TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。4月13日(木)放送のお客様は、実業家・堀江貴文さんと漫画家・浦沢直樹さん。ここでは、AI(人工知能)と漫画の未来について語り合いました。
浦沢直樹さん、堀江貴文さん
◆アシスタントAIは活用できる!?
堀江:漫画って描くのに時間をとられるんじゃないですか?
浦沢:とられますね。そこにAIが必要かな?
堀江:専門的な話をすると「プロンプトエンジニアリング」というのですが、AIに「こんな感じの絵を描いてくれ」と命令を出すんです。今はまだ学習量が少ないからあれですけど、あともう1、2年以内に「浦沢直樹の絵を描いてくれ」「こんな感じの漫画を描いてくれ」と言ったら、まあクオリティはそんなに高くないかもしれませんけど(できるようになるかもしれない)。
浦沢:ある程度はいきますよね。
堀江:ストーリーとか新作のクオリティは低いかもしれませんが、絵はわりと完璧に描けると思います。
浦沢:でも、それはプリントアウトもしなくなって、デジタル発表になるでしょ? 紙で出来上がった自分の作品の山を見たいんですよね(笑)。
堀江:紙に描くのはけっこう大変かもしれません。プリントはできますけどね。
浦沢:プロになってから3万5,000枚ぐらい描いて、秋田の美術館(横手市増田まんが美術館)に収めました。自分の家では持っていられないぐらいの量になってしまったので(笑)。
堀江:それはそうですよね(笑)。焼けちゃったら嫌だしなっていう。
浦沢:そうそう。
堀江:でも本当にAIがアシスタントになるのは多分1、2年ですね。AIアシスタントで描く先生が普通に出てくると思います。
浦沢:デジタル上に自分の原稿があるといっても、「ぼんやりしていてなんだかなあ」という感じがします。
堀江:自分が描きたい作品を妥協するみたいなことはあるんですか?
浦沢:妥協はないです。「まあいい」というのは禁句だっていう。
堀江:でも、AIにちょっとアシスタントしてもらう可能性はあるんですか?
浦沢:うーん……そろそろ「スクリーントーン」というのがなくなってきているんですよ。
堀江:スクリーントーンそのものの製造がなくなってきている?
浦沢:絶版、廃盤になっていて。
堀江:そうなんですね。
浦沢:仕上げはパソコン上でやらなくちゃいけなくなる宿命がもうすぐ待っているので。僕が紙で描いても、それをスキャンしてパソコン上で仕上げることになるんです。
堀江:そうなっちゃいますね、多分。
浦沢:そうしたら、もうしょうがないですよ。「AIでもなんでも手伝ってくれや」って感じです(笑)。
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番組では他にも、浦沢さんが敬愛するボブ・ディランへの思いを熱く語る場面もありました。
ボブ・ディランは現在、ワールドツアー「"ROUGH AND ROWDY WAYS" WORLD WIDE TOUR 2021 - 2024」の日本公演を開催中です。本日4月16日(日)に東京公演(東京ガーデンシアター)がおこなわれます。
初来日から45周年、ノーベル文学賞受賞後初の日本ツアーの詳細は、
イベント公式サイトをご確認ください。
<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月曜~木曜25:00~26:00
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/speakeasy/