TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。3月13日(月)のお客様は、実業家・堀江貴文さんとミュージシャン・角松敏生さん。ここでは角松さんが、かつての音楽制作との向き合い方や現在の音楽的な志向について語りました。
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(左から)堀江貴文さん、角松敏生さん
◆最高のレコード売上枚数は何枚?
堀江:アルバム『ON THE CITY SHORE』(1983年)ぐらいの頃から、毎年のようにアルバムが出ていたし、かなり売れていたんじゃないですか? 最大で何万枚ぐらい売れたんですか?
角松:最大で45万枚ぐらいじゃないですかね? 当時は「出せば10万枚が売れるアーティスト」というのが(レコード会社から)一番大事にされていたんですよ。30万枚も40万枚も売れるのは、逆に金食い虫でもあるので。
堀江:僕もそのうちの1枚を買ってました(笑)。曲はどんどん出てくるものなんですか?
角松:自分が面白くて没頭できるものしかやっていないです。ヒットチャートはほとんど聴かなかったですね。
堀江:ヒットチャートを聴いていたら、ああいう曲は出て来なかったと思いますよ(笑)。
角松:ははは(笑)。なので「これは面白いな」っていうものを探すこと、模倣すること、取り入れることに没頭していましたね。「これってどうやって作っているのかわからないな」っていうようなものがいっぱい出てきて、どうやってもその音にはならないから、「仕方がないから行くしかない」ってことでニューヨークに住んでいたんですよ。
堀江:へええ!
角松:ニューヨークに行って、アーティスト本人に直接「どうやって作っているんですか?」って聞きましたからね(笑)。
堀江:曲をね。
角松:曲というよりはエンジニアリングですね。音づくりの方法です。ミキシングエンジニアです。
堀江:ミキシングで何が変わるんですか?
角松:すべての音が変わると言っても過言じゃないですね。
◆音楽の世界の広がりを教えてくれた存在
角松:今は「40年もやってきたんだから、こういうことをやるべきだろう」って考えではなくて。あまり人目を気にしないで、自分がいいと思うものを素直にやろうという感じですかね。
堀江:変わらないんですね。なんだか30年前ぐらい前のラジオを聴いているみたいです(笑)。当時はラジオをうまく使っている感じはありましたね。テレビにも出ていない、そんなにメディアに登場しない方がラジオ1本で40万枚ぐらいも売ったわけじゃないですか。すごいことですよ。
角松:当時はそういう方々がほかにもいらっしゃいましたよ。ライブをやらずにレコードだけで売っている方もいましたし。それだけ消費者が音楽を聴きにいっていたと思うんです。
堀江:そうですね。
角松:ちゃんと聴いてくださったから、作っている意味合いもあったんですよね。
堀江:僕は昼飯代を節約して、月にCDを2枚買ってましたもん。角松さんきっかけでいろんなアーティストを知ることができて、世界が本当に広がりましたね。今になって、また角松さんのようなシティポップ的な音楽が世界中で聴かれるようになって、20代の若者も聴いていますし。
角松:僕は世のなかでそんなに知られていないので、お客さんは“少数派”ってレッテルを勝手に付けているんですよ(笑)。テレビとかのシティポップ特集で僕の名前が出ると、ファンは大はしゃぎをするわけです(笑)。
堀江:ははは(笑)。
<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜25:00~26:00
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/speakeasy/