声優界随一のサイクリスト・野島裕史がパーソナリティをつとめ、自転車をテーマにお届けするTOKYO FMのラジオ番組「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」。4月30日(日)の放送は、国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン 2023」組織委員会委員長の栗村修さんをゲストに迎えて、お届けしました。
(左から)パーソナリティの野島裕史、栗村修さん
◆トップが語る、トップの極意「手足を動かしてはダメ」
野島:本日のゲストは、今年1月以来、約3ヵ月ぶりの登場となる一般財団法人日本自転車普及協会の理事で、UCI公認の日本最大の国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長をつとめる栗村修さんです。
栗村:“自転車といえば栗村修、栗村修といえば自転車”、目黒からやってまいりました51歳でございます。よろしくお願いします。
野島:栗村さんは、この番組のタイトルにお借りしている、国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン 2023」(5月21日(日)~5月28日(日))の組織委員会委員長です。今は準備で大忙しだと思いますが、大丈夫ですか?
栗村:僕はもともと選手・監督で「ツアー・オブ・ジャパン」に出場し、その後、主催者側に立場が変わって、レースをおこなうことの大変さを実感したのですが、10年近くやってきて歳をとり、肩書きも変わり、もう今は“でん”としてます(笑)。
野島:さすがですね(笑)。
栗村:(トップが)手足を動かしたらダメじゃないですか。今は落ち着いてヒーヒー言っています(笑)。若手の事務局員も入り、少しずつですけど実務も引き継ぎながらやっていますが、優秀な実行委員会、各ステージの実行委員会に恵まれていますので、私はとにかくリーダーシップをとりながら、前に出過ぎないようにしています(笑)。
◆50歳になり体が…野島裕史の切実な悩み
野島:現在は“でん”と構えているということで安心しました。実は「ツアー・オブ・ジャパン」の話をお聞きする前に伺いたいことがあるんです。個人的な悩みと言いますか……つい先日50歳を迎えたんですが、昨年から体の故障、ケガや病気に悩まされておりまして。これが50代なのか……と衝撃を受けているのですが、栗村さんは50歳前後で体調の変化はありました?
栗村:私も同じ経験をしました。40代後半に人生の先輩から「50歳になったら(体にガタが)来るからな」とアドバイスをいただいていましたが、そんなことはないだろうと。僕はスポーツをずっとやってきたし、若さを保つ努力もしてきましたので。でも、いざ50歳になると、本当に「はい、来た!」という感じでした。
野島:僕も体を鍛えることや、運動も大好きですし、30代、40代になったときは大丈夫だったんですよ。しかも、僕は30代後半から自転車に乗り始め、40代はより健康的だったので、この調子で50代を迎えられると思ったら、何かが壊れるかのように健康面に不安を抱え始めまして……。
まずは突発性難聴のような感じで耳鳴りが起きてしまい、病院に行ったら「それは老化だね」と言われたり、徹夜や睡眠不足が重なったときに白目が真っ赤になって、これも眼科に行ったら「歳をとるとなりやすい」と言われ、極め付きは五十肩……。
栗村:わかります。すごくよくわかります。
野島:さらには、重い段ボールを持って階段を登ろうとしたときに、足を踏み外して捻挫……前だったら運動神経でなんとかなっていたんじゃないかと思うんですけど、やっぱり足元が弱くなっているのかなと。
栗村:僕も近いようなことがありましたが、結論から言うと克服しました。むしろ30代、40代よりも取り返した感があって、ポジティブになりましたね。
野島:僕は今、完全にへこまされた状態なので、それをぜひ伝授していただければ!
栗村:わかりました。
◆年齢を受け入れると人生が変わる!?
栗村:これは僕の持論で、なんのエビデンス(根拠)もないんですが、人間は年齢ごとに歳相応に振る舞うようにプログラムされていると思うんです。つまり、おじさんがギンギンギラギラしたまま70歳になると社会がおかしくなるんです。
野島:なるほど。自然と変化していくようなプログラムが体に備わっていると。
栗村:もともとはスポーツ選手で体力があり、引退後も寝なくて平気、お酒も飲む……とにかく無茶をしていたんですけど、結局(歳をとって)何ができなくなったかといえば、無茶や無理ができなくなったんです。
例えば、スマホの充電コードを片手で抜こうとして、ちょっと変な力の入れ方をすると、手の甲に激痛が走ったり、横着や無茶、無理というキーワードに対して、アラートが発生し始めた感じですね。そこで何をしたかといえば、そのプログラムに対してアジャスト(調整)したんです。
無茶な生き方をしなくなったというか、自然にアジャストした結果、むしろ無茶していた40代よりも若々しさが戻ってきたり、集中力が保てたり、心が安定したので、やっぱり年齢は受け入れるものなんだなと。
野島:要約すると、年相応にしろということですね。
栗村:そうです。トレーニングもやり方を少しアジャストすると、例えば肩関節の痛みが消えたりする。これはスポーツ選手も一緒なんですよ。ベテランになっていくと体が20代の頃のようには動かなくなるんですね。そうした中で、長く活躍する選手はやり方を変えているんです。
野島:確かにそうですね……。
栗村:大事なのはアジャスト力。どんどん体を痛めてしまう人は、過去の状態に固執しているんですね。過去は過去、人生は前にしか進まないんです!
野島:自分もそうだったかもしれないです!
栗村:多分、幸せの価値観、種類が変わってくるんだと思います。若いときは強い刺激がないとドーパミンが出なかったんですけど、歳をとると変わってくる。それこそ空気がおいしいみたいな。
野島:それはある意味、解脱したかのようですね(笑)。でも開眼しました!
栗村:この先、60歳、70歳もさらに深い何かが待っていると思うので、楽しみに生きていきたいですね。
野島:こんなに役に立つ話が伺えるとは(笑)……ありがとうございました!
5月7日(日)の「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」は、引き続き、国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン2023」組織委員会委員長の栗村修さんをゲストに迎えてお届けします。お楽しみに!
<番組概要>
番組名:サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国23局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週日曜 朝5:00~5:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトおよびアプリ「AuDee(オーディー)」でご確認ください)
パーソナリティ:野島裕史
番組Webサイト:
http://www.jfn.jp/toj