米津玄師のMV、東京2020オリンピック閉会式ソロパフォーマンス…新進気鋭のダンサー・アオイヤマダのクリエイションに迫る

放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。4月9日(日)の放送は、ダンサーのアオイヤマダさんをゲストに迎えて、お届けしました。


アオイヤマダさん



アオイさんは、2000年生まれ、長野県松本市出身の22歳。アオイさんといえば、東京2020オリンピック閉会式でのパフォーマンスや、米津玄師さんをはじめとするアーティストのミュージックビデオ、さらには、Netflixシリーズのドラマ「First Love 初恋」に出演するなど、国内外で幅広く活躍しています。

アオイさんがダンスを始めたのは、5~6歳のとき。母親にダンススクールに連れて行ってもらったことがきっかけで「何となく始めた」と笑います。当時は、「リズムに体を委ねる。その過程を学ぶみたいな。そういう経験って幼少期にしたことがなかったから、“こんな体の使い方や、こんな感覚があるんだ”ってわかって。生きる喜びを実感するみたいな感じでしたね」と振り返ります。

「人とコミュニケーションをとることがすごく苦手だった」というアオイさん。そうした性分もあってか「ダンスっていうものがすごく自由なものに感じて、“自分に合っているのかも”と逃げるようにダンス(の道)に行きました」と明かすと、小山は「そっか、言葉を使わなくても自分を表現できるから」とうなずきます。

ダンスを続けるなかで、“プロの道”には「進めるとは思っていなかったし、“プロって何なんだろう”っていう世界だから、(プロになろうとは)あまり考えていなかった」と言います。

ただ純粋にダンスを続けようと思い、上京したことがアオイさんの人生を少しずつ変えていくことに。山口小夜子さんや寺山修司さんのアングラな世界、90年代のクラブシーンをリアルに生きてきた人たちに触れたことで「私は今まで用意されたステージでしか踊ったことがなかったけど、こんなに生活と身近にダンスがあって、こんな表現があって、1つのダンスというものにもいろいろな種類があるんだなと思って……そういうものを探っているうちに、今にずっとつながっている感じです」と話します。

東京2020オリンピック閉会式のオファーは、「“追悼”というテーマを表現してほしい」という打診だったそうで、「“追悼とはなんだろう?”と思いながら、戦争のことだったり、でもそれだけじゃないし。むしろ生きている人にも追悼という言葉は当てはまるんじゃないかとか、そんなふうに考えてクリエイションしました」とアオイさん。

小山からの「ああいう場所で踊るのは緊張しますよね?」との質問に、アオイさんは「実は踊る前はあまり緊張しないんですよ。踊った後に毛穴という穴がすべて開いて、鼻水とかも出て、“あぁ、気が張っていたんだなぁ”みたいな感じかなぁ」と答えます。

そんなアオイさんにとって、ダンスは「日常の一部」と明言。その言葉に、宇賀が「もう頼まれなくても“ちょっと踊りたいな”と思ったら踊っちゃう感じ?」と聞くと、アオイさんは「そうですね、“楽しませたい”と思ったら。特に堅苦しい雰囲気のところとかだと、余計に踊りたくなりますね。空間に合わせて踊ることが好きなんですよね。例えば、このスタジオだったら、壁の側面のあの台に立って……あの辺で踊りたいなとか」と思いを巡らせます。

さらに、「ラジオのスタジオに来るたびに、すごくパフォーマンスステージだなといつも思うんです。ガラス越しに相手が見えて、なんか映画を観ているみたいなんですけど、実は向こうもライブでこちらもライブをしている。すごく面白い空間だなって思います」と言い、「このスタジオでパフォーマンスをしたい」とアオイさん自ら申し出る場面も。

思いがけない展開に、宇賀が「どうぞ! ぜひお願いします!」と促すと、アオイさんは自分が今居るスタジオの空間を使って、即興でパフォーマンスを披露。目の前で繰り広げられる迫力のパフォーマンスに、宇賀は「すごい、かっこいい!」と感激しきり。

小山は、リスナーに向けて「いま、完全にガラスの向こうにいるディレクター、ミキサーの人、みなさんに向けて踊っている感じですね」と伝えます。


スタジオでジャンプ!(左から)小山薫堂、アオイヤマダさん、宇賀なつみ



今回はラジオブースを隔てるガラスの枠をスクリーンのように見立てたパフォーマンスを披露したアオイさんは、「パフォーマンスのお話をいただいたときは、こんなふうにいつもまず場所を見て、“こういう使い方ができるな”とかそんなふうに考えています」と自身のクリエイションの視点について語ります。

それはミュージックビデオの振付などのときも同様で、まず曲を聴いて頭のなかでイメージを膨らませつつも、「実際には撮影現場に行って、カメラマンさんや監督さん、場所と合わせて、即興でいつも踊っています」とアオイさん。

とはいえ、過去にはアイデアがまったく浮かばなかったこともあったと言い、「撮影中に泣いて泣いて……立てなくなったこともありますけど、それも全部撮ってもらって(苦笑)」とエピソードを明かしていました。

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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/post/

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