江原啓之「お墓に霊はいません。霊がいるのはあの世です」義父の“遺骨の移動先”に悩む相談者にアドバイス

スピリチュアリストの江原啓之がパーソナリティをつとめ、番組パートナーの奥迫協子とお送りするTOKYO FMのラジオ番組「Dr.Recella presents 江原啓之 おと語り」

今回の放送では、リスナーの皆さまからお寄せいただいた相談メッセージのなかから「遺骨の移動」に関するメッセージを紹介。江原がアドバイスを送りました。

江原啓之



<リスナーからの相談>
来年の夏、義父の遺骨を現在納骨してある九州の義父の実家のお墓から、私たちや義弟の住む中部地方に移動させる予定です。現在は義父の兄妹がお墓の管理してくれていますが、実家自体は消滅しているため義父の遺骨を移動させた後は「墓じまい」をする方向のようです。

義父の遺骨は、私たちが住む家の近くのお寺の納骨堂へ納骨したいと考えているのですが、宗派の異なるお寺が近所にたくさんあり、お寺の規模も大小あります。私たちは特定の宗派を支持しているわけでもなく、選択肢がありすぎて困っています。家から一番近いお寺にするべきか、景観を重視するべきかなど、どういった基準でお寺を選んだら良いか分かりません。

<江原からのアドバイス>
江原:供養というと「家族への愛」のように思われがちですが、それは本当に愛なのでしょうか? 多くの方は、恐れでそれをしようとしていることがあります。祟るまではいかなくとも「こうしたら、おじいさんが怒るんじゃないか?」とか「悪いことが起きるんじゃないか?」とか。これって恐れで、愛ではありません。恐れというのは自己愛です。まず、そこを整理してから、本当の供養が始まります。

次に、宗教があの世をつくっているのではありません。もともとあの世があり、霊的に目覚めたさまざまな方が、さまざまな思想をもとに供養の仕方やあの世の形を示したのが宗教です。宗教によってあの世の示し方や、供養の考え方は違いますよね。つまり、宗教であの世が決まるのではない。そのため「宗旨をどれにしたらいいか」と考えるのは間違っています。まずは自分たちが、そのお寺や宗旨の考え方に賛同できるかどうかを考えましょう。景観で決めるとか、家から近いから選ぶとかではいけません。

奥迫:現世で生きていると、そういうふうに選んでしまう感じもしますね。

江原:そうですよね。誤解を恐れずに申し上げると、あの世があっての宗教だから、宗教に属してなくてもいいんです。「魂がある」とか「亡くなった方は今でも生きている」という思想があれば、別にどこにも属さなくてもいいんですね。

「宗教が何かしてくれる、宗教にすがれば成仏できる」という考えも依存であり、恐れからくるものです。その考えは宗教にも失礼だし、間違いなんです。

今のお墓が遠いから、そちらを墓じまいをして、近いところに持ってくるのは悪いことではありません。ただ、これも誤解を恐れずに申し上げますが、お墓に霊はいません。霊がいるのはあの世です。お墓とか仏壇は、(あの世と現世をつなぐ)アンテナ。

アンテナはご遺影とかでもいいんですよ。これを心霊用語では「サイコメトリー(Psychometry)」といいます。要するに、その人が持っていたものを持って、その人を感じ取る。お墓にはお骨や遺品がありますよね。そういったものを通して、その人につなぎやすいということです。例えば、協子さんが今そこにいて、お父様のことを思えば、もう通じるんですよ。

奥迫:父が旅立ったときから、側にいると感じていました。私のなかに父がいる感覚です。

江原:自分を通して、(あの世と)通じることができるんです。私はよく「自分がお墓になりなさい、それで通じるんだから」と言っています。ということは、そんなにお墓にこだわらなくていいです。行けるときは行けばいい。

ポイントは、「愛」なのか「恐れ」なのか。そこをまず理解することが大事かなと思います。宗教が供養ではないんです。愛なんです。

奥迫:愛ですね!

江原:世の中、お墓を持てない人もいます。だけど「自分の心で考えたら何でもいいよ」という考え方。

奥迫:そうなんですよ。私、自分がお墓に入る人になったら、来てもらうのも嬉しいですけど、心をいつも寄せてくれるのが一番嬉しい。

江原:立派なお墓を建てて毎日行くのに、いつも心のなかは恐れでいっぱいで「あれもお願いね。これもお願いね」ってお墓で言われるのと、なかなかお墓参りに行けないけれど、一生懸命働いていて、心のなかで毎日「お父さん、今日も頑張るね。お父さんのこと忘れないよ」と思ってくれるのでは、どっちがいいか。

奥迫:そりゃあ、後者ですよ! それが一番嬉しい。

江原:だから供養って、形じゃないってことなんです。

奥迫:供養の仕方っていろいろあると思いますけど。教えていただきたいです。

江原:例えば、骨を海に撒く散骨。ただ、みんなが散骨してしまったら海が大変なことになるので、そこまで思い入れを持つのもいかがなものかと思っています。それだったら、エンディングノートなどに「私が死んだあとは好きにしてください」と記しておく。私なら「一番適当なところで構わないので、骨を納めておいていただければ十分です」と書いておきます。

奥迫:なるほど。前に江原さんから樹木葬について伺ったことがありますが、詳しく教えていただきたいです。

江原:最近、流行っているんですよ。お墓を建てるのではなく、綺麗な花壇みたいなところの下にカロート(※お墓のなかの納骨室)みたいなものがあって、そこにお骨を納めます。最近人気で、私はいいなと思っているんです。

奥迫:良いですね。自然に還る気がします。

江原:自分の入っているところの近くに花が咲いて、みんながそのお花を愛でてくれたらいいですよね。

奥迫:素敵ですね。

江原:だから、そういう意味では、あまり供養の形にこだわらないでほしいと思います。協子さんがお好きな沖縄はお墓がすごく大きいでしょう?

奥迫:そうなんです。大きいばかりか、お墓の前に敷地があって、そこに親族がお弁当を持って集まって騒いで楽しい宴をするためなんです。それをご先祖さまが見て喜ぶから……という話を聞いて、おおいに納得しました。

江原:(亡くなった人を思ってお墓の前で宴を開くことは)悪いことではなくて、とても素晴らしいことなんですよ。だから、大きなお家のようなお墓を建てるのは、生きている人たちの気持ちでしょうね。しかし大きさは関係ありません。死に行く者も、残った人への愛。そして残った人も、恐れではなく、本当に亡くなった人を愛する愛。お互いが愛だったら、こんな悩まない。

日本の国土は限られているので、あんまり形にとらわれ過ぎてもいかがなものかなんて思ってしまいますが、やはり宗教でやることも悪くはないんですよ。弘法大師なら御大師様のその気持ちに賛同して……とか、そういう気持ちを持ってやるのならば良いです。ただ、それがないのだとしたら、もっと愛だけで考えられたほうが良いのではないかと思います。

江原啓之、奥迫協子



●江原啓之 今夜の格言
「供養は形ではなく愛なのです」

<番組概要>
番組名:Dr.Recella presents 江原啓之 おと語り
放送日時:TOKYO FM/FM 大阪 毎週日曜 22:00~22:25、エフエム山陰 毎週土曜 12:30~12:55
出演者:江原啓之、奥迫協子
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/oto/

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