「AI」は「私たちの働き方」をどう変える？ 対話型AIがWord、Excelに搭載…専門家が解説
モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」（毎週月曜～金曜6:00～9:00）。3月29日（水）の放送コーナー「リポビタンD TREND NET」のテーマは「対話型AI（人工知能）、エクセル・パワポに搭載 働き方はどう変わるのか？」。情報社会学が専門の学習院大学 非常勤講師・塚越健司さんに解説していただきました。
◆WordやExcelにAI搭載！ 働き方はどう変わる？
対話型AI（人工知能）「ChatGPT（チャットGPT）」が注目を集めるなか、Microsoftは3月16日（木）、ExcelやPowerPointに対話型AIを搭載すると発表しました。
吉田：塚越さん、ExcelやPowerPointに対話型AIを搭載すると、どういったことができるようになるのでしょうか？
塚越：昨年から注目されている、画像を生成してくれるAIの延長線上にあるサービスです。つまり、昨年の画像生成AIからChatGPTなどの文章生成、本日紹介するサービスを含めて、つながっている話です。
こうしたサービスで一歩先を行っているのがMicrosoftです。ChatGPTを作っているOpenAI社に早くから投資しており、Microsoftの検索サービス「bing」に最新の対話型AI を搭載し、現在はプレビュー版が利用可能です。
続いてMicrosoftは3月16日（木）、対話型AIの力を、Microsoftの強みであるWordやExcel、PowerPointなどのサービスに活用できる「Microsoft 365 Copilot（マイクロソフト365コパイロット）」を発表しました。「Copilot」は「副操縦士」の意味です。
OpenAIの最新のAI（GPT-4）を利用して、文章でAIと会話しながら文書やグラフを作成できるのが特徴です。
例えば、Microsoftのメーラー「Outlook」を表示して「娘の結婚式に友人を招待したい」と書けば、メールの下書きを作ってくれます。
他にも、PowerPointを表示して必要な資料の文章を書けば、資料からグラフを作ったり、背景を作ったりしてくれます。さらに、「もっとカジュアルに」といった追加指示をおこなえば、より精度が上がり、プレゼン用のスピーチ原稿まで作ってくれます。
もちろんExcelでも、データを示して指示すれば表やグラフを作成してくれます。Excelをマスターするには細かいテクニックが必要ですが、これなら指示するだけでやってくれます。さらに「データを分析させて利益率の高い製品に色を付けて」、といった指示もできます。
Microsoftのコミュニケーションツール「Teams」では、例えばオンライン会議中に、会議の議事録や概要を表示してくれます。もちろん、生成されたものの正確性の問題はあるので確認作業は必要ですが、使いこなせば衝撃的に作業が楽になります。
吉田：Microsoftに対抗して、Googleもビジネス用のツールにAIを導入すると発表しましたよね？
塚越：Googleは3月14日（火）、ビジネス向けクラウドツール「Google Workspace（グーグル・ワークスペース）」に「AIを導入する」と発表しました。
MicrosoftのWordやExcelの“Google版”として「Google ドキュメント」などがあり、やはりメールの下書きやスライド作成などをしてくれるものです。
また3月21日（火・祝）には、「ChatGPT」と同じように文章や会話をする「Bard（バード）」という対話型AIも発表し、Microsoftに対抗しています。
ユージ：AIを搭載したビジネス用のツールは、いつから利用できるようになるのでしょうか？
塚越：Microsoftの「Copilot」は現在、特定企業に試験導入しており、数ヵ月以内に一般的に使えるようにするとのことです。日本での開始時期や料金は決まっていません。
また、「Google Workspace」は法人向けのサービスで、一般公開は未定です。いずれにしてもまだ数ヵ月はかかるでしょう。現状ではMicrosoftが一歩リードという感じです。Googleが巻き返せるかも注目です。
ユージ：AIを搭載したビジネス用のツールが利用できるようになったら、働き方はどのように変わると思われますか？
塚越：Microsoftのサティア・ナデラCEOは「日常業務から雑務を取り除き、創造の喜びを再発見できるように設計されている」と話しています。簡単な雑務はAIに任せて、人間がやれることをやりましょう、という話です。
しかし、（出力されたデータ・文章の）正確性の問題や、AI技術によって詐欺の文章が作れてしまうなどの問題もあるため、規制が必要だと思います。
同時にかなり便利なものになるので、みんなが使いこなせるようにする必要があると考えます。AIを使いこなせる・こなせないで生産性に差が出てしまいますので、これからみんなが使えるように、どう頑張っていくのかが注目です。
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＜番組概要＞
番組名：ONE MORNING
放送日時：毎週月曜～金曜6:00～9:00
パーソナリティ：ユージ、吉田明世
番組Webサイト：https://www.tfm.co.jp/one/
※写真はイメージです
◆WordやExcelにAI搭載！ 働き方はどう変わる？
対話型AI（人工知能）「ChatGPT（チャットGPT）」が注目を集めるなか、Microsoftは3月16日（木）、ExcelやPowerPointに対話型AIを搭載すると発表しました。
吉田：塚越さん、ExcelやPowerPointに対話型AIを搭載すると、どういったことができるようになるのでしょうか？
塚越：昨年から注目されている、画像を生成してくれるAIの延長線上にあるサービスです。つまり、昨年の画像生成AIからChatGPTなどの文章生成、本日紹介するサービスを含めて、つながっている話です。
こうしたサービスで一歩先を行っているのがMicrosoftです。ChatGPTを作っているOpenAI社に早くから投資しており、Microsoftの検索サービス「bing」に最新の対話型AI を搭載し、現在はプレビュー版が利用可能です。
続いてMicrosoftは3月16日（木）、対話型AIの力を、Microsoftの強みであるWordやExcel、PowerPointなどのサービスに活用できる「Microsoft 365 Copilot（マイクロソフト365コパイロット）」を発表しました。「Copilot」は「副操縦士」の意味です。
OpenAIの最新のAI（GPT-4）を利用して、文章でAIと会話しながら文書やグラフを作成できるのが特徴です。
例えば、Microsoftのメーラー「Outlook」を表示して「娘の結婚式に友人を招待したい」と書けば、メールの下書きを作ってくれます。
他にも、PowerPointを表示して必要な資料の文章を書けば、資料からグラフを作ったり、背景を作ったりしてくれます。さらに、「もっとカジュアルに」といった追加指示をおこなえば、より精度が上がり、プレゼン用のスピーチ原稿まで作ってくれます。
もちろんExcelでも、データを示して指示すれば表やグラフを作成してくれます。Excelをマスターするには細かいテクニックが必要ですが、これなら指示するだけでやってくれます。さらに「データを分析させて利益率の高い製品に色を付けて」、といった指示もできます。
Microsoftのコミュニケーションツール「Teams」では、例えばオンライン会議中に、会議の議事録や概要を表示してくれます。もちろん、生成されたものの正確性の問題はあるので確認作業は必要ですが、使いこなせば衝撃的に作業が楽になります。
吉田：Microsoftに対抗して、Googleもビジネス用のツールにAIを導入すると発表しましたよね？
塚越：Googleは3月14日（火）、ビジネス向けクラウドツール「Google Workspace（グーグル・ワークスペース）」に「AIを導入する」と発表しました。
MicrosoftのWordやExcelの“Google版”として「Google ドキュメント」などがあり、やはりメールの下書きやスライド作成などをしてくれるものです。
また3月21日（火・祝）には、「ChatGPT」と同じように文章や会話をする「Bard（バード）」という対話型AIも発表し、Microsoftに対抗しています。
ユージ：AIを搭載したビジネス用のツールは、いつから利用できるようになるのでしょうか？
塚越：Microsoftの「Copilot」は現在、特定企業に試験導入しており、数ヵ月以内に一般的に使えるようにするとのことです。日本での開始時期や料金は決まっていません。
また、「Google Workspace」は法人向けのサービスで、一般公開は未定です。いずれにしてもまだ数ヵ月はかかるでしょう。現状ではMicrosoftが一歩リードという感じです。Googleが巻き返せるかも注目です。
ユージ：AIを搭載したビジネス用のツールが利用できるようになったら、働き方はどのように変わると思われますか？
塚越：Microsoftのサティア・ナデラCEOは「日常業務から雑務を取り除き、創造の喜びを再発見できるように設計されている」と話しています。簡単な雑務はAIに任せて、人間がやれることをやりましょう、という話です。
しかし、（出力されたデータ・文章の）正確性の問題や、AI技術によって詐欺の文章が作れてしまうなどの問題もあるため、規制が必要だと思います。
同時にかなり便利なものになるので、みんなが使いこなせるようにする必要があると考えます。AIを使いこなせる・こなせないで生産性に差が出てしまいますので、これからみんなが使えるように、どう頑張っていくのかが注目です。
吉田明世、塚越健司さん、ユージ
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