「日本の起業家ランキング2021」で1位に! 佐渡島隆平が語る「防犯カメラ」のニーズの変化とは?

笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。4月15日(土)の放送は、セーフィー株式会社 代表取締役社長の佐渡島隆平(さどしま・りゅうへい)さんをゲストに迎え、お届けしました。

(左から)佐渡島隆平さん、笹川友里


1979年生まれ、兵庫県出身の佐渡島さん。甲南大学経済学部在学中にDaigakunote.comを創業。2002年に同大学を卒業後、現在のソニーネットワークコミュニケーションズに入社。その後、子会社のモーションポートレートで画像処理技術の開発に携わり、2014年にセーフィー株式会社を創業。2020年にはForbes JAPAN「日本の起業家ランキング2021」で1位に輝きました。

◆防犯カメラも“クラウド化”に

まずは同社が開発・運営している「Safie(セーフィー)」について伺うと、佐渡島さんは「防犯カメラや監視カメラなどの映像をすべてクラウド化し、集まってきたデータに対して、いろいろなアプリケーションを付け加えていくようなサービスを展開しています」と説明します。

昔の防犯カメラでは、録画した映像を観る際、カメラと接続しているレコーダーであったり、カメラ本体のある現場でしか観られないため「不便」という声が多く、「セーフィーを創業したのが2014年なのですが、その当時はマーケットのなかで、クラウドというのはほぼ0%でした」と振り返ります。

現在はさまざまな企業が「Safie」を導入しており、「20万台弱のカメラがクラウドに接続しており、ようやくサービスの売上が100億円弱ぐらいの規模になってきていますが、それでもまだ、世の中に設置されたカメラ全体でいうと10~15%ほど」と明かします。

しかしながら、「コロナ禍で、飲食店や建設現場などを管轄している方々から、『遠隔地から現場を確認してマネジメントしていきたい』『クラウドからさまざまな映像で現場の様子を観たい』というニーズが非常に増えている」と実感を語ります。

総じて、デジタル機器をはじめ、あらゆる産業機器においてもクラウド化の波が大きくなりつつあるなか、「そのなかでも映像データは(容量が)非常に重たかったので、なかなかクラウド化が進まなかったんですけど、我々が参入して試行錯誤するなかで、ようやくマーケットができてきたというのが現在地でしょうか」と話します。

◆「Safie」の特徴

設置されているカメラの映像の活用方法は、“防犯”という観点だけではありません。例えば、多店舗経営をしている企業などでは、クラウド録画サービスがあれば、各現場に足を運ばなくても店舗の様子を確認することができることから、“マーケティング”として活用されるケースもあるそうです。

特に課題先進国である日本においては「人手不足から“1人の店長が20~30店舗を同時に見る”という世界ができてしまっていたり、“無人店舗をやりたい”という小売店も非常に多くなってきています。そういったときに、カメラは必須になってくると思います」と佐渡島さん。

また、くっきり・なめらかで高画質な映像なのも「Safie」の売りの1つで、「“キレイにどう見せるか”ということに、すごくこだわっていて、ビットレート(1秒間あたりのデータ量)を上げなくても、人間の目で見て“きれいだな”と思える圧縮の仕方などを工夫しています」と力を込めます。

さらに佐渡島さんは、「クラウドの良いところは、(カメラを)買ったときが最先端ではなくて、買ってからも毎日のようにアップデートされ、機能が上がっていくところ。小さいお店をやっていらっしゃる方々をはじめ、たくさんの方が我々のサービスを気に入って使っていただいています」と自信をのぞかせます。

◆シェアナンバーワンを成し得た3つの理由

「Safie」がクラウド録画サービスにおいてシェアナンバーワンになれた理由として、佐渡島さんは3つあると言います。

1つ目は、「“使いやすさ”“安価”など、お客さまが今抱えている課題に向けて、自分たちがゼロから作り続けてきているところ」と説明。

2つ目は“技術的な要素”として、「カメラというありふれたハードウェアに、我々はファームウェア(ハードウェアを直接制御するために内蔵されたソフトウェア)をクラウドとセットにして、OSとしていろいろなメーカーさんにお配りしたんです」と佐渡島さん。

つまり、セーフィー社のクラウドカメラサービスを、いろんなメーカーのハードウェアでインストールしていただいたことで、マーケットをつくることができたと言います。

そして3つ目は、Googleが開発したOS「Android」と同じように、「カメラに入るようなOSをお配りすることで、メーカーの皆さんがクラウドサービスビジネスに参入しやすくしたこと。それによって、マーケットを一緒に作ることができたのが大きかったと思います」と分析していました。

次回は特別番組のため、4月20日(木)午後8時30分からの放送です。引き続き、佐渡島さんをゲストに迎えてお届けします。セーフィー設立の経緯や佐渡島さんの仕事の流儀についてなど、貴重な話が聴けるかも!?

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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/podcasts/futurepix/

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