笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30 ※今回の放送は4月20日(木)20:30~21:00にお届けしました)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。4月20日(木)の放送は、
前回に引き続き、セーフィー株式会社 代表取締役社長の佐渡島隆平(さどしま・りゅうへい)さんをゲストに迎え、お届けしました。
(左から)佐渡島隆平さん、笹川友里
1979年生まれ、兵庫県出身の佐渡島さん。甲南大学経済学部在学中にDaigakunote.comを創業。2002年に同大学を卒業後、現在のソニーネットワークコミュニケーションズに入社。その後、子会社のモーションポートレートで画像処理技術の開発に携わり、2014年にセーフィー株式会社を創業。2020年にはForbes JAPAN「日本の起業家ランキング2021」で1位に輝きました。
◆大学生時代に起業を経験
佐渡島さんが初めて起業したのは現役大学生時代の1999年。当時はきちんと大学に通っていなかったそうですが、大学を卒業するためには単位を取らなければなりません。そのときに“優秀な人のノートを共有してほしい”と思ったことから“大学生が一番欲しいものは、優秀な人のノートだ”と仮説を立て、「ノートをみんなで見せ合うことができるコミュニティを作る」というコンセプトでDaigakunote.com(ダイガクノートドットコム)を創業します。
例えば、さまざまな大学から休講情報を集めて、それを芸能ニュースや天気情報などと合わせてデータ配信をし、「そこでコミュニティを作って、SNSとまではいかないまでも、ノートや人の交流などができるサービスを作りました。当時は関西にある7~8ぐらいの私立大学に使用していただいて、会員数も3~4万人ぐらいいて、(サイトに掲載した)広告収入で収益を得ていました」と振り返ります。
◆「防犯カメラ」の領域に活路を見出したきっかけ
大学時代に起業した佐渡島さんでしたが、大学卒業後はソニーコミュニケーションネットワーク(現在の社名はソニーネットワークコミュニケーションズ)に入社。就職の道を選んだのは、近しい叔父さんから「もっと大きなビジネスをしようとしたときに、他人の資本を使って大きくしなくてはいけない。(今は起業してやっていくよりも)他人のお金を使ってちゃんと儲けることを覚えなさい」という助言がきっかけでした。
「“株式市場に上場する”というのは、他人のお金を活用させていただいて会社を成長させるということなので、今考えると素晴らしい助言だったと思う」と話します。
そして2014年に、同僚2人と一緒にセーフィー株式会社を創業。その経緯を伺うと、前職に携わっていたときに「世の中でこれだけAI(人工知能)が流行ってくると、ソフトウェアを作るよりもデータを持っていることのほうが非常に優位に立つということが分かってきたので、もっとデータが集まってくるようなプラットフォームを作れないかと思っていた」と佐渡島さん。
そんなとき、自身が家を建てて防犯カメラを設置しようとした際、「(防犯カメラのサービスとして)いいものがなくて。それで、この市場が穴場なんじゃないかと思って、3人で新しい事業を進めていくための話し合いをしていたときに、『もっと最新のテクノロジーやAIを駆使して、“賢くなる防犯カメラ”を作れば面白いんじゃないか』と提案しました」と語ります。
また、「ソニーグループは本当に素晴らしい会社」と佐渡島さん。というのも、会社に「自分たちでこういう会社を興してみたい」と独立の意向を申し出たところ、「君たちがやるのであれば、半分は出資してあげるから、残りの半分は自分たちで集めてきなさい」と背中を押してくれたそうで、「(半分出資していただいたことで、起業後)一気にサービスをスタートできたので、本当にソニーグループのおかげですね」と感謝の言葉を口にします。
◆「日本の起業家ランキング2021」1位の仕事の流儀
2020年にはForbes JAPAN「日本の起業家ランキング2021」で1位に輝いた佐渡島さん。自身が仕事をするうえで大切にしているのは「“お客さまのために何ができるか”ということに徹底的にフォーカスして、“Who at How(誰のために、どのような方法でやるのか)”で物事を考えること」と言います。
どんなに素晴らしい技術があったとしても、「(前提として)お客さまのニーズや手段があり、そのニーズとシーズ(生産者の技術やノウハウによって提供できる価値や強み)がマッチングしたところに良いサービスがあると思うので、お客さまをちゃんと見ていくこと、現場をきちんと見ていくことはすごく大事にしているポイントです」と語ります。
最後に、「我々の創業のコンセプトは、置くだけポン(クラウド録画サービスの防犯カメラ)で非常に賢くなるカメラを作りたい。要は“手軽に賢くしたい”という思いがあったので、もうローンチしているんですけれども、エッジAIというカメラのなかにAIを簡単にインストールできる仕組みを今まさに開発しています。
それによって、お店のマーケティングが変わったり、防災の部分におけるAIなど、ビッグデータやクラウドコンピューティングによって、人の“見る”“聞く”“記憶する”“しゃべる”“考える”ということもAIによってどんどんできてくるようになります。
そういった、いろいろなアプリケーションが使えるようになっていくと、もっと社会は前進していくのではないかと思います。なので、今後は“カメラとAI”というところに注力して、サービス展開や開発を進めていきたい」と展望を語りました。
次回4月29日(土・祝)のゲストは、中外製薬株式会社 上席執行役員 デジタルトランスフォーメーションユニット長の志済聡子(しさい・さとこ)さんをお迎えしてお届けします。創薬にまつわる新たな時代の形について、貴重な話が聴けるかも!?
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聴取期限 2023年4月28日(金) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/podcasts/futurepix/