けたのがお兄ちゃん。
野島:そうなの!?
小野:お兄ちゃんが「Cinelli(チネリ)」に乗っていることは聞いていて、(自転車のことは)誰に聞いても「お兄ちゃんに聞けばいい」ってみんなが言うんですよ。だったらCinelli(のロードバイク)を買おうと。それでCinelliの入門モデル「EXPERIENCE」というのがあって、 “これだ!”と思って。
野島:それは入門編にはピッタリだね。
小野:「弱虫ペダル」でロードバイクに目覚めて、出演もしてないんだけど、出演していないからこそ自由に乗れたし、自由にカスタムもできて。それで乗り続けていたら、またオーディションの話がきて、銅橋正清役に受かってしまうという。
野島:流れとしては最高だよね!
小野:最高ですね。しかも、僕はクライマーじゃなくてスプリンター気質で、銅橋もスプリンターだったんですよね。
野島:同じ自転車仲間の声優・伊藤健太郎くんも(自転車にハマったのは)「弱虫ペダル」きっかけなんだけど、アニメに出演してからハマったんだよね。だから、最初の頃の演技をやり直したいって言ってるの。
(当初は)自転車に乗っている気持ちがわからない状態で演じていたから。その点、小野くんは自転車に乗るようになってから演じているから、(キャラクターの)気持ちがわかるよね。
小野:めちゃくちゃわかりますね。銅橋って筋肉ムキムキなんですけど、あの筋肉のつき方もスプリンターだからってわかるんです。僕も今はむこうずねにめちゃくちゃ筋肉がついて、もうズボンが似合わなくなってきていますから(苦笑)。
野島:僕はクライマーなんだけど、(小野くんは)スプリンターだったんだね。
小野:スプリンターって目的地について、自分が決めたゴールテープを切った瞬間に手を広げると、めっちゃ多幸感に満たされるんですよ。あれが気持ちよくて。
野島:それは僕がヒルクライムで登り切ったときの気持ちに似ているものがあるんじゃないかな。やっぱりお互いに性格がちょっと似ているところがあるから、ひとつのことに集中して、力を出し切った後に達成感というか、アドレナリン的なものが広がっていくのは一緒なんでしょうね……って今日は自転車の悩みを伺おうと思ったんですけど、盛り上がり過ぎて時間がない!?
小野:今日はお悩み相談をしに来たんですよ!? そんなことってあります?
野島:しょうがない! 自転車のお悩み相談は、来週にちゃんと聞きますので!
3月19日(日)の放送では、野島裕史のサイクルコラム「フレッシャーズ向け、自転車生活のススメ」をお届けします。お楽しみに!
<番組概要>
番組名:サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国23局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週日曜 朝5:00~5:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトおよびアプリ「AuDee(オーディー)」でご確認ください)
パーソナリティ:野島裕史
番組Webサイト:
http://www.jfn.jp/toj