青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMのラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」(毎週日曜 7:30~7:55)。5月7日(日)の放送では、国土交通省 水管理・国土保全局 河川環境課の白波瀬卓哉(しらはせ・たくや)さんに、「みんなが主役! 洪水から地域を守る 水防の世界」をテーマに話を伺いました。
(左から)青木源太、白波瀬卓哉さん、足立梨花
◆水害への対策として欠かせない「水防」
1976年~1985年の10年間で、1時間に50mm以上の雨が降った回数は、1年平均で226回でしたが、2012年~2021年の10年間では、1年平均327回と約1.5倍増となっています。
日本は、6月から10月まで梅雨や台風などにより洪水が起きやすい時期が続く気象的な特性があるうえに、川の流れが急で、激しい雨が降ると一気に水の量が増えてしまう地理的な特性もあります。しかも、洪水の恐れのある地域に人や資産が集中しているため、国や自治体ではさまざまな治水事業が進められています。
例えば、川の氾濫をできるだけ防ぐためにダムや堤防を建設したり、被害に遭う人を減らすために、土地の利用規制や移転の促進、情報発信の充実など、ハード面もソフト面も一体で多層的な対策をおこなっています。
ただし、ダムや堤防など治水施設の整備には莫大な費用と長い年月が必要で、まだまだ整備が必要な箇所は全国にたくさんあります。また、たとえ整備されていたとしても、ダムや堤防などの能力には限界があり、施設では防ぎきれない大洪水が発生する可能性もゼロではありません。
そのため、私たちは“大洪水は必ず発生するもの”という意識を持って対策しなければなりません。そこで、重要になってくるのが「水防」です。
水防について、白波瀬さんは「洪水や洪水の恐れがあるときに、地域に住んでいる人々が中心となって、水があふれないように堤防に土のうを積んだり、住民に注意を呼びかけたり、避難を支援することで、水害による人命や財産への被害を防止・軽減する取り組みのことです」と説明。
水防活動は、大雨が降っているときに主に川の近くでおこなわれることが多いため、人目につきにくく、さらに、その効果も分かりにくいと言われていますが、実は地域の安全のために重要な役割を担っています。
◆水防対策の要「水防団」とは?
堤防に土のうを積む作業は、ただ積めばいいというものではなく、重さもあるため誰にでもできる活動ではありません。そこで、水防対策の要の存在が「水防団」です。
水防団は地域の住民の方々によってつくられている組織で、「洪水で川から水があふれそうになったとき、堤防に土のうを積んだり、いざというときには、危なくなった地域の方々の避難誘導や救助活動などをおこなったりします」と白波瀬さん。
団員数は全国で約80万人、水防団の数は2,000以上にのぼります。その多くは消防団との兼務ですが、長年に渡り水害との戦いの歴史がある地域では、消防団とは別に専任の水防団が70団ほどあります。
しかし、「近年は全国的に水防団の団員が高齢化とともに減少傾向にあり、地域の水防力の低下が心配されている」と言います。現在、水防団員の6割ほどがサラリーマンの方ということもあり、いざというときに仕事の都合がつかず、対応できないこともあるそうです。そうした課題を抱えながらも、水防団の方々は現場で活躍しています。
改めて、白波瀬さんは「地域を守るためには、住民のみなさんのご協力が必要です。水防活動は、地域に貢献できる立派な仕事であり、特に若い方の力が必要です。水防団員は各地で募集しており、手当なども支給されます。(興味のある方は)ぜひ、お住まいの市町村に問い合わせてみてください」と声を大にします。
◆いざというときのために、確認しておくべき「ハザードマップ」
水害に備えて、私たちにもできることがあります。例えば、日頃からハザードマップを見て、避難経路などを確認しておくことも、その1つです。ハザードマップとは、堤防が決壊した場合に浸水する恐れのある区域範囲や避難する場所、医療機関の連絡先など、水害時に役立つ情報が詰め込まれている地図のことです。
2021年におこなったアンケート調査によると、ハザードマップを見たことがある人は約7割で、多くの方が「避難に備えるためにハザードマップを見た」との結果が出ている一方で、残りの3割の方は、「これまで水害の危険が迫っていないから」「水害の危険がないと思っている」などの理由から、ハザードマップを見ていないと言います。
「これまで水害が起こっていない地域であっても、近年は異常気象により、想定外の大雨が降る可能性があります。そうすれば、まさかの事態が起こるかもしれません。ハザードマップは命を守るための情報が満載です。水害を他人事とは考えずに、お住まいの地域にどのような危険があるのか、いつ、どのように逃げるかを前もって考えておくことがとても重要です」と白波瀬さん。
そして最後に、「梅雨や台風など、洪水が起きやすい時期に備えて、日ごろからハザードマップを見て、お住まいの地域がどんな特性のある場所なのかを知り、もしものときの避難経路や避難場所を確認するなど、命を守るための意識を高めてください。また、ご高齢の方や体の不自由な方がいる場合は、早めに避難するなど、ご家庭にあった避難計画を家族で話し合ってみてください」と呼びかけました。
ハザードマップは、各市町村のWebサイトや、国土交通省の
「ハザードマップポータルサイト」でも確認することができます。
今回のテーマを通して、足立が一番印象に残ったこととして“水防団”の存在を挙げ、「地域を守ってくれるかっこいい人たちがいると安心。ただ、水防団の団員数が減少気味だと聞いたので、そのお手伝いというわけではないですけど、私たちもできることがあればやりたいなと思いました。もし気になった方がいたら、ぜひ水防団に入ってほしい」とコメント。
青木は、「ハザードマップ」の重要性について言及。「ハザードマップは、堤防が決壊した場合に浸水する恐れのある範囲や避難場所、医療機関の連絡先など、水害時に役立つ情報が網羅されているので、ぜひ見てほしいです」と声を大にしていました。
(左から)足立梨花、青木源太
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/collection/