青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMのラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」(毎週日曜 7:30~7:55)。4月16日(日)の放送では、ジェトロ(独立行政法人 日本貿易振興機構)の小林寛(こばやし・ひろし)さんに、「輸出はじめてみませんか? 新規輸出1万者支援プログラム」をテーマに話を伺いました。
(左から)青木源太、小林寛さん、足立梨花
◆中小企業や個人事業者にも海外でのビジネスチャンスが!?
この日のテーマである「新規輸出1万者支援プログラム」とは、“新たに輸出に挑戦してみたい”という中小企業の事業者や個人事業者を、経済産業省、中小企業庁、ジェトロ、中小企業基盤整備機構が一体となってサポートするプログラムです。
日本にある約358万社の中小企業のうち、海外へ輸出をしている企業はわずか5万社ほど(約1%程度)というのが現状で、実際に“輸出をしてみたい”と思っていても、「海外との取引はまったく経験がないから、何から始めればいいか分からない」「現地バイヤーとの交渉に自信がない」「そもそも、どの国に輸出すればいいのか見当がつかない」など、いろいろな悩みを抱えがち。そんな悩みを解消し、輸出の準備から輸出開始までいろんな場面でサポートしてくれるのが「新規輸出1万者支援プログラム」です。
まず、ジェトロが開設している
「新規輸出1万者支援プログラム」のポータルサイトへの登録(※登録無料)を完了させると、概ね3営業日以内にジェトロの専門家から連絡が来て、個別カウンセリングを実施します。これによって、その事業者のニーズを明確にして、最適な支援策を提案することができます。
例えば、カウンセリングで「輸出に挑戦するか迷っている」ということが分かれば、専門家が輸出の可能性についてじっくり相談に乗ります。具体的には、課題を一緒に洗い出して明確にしたり、海外市場の商品ニーズを紹介したり、事業計画の策定のお手伝いなどの伴走型支援もしています。
さらに、資金面でのサポートもあり、「『輸出に向けて商品開発やブランディングをしたい』という希望があれば、輸出向け商品の生産設備導入費用やPR動画、SNS広報の製作費用、輸出向けのサイト作成費用を補助する支援策をご提案します」と小林さん。補助金額は100万円~3,000万円で、中小企業への補助率は2分の1。例えば、PR動画を300万円かけて制作した場合、その半額の150万円を補助してもらえます。
また、「輸出先を相談したい」という希望がある場合は、現地の事情に詳しい専門家が相談に応じる支援策もあります。具体的には、現地の企業訪問、商談、海外出張などに同席、同行して販路開拓の支援、貿易実務、法務、会計に関する疑問などにも答えるほか、輸出のパートナーを見つけたい場合は、海外のECサイトや展示会への出展、輸出商社とのマッチング支援もおこなっています。
なぜここまで手厚くサポートしているのかを伺うと、「日本は高齢化により人口が縮小していますが、世界の人口は増加しており、市場も拡大しています。そのため、日本の中小企業が今後も持続的に発展するためには、海外の需要を取り込むことが大きなメリットになると考えています。また最近は円安傾向にあるため、新たに輸出を始めるには絶好の機会です。なので政府は、これまで輸出に積極的でなかった中小企業などが、輸出を開始して海外市場を開拓していく契機となるよう支援に力を入れています」と解説します。
◆「新規輸出1万者支援プログラム」の活用事例
具体的にどんな支援を受けて海外輸出をスタートさせているのか、その事例を紹介します。青森県の従業員数3名の会社では、規格外で廃棄予定の野菜や出荷時にカットされる部分の野菜などを原材料にしたクレヨンを製造しています。子どもが誤って口に入れてしまっても安全で、海外からの引き合いも多かったため、ジェトロの支援を受けながら輸出を試みることにしました。
この会社の場合、はじめの展開先として、クレヨンに馴染みが深く、サステナブル社会の実現や環境配慮への意識が高いという理由からアメリカを選択。ただ、進めていくなかで、バイヤーの見極め方や判断基準の優先順位など不明点が多くなり、なかには独占契約を求められたり、連絡を取っていた取引先の担当者変更により急にコンタクトが取れなくなったなど、困ったこともたびたびあったそうですが、その都度、ジェトロの専門家に相談して乗り越えることができたと言います。そして今では、アメリカだけでなく、UAE(アラブ首長国連邦)、フランス、イタリア、タイ、オーストラリアと展開先をどんどん広げているそうです。
小林さんは、「支援の一環として、その国の法律に詳しい専門家に相談することもできるので、もしものときも安心です。そのほか、安全などの基準や認証、税務会計などに詳しい専門家もご用意しています」と声を大にします。
さらには、インターネットを通じて、日本国内から海外へ向けて商品を販売する「越境EC」というビジネスモデルが注目を集めており、いくつか促進事業もあるため、「『新規輸出1万者支援プログラム』のカウンセリングでニーズを明確にできれば、適切な支援事業を提案できます」と力を込めます。例えば、ジェトロでは、海外の主要なECサイトに日本商品特設サイト「JAPAN MALL」を設置しており、日本商品の販売を支援しています。原則、国内納品、国内買取、円建て決済で取引が完結し、難しい手続きも不要のため、輸出が初めてでも参入しやすい仕組みとなっています。
また、自社の商品が海外で売れるかまったく見当がつかない場合も、越境ECを活用することでニーズを探ることができ、その結果を受けて、海外仕様の商品を開発やブランディングをおこない、本格的に輸出に挑戦するといった展開も期待できます。
最後に小林さんは、「日本には、世界に誇れる製品やサービスがたくさんあります。“海外展開に興味はあるけれど、どうしたらいいのか分からない”という方は、まず『新規輸出1万者支援プログラム』に登録して、カウンセリングを受けてみてください。専門家が、ニーズに応じて最適な支援策をご提案します。まずは第一歩を踏み出しいただければ」と呼びかけました。
足立は、「“インターネットを活用すれば日本にいながら輸出することができる”というのは、すごく今らしいなと思いました」と感想を口にしつつ、「インターネットを活用して(海外での)ニーズを探ることもできるので、最初からいきなり(輸出に)参入して失敗するのが怖い方は、こういう支援を活用してみるのもいいと思う」と話します。
一方、青木は“伴走型支援”に着目。「そのときどきやポイントによって相談したい事柄は変わりますが、相談者のニーズにぴったり合うサポートを迅速におこなえるのが一番のポイントだなと思いました」と所感を述べました。
(左から)青木源太、足立梨花
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聴取期限 2023年4月24日(月) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/collection/