東京農大に新施設「国際センター」がオープン! 矢嶋俊介教授「農学のアジアの拠点、そして世界の拠点として引っ張っていく」

川瀬良子がパーソナリティをつとめ、日本の農業を応援するTOKYO FMのラジオ番組「あぐりずむ」。毎週火曜は、農業はもちろん、時代の先を見据えるさまざまな研究をおこなっている東京農業大学から、最先端の農学研究を紹介します。4月4日(火)と4月11日(火)の放送では、東京農業大学 バイオサイエンス学科の矢嶋俊介(やじま・しゅんすけ)教授に、世田谷キャンパスにオープンする新施設「国際センター」について伺いました。


(左から)矢嶋俊介教授、川瀬良子


◆今春完成した「国際センター」とは?

東京農業大学の世田谷キャンパスに、農学分野でのグローバル・リーダーを国内外に育成する拠点とするための新たな施設「国際センター」がオープンします! 3階建てとなる施設の1階には、創設者・榎本武揚(えのもと・たけあき)さん由来の貴重な資料を見ることができる「榎本ギャラリー」やカフェがあり、2階には国際会議などができる広いホールや会議室、3階には、海外の先生方が短期で東京農大に来たときのためのオフィスが完備されています。

同施設の注目ポイントとしては、矢嶋教授は「1階にあるミュージアム。それと併設して、海外の留学生が持参した書籍や図鑑、写真集、雑誌も置く予定で、リラックスした感じで読んでいただけるスペースもあります。学生たちが(それらを手軽に手にすることで、)今まで見たことがないようなもの、知らなかった世界をより身近に感じてくれるとうれしい」と期待を寄せます。

125周年事業として募金をおこなった国際センターを建設するにあたり、“東京農大の叡智を世界に発信する「NODAI FLAGSHIP」となる”というコンセプトを掲げ、「農学のアジアの拠点、そして世界の拠点として引っ張っていくことをイメージして建設を進めてきました」と語ります。

そして“農学分野でのグローバル・リーダーの育成”という点においても、「地球レベルでの異常気象や温暖化、人口増加による食料不足に備えて、食料の増産や農産物をどのように分配していくのか、といったことを牽引していきたい。単に作るだけではなく、サプライチェーン(原料調達から消費者の手元に届くまでの一連の流れ)、あるいはマーケティングのような社会科学系も含めた分野でのトータルのリーダー(となる人材の育成・輩出)を期待しています」と力を込めます。


東京農業大学の「国際センター」


◆受け継がれる創設者・榎本武揚イズム”

東京農大の国際化は、創設者である榎本武揚さんの影響が大きいと矢嶋教授。「徳川幕府のときに、オランダに留学し、西洋の先端的な科学などを勉強して、それを持ち帰ってきました」と言います。そのときに榎本さんが残した“冒険は最良の師である”という言葉は、東京農大の国際化のモットーになっています。

国際センターの1階にある榎本ギャラリーには、「例えば、榎本先生がオランダから帰ってきたときに持ち帰ったフランス製の電信機を展示しています。榎本先生は、明治政府において文部大臣、農商務大臣、外務大臣といったさまざまな分野で活躍され、電気学会や現在の日本化学会の前身である工業化学会の会長をつとめるなど幅広い分野で活躍された方で、その活躍ぶりを示すものの1つが電信機です」と説明します。

数ある展示物のなかでも、この電信機が“お気に入り”という矢嶋教授は「日本における“通信の時代の始まり”とも言えるのではないか。今の科学技術を発展させる人々の探求心がすでにそこ(その時代)にあり、130年を超える本学の歴史のなかに、その一つひとつが積み重ねられてきたのかなと思います」と話していました。

<番組概要>
番組名:あぐりずむ
放送日時:毎週月~木曜 15:50~16:00
パーソナリティ:川瀬良子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/agrizm/