雨宮塔子 日本へ単身赴任したときの思い「母親として、ひとりの女性としての人生を考え抜いた上での決断でした」

ミュージシャン、デザイナー、作家、俳優、職人など、異なるフィールドを舞台に活躍する“ふたり”が語らうTOKYO FMの番組「三井ホーム presents キュレーターズ~マイスタイル×ユアスタイル~」。

今回のゲストは、雨宮塔子さん(フリーアナウンサー、エッセイスト)×渡辺有子さん(料理家)です。ここでは、2016年から3年間、日本に単身赴任したときの思いを語りました。


雨宮塔子さん、渡辺有子さん



雨宮さんは2016年から3年間、ニュース番組のキャスターを務めるために、お子さんをフランスに残して、日本に単身赴任しました。それは、母親として、そして、ひとりの女性としての人生を考え抜いた上での決断でした。

◆言い訳にしたり、後悔しないように…

渡辺:塔子ちゃんもいろいろ転機があったと思うし、次のステップに行く時が数年前もあったよね。

雨宮:決意とかそんなにかっこいいものでもなく、自業自得ですけど、流れ的にはそっちに行かざるを得ない状況になってしまったというか。日本には2016年から3年弱いたんですけど、それも離婚していなかったら、そういう選択肢が取れたのかというとわからない。

例えば、離婚して、精神的にも経済的にも自分ひとりで生きていかないといけないときに(いただいた)大きなお話を、子どものために踏みとどまった、って言うとかっこいいですけど、それを言い訳にしてしまうのではないかと。あるいは将来、ちょっとの後悔の気持ちが自分の中に生まれたときに、心のなかだけでも子どものせいにしたくないと思ったんです。また。そこにいたら今いるところと景色が変わらないから、怖いけどちょっと踏み出してみると、違うものが見えてきたりするのでは? という思いだけですね。

渡辺:とっても大きな決断だったのではないかな。

雨宮:でも、なんとなくそれに伏線があるというか。20数年前にフランスに来るという決断を経験していたし、子どもが産まれて守るものができてフランスで少し鍛えられ、日常の積み重ねもふてぶてしくなったのもあるのではと思いますね。日々、ちょっと戦わないといけないシーンが何かしらあって、合理的でないことや理不尽なこともしょっちゅうあるので。結果論ですけど、タフにならざるを得ないというか。

渡辺:でも、やっぱりやってみてよかった?

雨宮:後悔はないですね。子どもには寂しい思いをさせたし、それは私が一生背負うものだけれど、彼らは彼らですごくたくましくなってくれて。また、多感な時期だったから多分一緒にいたら話してくれないようなことも、その距離があるから話してもらえることもあって。よく言うとですけどね。

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集英社『eclat(エクラ)』にて「雨宮塔子が見つけたパリおしゃれの感性」短期連載中。
雨宮さんのYouTubeチャンネル『A l’aube by Toko and Maho』も更新中。

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<番組概要>
番組名:三井ホーム presents キュレーターズ~マイスタイル×ユアスタイル~
放送日時:毎週金曜 17:00~17:25
ナビゲーター:田中麗奈
番組Webサイトhttps://www.tfm.co.jp/curators/