TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。今回のお客様は、お笑い芸人のなだぎ武さんと脚本家・演出家の西垣匡基(にしがき・まさき)さん。ここでは、なだぎさんが2連覇を達成している「R-1グランプリ」(出場当時は「R-1ぐらんぷり」)に出場していた当時の“ネタ作りの苦労”を振り返りました。
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(左から)なだぎ武さん、西垣匡基さん
◆直感的なネタ作り
西垣:僕は、なだぎさんのネタを多感な時期に見させてもらって“台本では書けない笑い”と言いますか。それこそ、同じことを2回繰り返して言うとか、音(のニュアンス)だけで話が進んでいったりして、“どうやって作っているんだろう?”っていうのがずっとあって(笑)。
なだぎ:芸人もみんなゼロから物語を作ってネタを書くんですけど、僕はまず、文字に起こさないで発想からなんです。だから、“音で聞いて面白い”といったネタが多いんです。
西垣:なるほど(笑)。
なだぎ:もし面白い動きをしている店員がいたら、ここで仕事をした後にどこに行けば面白いかなって考えるんです。例えば、「“将来EXILEのメンバーになりたくて、EXILEのオーディションに行こうとしている”としたら面白いな」とか、そういうところからですかね。だから僕、ネタを作るときにノートと向き合わないんですよ(笑)。どちらかというと、人生も直感で生きているタイプなので。
西垣:でも「R-1グランプリ」でのネタも何度も観させてもらったんですけど、きれいというか、すごくきっちりしていましたよ。
なだぎ:「R-1」は(ネタの)時間が決まっているでしょ? だから、4分だったら、その時間に収めないといけないので、その作業がめちゃくちゃ大変でした。
西垣:そうなんですね!
なだぎ:僕のネタの基本は、“いらんこと”ばかり言って時間を延ばしてナンボみたいなところでやっているので(笑)。
西垣:(笑)。
なだぎ:だから、ディラン・マッケイのネタも、自転車を降りるときに脚を上げるじゃないですか。あのときも、(ディランのモノマネをしながら)「いま降りている、降りている、何を言っているんだ? 降りているだろう、余計なことを言うな、降りているんだ俺はいま」っていうのをずっと言いながら(笑)。
西垣:ハハハ(笑)。
なだぎ:だから、劇場とかでは自由にやれるんですけど、ああいう時間が決まっているときは、本当にきっちりしないといけないから、「脚は20秒上げて」とか。
西垣:えー!
なだぎ:「R-1グランプリ」で、初めて時間を計算をしながら“笑い”というものを作りましたね。あれは人生で一番苦労した作業でした。
西垣:すごいですね!
<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜 25:00~26:00
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/speakeasy/