2023.03.22~ ゲスト:竹中直人さん ②

第443回 ゲストは先週に引き続き、竹中直人さん!

▼ 映画『零落』公式サイト
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今週は、竹中さんのヒストリーを振り返りました。

竹中さんは、1956年生まれ。神奈川県出身。
1983年『ザ・テレビ演芸』のオーディションコーナー

「飛び出せ!笑いのニュースター」に出演し、グランドチャンピオンとなり芸能界デビュー。
以降、俳優としても、ドラマ・映画・舞台など数多くの作品に出演。
1996年、周防正行監督の映画Shall we ダンス?』で、
日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。
そして、映画監督としては、初監督作品にして主演も務めた

映画『無能の人』は、ヴェネツィア国際映画祭 国際批評家連盟賞 を受賞。

初監督作品映画『無能の人』は、1991年。
竹中さんは当時34歳でした。

映画監督は、高校時代の美術部での原体験がきっかけでした。

竹中「高校1年の時、美術部の部費で

   フジカシングル8(8mm映画撮影フィルム)を買ったんですよ。
   それも、美術部のオイカワさんっていう、大好きな女の子がいて。
   その子を撮りたくて、美術部が由比ヶ浜にスケッチに行くっていうドキュメンタリーを撮って
   文化祭で流したいって言って。

   でも、オイカワさんだけ映ってないんですよ。」

杏子「え?!なんで?」

竹中「撮りたかったのに、カメラで近づくと俺が恥ずかしくて(笑)

   出来上がったフィルムには、オイカワさんだけが映ってなくて。」

松室「めちゃくちゃ切ない...!オイカワさんを撮るために買ったのに。」

竹中「好きすぎて、映せなくて。」

杏子「その映像は?!もう無いんですか?」

竹中「昔すぎて無いんだよ。それが初めての映像体験。
   その後、多摩美に入って、8mm映画を作るクラブに入ってから
   脚本書いたりカメラ回したりして、そこから映画監督になれたら良いって。
   でも夢で、絶対になれるとは思わなかった。」

一方で、高校時代からは友人とバンドを組み、音楽へ関心も高かった中
一番は、”自分以外の誰かになれる” 俳優が憧れだったとか。

俳優を目指すため、大学卒業後には劇団に所属。
毎回同じ芝居を求められることに違和感を覚え、

モノマネをできたことから、自身で売り込み活動!

人力車のタマガワさんと出会いで、テレビ番組への出演でブレイク。

竹中「いつの間にか、プロになっちゃったって感じ。」

杏子「で、そこからは、右肩上がりにダダダって...」

竹中「いってない!(笑)

   僕、その頃仕事終わって帰ると、当時付き合ってた彼女の胸で泣いてたんですから。
   ”芸能界は合わない”って(笑)毎日泣いてた。
   ”おはようございまーす!”がまず駄目だったし、

   テレビ局の廊下にシステム手帳を持った人がわーっと並んでて...息が出来ないくらい辛くて。
   バラエティはみんなゲラゲラ笑うし、声でかいし、テンション高いし!(笑)
   俺はもうだめだ。だめだ。って」

杏子「でも続いたんですね」

竹中「なんとかね。
   でも、役者とかお笑いとか、区別は無くて、
   ただ、生活できるようになりたいっていう夢があったし。
   あまりにも世間に注目されるのは照れ臭くて…”俺のやってることそんなに面白く無い”

   って気持ちがずっとありました。くっだらね~っていうのが好きだったんで、
   新たなカルチャーを作っていくとか苦手で。迷いながらずっと生きてきて歳とっちゃった。」


そんな中、映画『226』(1989年公開)のプロデューサー:奥山和由さんから、
”そんなに映画好きなら、1億出すから映画撮ってみればいいじゃないか”と言われ、
完成したのが、映画『無能の人』。
原作は、大好きだという 劇画作家・つげ義春さんです。

映画以外には、忌野清志郎さんのショートムービーも!

竹中「清志郎さん、すごい出たがりでテレビ大好きだから。」

杏子「清志郎さんは事務所が一緒で神様みたいな存在だったけど、

   テレビ嫌いだと思ってた。」

竹中「いやいや、出たがり!
   ”もしもし、忌野ですが。竹中、毎週見てるぞ!出番ないか?”って
   電話かかってきましたからね(笑)」


さらに、歌手としても多くの作品を発表されている竹中さんですが、
今年この世を去った、高橋幸宏さんのプロデュースで

『MERCI BOKU』というアルバムもリリースされています。

竹中「幸宏さんとは、笑いでデビューした頃に、

   音楽プロデューサーの桑原茂一さんを通じて仲良くなったんです。
   27歳の時に、桑原茂一さんのプロデュースで『かわったかたちのいし』というアルバムを出していて、
   その時のメンバーが、高橋幸宏さん、鈴木慶一さん、上野耕路さん、立花ハジメさん、細野晴夫さん。
   すごいメンバーだったんですよ。それが1stアルバム。自分で言ってびっくり!」

杏子「すっごい!
   そしたら、幸宏さんとはずっと親交が、深くあったんですね。」

竹中「そう。あ、幸宏さんも、清志郎さんみたいで(笑)

   俺が深夜の番組出てると ”もしもし。出たいんだけど” って(笑)
   幸宏さんは、俺がどんなアドリブしても、全部返してくれます。
   2人で井の頭公園で、幸宏さんは肩からドラム下げて、僕はギター弾きながら
   ”2人揃って、流してまーす” ってやってましたよ。

   『流しのチャーリーボブ彦 ジャッキーテル彦』って。」




来週は竹中さんに番組恒例の『10の質問』伺います!
お楽しみに。



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