村上RADIO

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村上春樹「人にはそれぞれいろんな癖がありますが…」いくつもある自身の癖の1つとは?

作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00~19:55)。5月28日(日)の放送は「村上RADIO~アカペラで行こう~」をオンエアしました。今回のテーマは「アカペラ」。ビートルズやビーチ・ボーイズ、サザンオールスターズなどによる、さまざまな名曲のアカペラカバーを村上DJの楽しい解説付きで紹介。この記事では、中盤3曲を紹介した内容をお届けします。


村上RADIO~アカペラで行こう~



◆The Persuasions「Looking For An Echo」
次はThe Persuasions(ザ・パースエイジョンズ)の「Looking For An Echo(エコーを求めて)」。ザ・パースエイションズは、1960年代にニューヨークで結成されたアカペラを専門とするグループです。フランク・ザッパに見いだされて有名になりました。
一昔前のドゥワップのグループはエコーの効いた練習場所を求めて、街のあちこちをさまよいました。コーラスをきれいに響かせるためですね。駅の片隅とか、どこかの家の浴室とか、階段の踊り場とか、そういう響きの良い場所を見つけるのにずいぶん苦労したみたいです。ザ・パースエイジョンズがそんな苦労話を懐かしく語ります。曲の前後にいろんなドゥワップの名曲が引用されます。曲名をあててください。

◆The Singers Unlimited「Here, There And Everywhere」
Singers Unlimited(シンガーズ・アンリミテッド)は「ハイ・ローズ」という小洒落たジャズ・コーラスを率いていたジーン・ピュアリングが、「ハイ・ローズ」解散のあと、1967年に結成したコーラス・グループです。多重録音を巧みに用いた、精密なハーモニーが売り物でした。
精密きわまりなくて、聴いていて感心しちゃうんだけど、そのぶんいくらか遊び心に欠けるところがあるかもしれません。とはいえとても美しいハーモニーです。ビートルズの「Here, There And Everywhere」を聴いてください。

◆Rockapella「Zombie Jamboree」
次に出てくるのはRockapella(ロッカペラ)、文字通りアカペラでロックをやっちゃおうというニューヨークのバンドです。声帯やら、身体のいろんな部分を使って楽器の音を出す、いわゆる「ヒューマンビートボックス」を駆使して、ノリのいい新しいアカペラ・サウンドを作り出しています。このへんからアカペラの歌唱スタイルも少しずつ変化を遂げていきます。
曲は「Zombie Jamboree」、お墓で夜中にゾンビたちが踊って楽しんでいるというコミカルな歌です。
    
<DJ余話>
人にはそれぞれいろんな癖がありますが、僕の癖は——というか、いくつもある癖のひとつは—―いろんなものの数を数えることです。たとえば階段の段数とか、いつも自然に数えちゃいます。で、途中でつい考え事をしたりして、数がわからなくなったりすると、がっかりもします。だから僕が1人で駅の階段を上ったりしているのを見かけても、声をかけたりしないでくださいね。勘定が中断されて、それでけっこう落ち込んだりしますから。まあ、些細なことなんですけど。

猫山:にゃ~。

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<番組概要>
番組名:村上RADIO~アカペラで行こう~
放送日時:5月28日(日)19:00~19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/

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