TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。今回のお客様は、アーティストのZeebraさんとKEN THE 390さん。ここでは親目線でのヒップホップとの向き合いについて語り合いました。
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(左から)KEN THE 390さん、Zeebraさん
◆歌詞の内容も変化
KEN THE 390:(子供が生まれて)歌詞を書くときの考え方や言葉のチョイスとかって、ちょっと変わってきたりしませんでしたか?
Zeebra:自分は変わった?
KEN THE 390:ちょっと変わってきている気がするんですよね。最初はとくに変化はないかなと思っていたんですけど。(子どもが)2歳なんですけど、若干僕の仕事を理解していたりするじゃないですか。現場の楽屋に遊びに来たりとかもたまにあったりするし。「いつか自分の音楽を(子どもが)聴くときが来るかもな」と思ったときに、若干の“なにか”があるんですよ(笑)。
Zeebra:あははは(笑)。
KEN THE 390:「子が聴くかもしれん」みたいな。
Zeebra:「あんまり変なことは言えないぞ」みたいなね(笑)。俺は逆にもう大きくなったから、ちょっとまた“オラつき感”が戻ってきた感があるのかもしれない。
KEN THE 390:なるほど(笑)。
Zeebra:ちょっと強めな曲とかが最近増えている気もする。
KEN THE 390:じゃあ、やっぱり段階があるのかもしれないですね。
Zeebra:たとえばUSのヒップホップだとさ、露骨に使っちゃいけないワードがあるじゃない。そういうのをやっぱり親になると子どもに聴かせたくないから、そういうことを言わなくなるみたいな話もけっこう聞いたことがある。
Will Smith(ウィル・スミス)なんかは特にそういうことを意識していたみたい。MC RYUがそれこそラジオで「悪い言葉を使っている曲はできるだけかけたくない。ヒップホップがそういうものになっちゃう、子どもも聴く音楽なんだから」みたいなことは言っていたね。
◆過激な表現に触れないようにする工夫も必要
Zeebra:たとえば、アメリカだといわゆるペアレンタル・アドバイザリー(CDやミュージックビデオに露骨な表現や歌詞が含まれており、未成年者に相応しくないと認定された音楽作品に、全米レコード協会が添付しているもの)とかあるじゃない。
あれのいいところって、ある意味、子どもは買えないけど大人にはなにを売ってもいいみたいなところがある。それがクリエイティビティを損なわない部分でもあるのかなと。表現の幅があるというか。
KEN THE 390:映画とかだって表現方法はなんでもアリなわけじゃないですか。だから音楽だけ過激な表現がナシというのは解せないところはあります。だけど自分が親になったら(過激なものは)観せたくはないし、この年齢の子にはこの内容は聴かせたくないよね、というのって正直僕がすごく好きなヒップホップでもあるんですよね。
Zeebra:わかりますよ。
KEN THE 390:分別のついていない子に、この内容のラップは、俺的にはすごく好きなカルチャーなんだけど、まだ(聴かせるのは)早いかなみたいな。そういうものが届かないようにする工夫は、もっとあってもいいのかもな? と思うときはありますね。
Zeebra:テレビやパソコンの設定でさ、そういうのを観られないようにするのがあったりするじゃない。子どもが触るようなものに関しては、そういうことはやっている?
KEN THE 390:まだ(フィルタリングは)やってはいないんですけど、周りの話を聞くとみんなしていますよね。携帯を子どもに与えるタイミングで、その設定をするとか。
Zeebra:そういう設定をまずしておく。で、ある程度の思春期手前ぐらいになってくると、それを「なんとか乗り越えてやろう」って、やつらも頭を使ってくるけどね。
KEN THE 390:思春期になったら、これはしょうがないですよね。親に「聴いちゃダメ」って言われている音楽ってやはり聴きたいじゃないですか(笑)。
Zeebra:そうなんだよなあ(笑)。
<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜25:00~26:00
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/speakeasy/