小山薫堂&宇賀なつみ 戻した「干ししいたけ」の食感に驚き!「肉厚で満足感がある」「あわびを食べているみたい」

放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。6月4日(日)の放送は、宮崎県高千穂の干ししいたけ専門問屋・株式会社杉本商店 代表の杉本和英(すぎもと・かずひで)さんをゲストに迎えてお届けしました。


(左から)小山薫堂、杉本和英さん、宇賀なつみ



◆実はしいたけ栽培が盛んな宮崎県

しいたけと聞くと、“秋の味覚”とイメージする人が少なくありませんが、「(杉本商店で取り扱っている)「原木栽培の干し椎茸は、一番の収穫期が春なんです」と杉本さん。現在は、「旬のものを採り終わって、一段落したところ」と言います。

収穫期は、春と秋の年2回で「大体、春が8割の収穫と言われています。春に採れたしいたけのことを『春子』、秋に採れるしいたけのことを『秋子』と、昔からそういうふうに呼ばれています」と説明。

杉本さんによると、宮崎県のしいたけは全国で2番目の生産量で「大分、宮崎、熊本の3県で原木栽培のしいたけは(全国の)70%もの生産量を誇っています」と胸を張ります。

しいたけの原木栽培が盛んな宮崎県には、乾燥しいたけ問屋がたくさんあり、「杉本商店の一番大きな違いというと、周りの生産農家さんが、約600軒ありまして、その農家さんたちが栽培して乾燥させたものを私の会社に持ってきていただくんです。その場で現金でお支払いをするというお約束のもと、私の祖父の代からずっと商売をしております」と杉本さん。

◆しいたけの国内市場は、年々厳しい状況に…

宇賀がしいたけの市場について尋ねると、杉本さんは「国内市場だけを考えると、年々厳しい状態が続いています」と回答します。「年末からお正月にかけて需要が集中して、それでなんとか消費を維持できていたのですが、最近は生活のパターンも変わってきていますし、便利な食べ物もたくさん出てきているので、年末の商品という扱いでしか並ばないスーパーも出てきているんですね」と厳しい現状を伝えます。

そして「微かな望みというと、『健康診断で血圧が高い』とか『コレステロールが高い』と言われた方が、“何かからだにいいものはないかな?”と探してしいたけを買ってくださるくらい。大きな伸びを期待することは難しいな、というのが国内の現状です」とも。

◆海外のベジタリアンやヴィーガンからの反響の大きさ

そんな国内市場の現状もあり、杉本商店は海外を新たな販路として見出します。日本郵便のEMS(国際スピード郵便)を活用して、海外へ向けて乾燥しいたけの販売を開始。

「そもそも輸出に詳しかったわけでもないですし、私の会社があるのは九州の本当に山のなかなんですね。何から手をつけていいかもわからない。値段をどう付けていいかもわからなかったときに、日本郵便のEMSというサービスがあることを知って。本当にすごいなと思ったのが、全世界を5つのエリアに分けて、重量ごとにすべて金額が決まっているんです。“5kgの荷物をヨーロッパに出したらこの金額”と叩き台が出せるようになっているので、そこで大きく進んでいきました」と経緯を振り返ります。



しいたけは海外でも栽培されており、英語では「shiitake mushroom(シイタケマッシュルーム)」と呼ばれています。ただ、杉本さんいわく、海外のしいたけは「菌床栽培のしいたけなんですね。日本の江戸時代よりももっと前からの、木を使って栽培する方法のものが、あまり流通していない。海外の生産者と話してわかったのですが、使っている木の違いによって、まったく違うものになってしまうんです」と解説します。

原木栽培と菌床栽培では味と食感が大きく異なり、海外に販売してみて分かったこととして「僕たちもまったく想定していなかったんですけど、『すごい!』と褒め称えてくれる人の多くが、ベジタリアンやヴィーガンの方だったんです。

みなさん、食べるもののなかに何かしらの旨みと食感を探している感じがあったんです。すごく面白いのが、僕たちのしいたけを食べた海外の方は、必ず『meaty(お肉みたい)!』という表現をするんです。おそらく、お肉のような食感だということだと思います」と海外での反響の大きさを語ってくれました。

◆小山&宇賀、戻し汁の味わいにビックリ!

そしてこの日は、“しいたけのプロ”杉本さんに、おいしい乾燥しいたけ(干ししいたけ)の食べ方を教えていただくことに。干ししいたけをおいしくする「唯一の方法は、(干ししいたけを冷たい水に浸して)冷蔵庫で一晩じっくり戻すだけ」と杉本さん。

今回、杉本さんには、干ししいたけを冷蔵庫で一晩戻した戻し汁をスタジオに持参していただきました。塩も何も加えていない冷たい戻し汁を手に取り、宇賀は「いい香り~!」とビックリ。早速口に含んでみると「おいしい! 飲んだ後に、すごく後味がスッキリしますね」と驚きの声を上げます。

小山も「おいしい!」とうなずき、「余韻が口のなかにずっと残っていますね」とその味わいを楽しみます。

そんな2人の様子を杉本さんはうれしそうに眺めながら「どことなくやわらかな甘みを感じると思います。これが非常に大事なんですね。しいたけは乾燥させるときに旨み成分がぐーっと出てくるんですけど、その旨み成分が冷たい水によって抽出されるんですね」と解説。

また、「干ししいたけって、水戻しをしないと食べられないから、やっぱり『面倒くさい』とかいろいろなことを言われるんですけど、そこが実は本当に大事な部分なんです。お湯で戻したり、(電子)レンジで戻したり、お砂糖を入れたり、早く戻す方法はたくさんあるんです。でも、残念なことに“おいしくなくなる”だけなんですよね」と驚きの言葉が。

杉本さんによると、干ししいたけは冷たい水に浸して、およそ5~6時間ぐらいで戻るそう。「時間を測るのが面倒くさい方もいらっしゃると思うので、夜使うんだったら、朝の出勤前に冷蔵庫に入れるとか。朝に使うんだったら夜寝る前に冷蔵庫に入れるとか、そういった使い方がいいと思います」と戻し方のポイントを指南します。

今回、杉本さんに持参していただいた戻し汁は、750mlの水に干ししいたけ4~5個を入れて戻したもの。水の量としいたけの個数の塩梅については「そんなに厳密にやらなくても大丈夫です。ちょっとヒタヒタにして戻していただいて、飲んでいただいて『ちょっと濃いかな』と思ったら水で割っていただくとか、そういう使い方で十分だと思います」と杉本さん。

するとここで、小山からの「戻したしいたけはどうやって食べていますか?」との質問に、「海外の方が(杉本商店の)干ししいたけを食べて一番驚くのは、バターソテー」と回答。

さらにこの日は、ヴィーガンの方でも食べられるようにと、動物性のものを使わず、純植物性の材料だけで作った「ヴィーガン椎茸煮物(精進料理)」を作ってきてくれました。

早速味わってみると、宇賀は「うん、meatyですね! 食感がいいですね、肉厚で満足感があります」と笑顔。小山も「あわびを食べているみたいですね」とその食感に驚いていました。


スタジオに用意されたヴィーガン椎茸煮物



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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/post/

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