青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMのラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」(毎週日曜 7:30~7:55)。5月28日(日)の放送では、農林水産省 農村振興局 農村政策部 都市農村交流課長の影山義人(かげやま・よしひと)さんに、「続・農泊の世界 ~ディスカバー農山漁村(むら)の宝編~」をテーマに話を伺いました。
(左から)青木源太、影山義人さん、足立梨花
◆いま注目の旅のスタイル“農泊”とは?
“農泊”とは、農村、山村、漁村の地域に宿泊して、その土地ならではの食事や体験を楽しむ旅のことです。また最近では、古民家を改修した快適な宿が増えていたり、サイクリングやトレッキングで自然や景観が楽しめるなど、サステナブルな社会が求められているなかで注目が集まっている旅のスタイルです。
農泊を提供する日本の農山漁村は、近年、少子高齢化による過疎化が進んでいて、それに伴うさまざまな問題を抱えています。そこで、地元の美しい自然や伝統文化を活かして観光客を呼び込み、都市と農村の交流を通じて地域を活性化させようというのが狙いです。
◆「ディスカバー農山漁村の宝」とは?
農泊の取り組みには農林水産省がさまざまなサポートをしており、そのうちのひとつが「ディスカバー農山漁村の宝」です。これは、農林水産省と内閣官房が取り組んでいる表彰事業で、「農山漁村の魅力を引き出した優良事例を選定して“強い農林水産業”と“美しく活力ある農山漁村”を全国に発信する取り組みです」と影山さん。
毎年、他の地域の参考となるような優れた地域活性化の取り組みを募集し、そのなかから特に優れたものにグランプリや優秀賞、特別賞などが贈られます。ちなみに、昨年おこなわれた「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」(第9回選定)でグランプリを受賞したのは、野生の蛾の“まゆ”に注目したスキンケア商品を生産している「株式会社 沖縄UKAMI養蚕」。現在、その商品は海外進出を果たすほどのブランドにまで成長しています。
グランプリを受賞した理由について、影山さんは、「耕作されていない農地を活用して、その(蛾を育てる)餌を作ったり、廃校を障がいを持つ方々とともに働く作業場にするなど、地域の資源と人材をフル活用していることが評価されました」と説明します。
◆日本の原風景が広がる京都・美山町の魅力
影山さんによると、これまでに選定された農泊の取り組みは全部で22にものぼります。例えば、第4回と第7回の「ディスカバー農山漁村の宝」で選定された京都府の南丹市美山町(なんたんしみやまちょう)は、外国人観光客からも人気の場所となっています。
京都というと、神社仏閣巡りがイメージされがちですが、美山町は京都市内から車で80分ほどのところに位置し、まるでおとぎ話に出てくるような里山の風景や文化が満喫できると人気を呼んでいます。今回はそんな美山町の魅力について、一般社団法人南丹市美山観光まちづくり協会 事務局長の高御堂和華(たかみどう・わか)さんに、リモートでお話を伺いました。
早速、この地域で楽しめる農泊について伺うと、「美山町には39棟のかやぶき屋根の民家が残っており、日本の原風景が見られる場所として知られています。美山町では、かやぶき民家の一棟貸しのお宿に泊まることができます。また、地域に暮らす方々と一緒に時間を過ごして、農山村の体験ができるような“農家民宿”という宿泊スタイルも人気です」と説明します。
宿泊先での食事については、「シカ肉を活用したジビエ料理が女性を中心に人気です。(シカ肉は)あまり馴染みがないかもしれませんが、しっかりと処理されていてくさみもないので、とてもおいしくいただけます。さらに、低カロリーで高たんぱくなので、女性に非常におすすめです」と話します。
さらには、ブランド畜産物である“京地鶏”を使用した地鶏料理も有名で、「美山町では、すき焼きというと(牛肉よりも)地鶏を使うのが一般的です」とのプチ情報も。「囲炉裏を囲んで地鶏料理を食べるのも、すごくいい経験になると思います」と太鼓判を押します。
また、美山町には一級河川“由良川(ゆらがわ)”が流れており、「ここで獲れる鮎を使った料理も夏は人気メニューとなっています」と高御堂さん。今年は5月27日(土)に(鮎釣りが)解禁となっていて、ここで獲れる鮎は塩焼きやお刺身などで食されているそうです。
最近では、外国人観光客も戻りつつあるそうで、特に冬の時期は雪を求めて台湾や香港からの来訪も増えていると言います。そして今年は、台湾の学生たちの教育旅行として、4月から7月までの4ヵ月間で農山村教育民泊の予約がすでに9校も入っているそうです。
改めて高御堂さんは、「美山町に住んでいる皆さんも、(観光に)来てくれた街の人から『すごくいいところに住んでいるね』と声をかけていただくことで、改めて“地域の宝に気付くことができているな”と日々感じています」と話していました。
私たちが農泊地域に滞在して食事やアクティビティを楽しむことで、さまざまな課題を抱えた農山漁村を応援することになり、農泊は、私たちにとっても、農泊地域の方々にとっても、素晴らしい取り組みと言えます。
最後に影山さんは、「いま、再び“旅をして非日常を味わいたい”という気運が高まっています。農泊は農山漁村の自然や暮らしを楽しむことができる新しい旅のスタイルです。農山漁村があなたを元気にし、気がつけばあなたが農山漁村を力づけている、そんな農泊をぜひ体験してください」と呼びかけていました。
高御堂さんが紹介してくれた美山町の魅力に、足立は「素敵すぎて“行ってみたい!”という気持ちになった(笑)」と声を弾ませます。「ディスカバー農山漁村の宝」で選定された農泊の取り組みが全部で22あることに触れ、「そのすべてに行こうとしたら、私たちにはまだまだ楽しみが残っているんだなって思いました。とても気になったので調べてみたい」と興味を示します。
一方、青木は、私たちが農泊を体験することで、さまざまな課題を抱えた農山漁村を応援することにつながる点に着目。「(農泊を)楽しみながら、地域の課題解決の一助となれば、それはとてもいいことですよね」と話していました。
(左から)青木源太、足立梨花
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聴取期限 2023年6月5日(月) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/collection/