“選ばれる園創り”を保育施設ともに目指すために…ユニファ株式会社が提供するサービス、「ルクミー」とは?

笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。4月1日(土)の放送は、ユニファ株式会社 代表取締役CEOの土岐泰之(とき・やすゆき)さんをゲストに迎え、お届けしました。


(左から)土岐泰之さん、笹川友里


土岐さんは、1980年生まれ、福岡県出身。九州大学卒業後、2003年に住友商事に入社し、リテール・ネット領域におけるスタートアップへの投資及び事業開発支援に従事。その後、外資系の経営戦略コンサルティングファームであるローランド・ベルガーやデロイト トーマツ コンサルティングにて、経営戦略・組織戦略の策定及び実行支援に関与。そして、2013年にユニファ(Unifa)を創業し、2017年3月にアメリカで開催された「スタートアップワールドカップ2017(Startup World Cup 2017)」で初代優勝という快挙を成し遂げました。

◆保育の領域に足を踏み入れたきっかけ

ユニファ株式会社は、保育施設向け総合ICTサービス「ルクミー」を展開、「スマート保育園・スマート幼稚園・スマートこども園」などを構想し、待機児童など、子どもたちを取り巻く社会問題の解決に取り組んでいます。

社名の由来は、“統一する”を意味する“unify”と家族の“family”をかけ合わせたもので、「創業する際、子育て世帯が幸せになっていく、“家族の幸せをつくっていきたい”という思いを強く持ち、保育施設や家族をつなげて“家族の幸せ”を生み出せるような会社にしたいという思いを込めました」と経緯を説明します。

2013年に創業して以降、女性の社会進出が進んだことで保育施設の利用率が上がるなか、待機児童や保育の現場の問題、子どもたちの教育をどうするのか、さらには、出生数が80万人を割ってしまうといった問題などが浮き彫りになり、「国が、保育の無償化など財政の部分を支援してくださっているのは素晴らしいことですが、現場に踏み込んだ具体的なソリューションを日本社会がまだ見つけ切れていないと思います。そうしたところをルクミーが“やり切らねば”という思いが日に日に強くなっているところです」と現状を説明します。

◆保育の現場と保護者をつなぐ「ルクミー」

続いては保育施設向け総合ICTサービス「ルクミー」について。こちらは、保育施設のDX(デジタルトランスフォーメーション)、ICT(情報通信技術)化を進めるべく、ユニファが始めたサービスで、「それらを通じて、保育者の働き方改革や、(業務の)負担を軽減していこうと(いう狙い)。また、写真や動画を保護者に送ることで、保育施設での我が子の様子や、子ども同士の関わりなどを見ることができます。結果として、保育者や保護者からより選ばれる“スマート保育園・幼稚園・こども園”構想の実現を目指しています」と胸を張ります。

ちなみに、笹川の子どもが通っている保育園にも写真サービスがあり、よく購入するそうで、「(家では)見たことがないような表情をしていたり、“こんなこともできるんだ!”って思わせてくれるんです。先生方は毎日忙しいし、すべてを伝達できるわけではないなかで、連絡帳以上の情報が(写真に)集まっていて、シンプルですけど、親としてはありがたいサービス」と絶賛します。

ただ土岐さんは、「今までは、そうした(保育施設でしか見られない)子どもたちの様子を全部連絡帳に書いたり、写真や動画に記録したりするのは基本的に難しかった」と言及。

その課題を解消するべく、例えば、保育施設で撮影した写真を、自動的にアップロードやクラス分けができるアプリ(ルクミーフォト)の提供や、その写真を他アプリとの連携することで、連絡帳やお便りで保護者にも共有ができます。顔認証技術が搭載されたルクミーフォトでは、保護者が膨大な写真のなかから、自分の子どもを自動検出し、優先的に表示させることができます。

土岐さんは、「保育者の方々は“子どもがどうしたいのかを気づいてあげる”という点が本質的な仕事なので、記録や共有といった処理の部分は我々がやっていこうと。そうすれば、保育者にとっても“保育”という仕事のやりがいがもっと増していきますし、保護者としても、保育施設が単なる“子どもを預ける場所”ではなく、さらに育児支援のパートナーと思えるような存在になると思います」と力を込めます。

「ルクミー」では、保育施設側の業務効率化だけでなく、保護者側に対しても、連絡帳やIoT(Internet of Things/モノのインターネット)を活用したお昼寝中の子どもを見守るアプリ(「ルクミー午睡チェック」)の提供など、さまざまな連携をオールインワン(複数の要素や機能を1つにまとめた商品)で提供しています。

「これは、我々だけがおこなっている大きな特徴です。保育施設の業務は本当に多種多様なので、部分的ではなく丸ごとやらないと意味がないのです」と力を込めます。土岐さんによると、サービスの利用数は延べ1万5千件を超えており、「この数年でどんどん増えてきている状況です」と語ります。

◆デジタルで変わりつつある保育の現場と、その先の未来

最後に保育施設の未来について伺うと、「人気園とそうでない園との差が、これからどんどん開いていくと思います」と予想。また、人気園を作るポイントとして“子どもの育ちに真摯に向き合う、優秀な保育者に選ばれること”と言います。

「子どもを一番に考えられる保育・教育のプロである保育者がいるということは、より質の高い保育をしたいと考える優秀な園長先生がいるということ。例えば、園長先生が、ICTを使って(保育者の)業務負担を下げていこうと働き方の見直しをする。そこで生み出された時間と心のゆとりを、子どもたちと向き合える時間にしていけるように環境を整えていく。

結果、子どもの体験支援や子どもの好奇心を応援していけるようになっていけると、保育の質、教育の質が向上する。このように、園長先生を軸として、マネジメントできるようになっていくと、最終的に地域社会から選ばれ続けていく、という循環がより加速できると思います」と力説。

ただ園長先生は、園児の募集・採用、補助金の処理など、「通常の会社では、人事、経理など、マーケティングの部署があったりするなか、それを(保育施設では園長先生が)1人でほぼ全部やっているんです。そういうところを、もっと支援してあげられるような人がいないと、経営が非効率になってしまう。そこの部分を我々が伴走してあげながら“選ばれる園創り”を一緒におこなっていくことが、“業界の付加価値を上げる”という観点でも一番のポイントになってくると思います」と話してくれました。

次回4月8日(土)のゲストは、Wasabi Technologies Japan合同会社取締役社長の脇本亜紀(わきもと・あき)さんです。クラウドストレージの未来の話など、貴重な話が聴けるかも!?

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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/podcasts/futurepix/

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