作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00~19:55)。3月26日(日)の放送は「村上RADIO ~今夜は、落ち穂拾い~」をオンエアしました。今回のテーマは「今夜は、落ち穂拾い」。「落ち穂拾い」といえば、ミレーの名画が思い浮かびますが、村上DJは、これまで放送した番組の編集で、時間の関係でこぼれ落ちた曲を丁寧に拾い上げ、おすすめの“落穂曲”にまつわるエピソードを披露しました。この記事では、後半1曲、“今日の言葉”を紹介します。
◆The Astors「Candy」
次は、2021年6月放送の「クラシック音楽が元ネタ」という特集からの落ちこぼれです。アスターズが歌う「キャンディー」、グローフェの作曲した「大峡谷」の「峠にて」を編曲したものです。でも、この回は結局ロシアの作曲家のものだけに絞ったので、割愛しました。
プロデューサーはアイザック・ヘイズ、1965年にStaxレコードからリリースされて、ビルボードのチャートの12位まで上がりました。アスターズはたしかフィラデルフィアのグループなので、Staxのいわゆるメンフィス・サウンドとはちょっと雰囲気が違いますよね。なかなかポップで素敵ですが。
<クロージング曲>
Joe Harnell「Blame It On The Bossa Nova」
今日のクロージングはジョー・ハーネル楽団の演奏する「Blame It On The Bossa Nova」“いけないボサノヴァ”、イーディ・ゴーメの歌でヒットしました。シンシア・ワイルとバリー・マンのコンビのつくった軽快な曲です。あまりボサノヴァっぽい雰囲気はないですけどね。ジョー・ハーネルが洒落た編曲で演奏します。
「こんな風になっちゃったのも、ボサノヴァがいけないんだよ」と、あくまでボサノヴァに罪を着せる歌です。そうかなあ、「それはやはりあんたが悪いんでしょう」とか言いたくなりますが。
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今日の言葉は、僕がフル・マラソンを走るときにいつも呪文のように唱えている言葉です。あるアメリカ人のマラソン・ランナーが座右の銘にしている言葉を、僕が借り受けました。
Pain is inevitable, but suffering is optional.
(苦痛は避けがたい。しかし苦しいと思う心は自分次第だ。)
マラソンを走りながら、苦しいなあ、もう駄目かも……と思ったときには、いつもこの言葉を思い出します。そして耐えます。
走るだけじゃなくて、それ以外のすべての場所においても、きっと同じことが言えますよね。
「苦痛は避けがたい。しかし苦しいと思う心は自分次第だ。」
みなさんもがんばってゴールを目指してください。
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聴取期限:2023年4月3日(月)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:村上RADIO ~今夜は、落ち穂拾い~
放送日時:3月26日(日)19:00~19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/