俳優・石丸幹二がパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「Grand Seiko THE NATURE OF TIME」(毎週土曜12:00~12:25)。各界で活躍するゲストを迎え、毎週1つのキーワードから“自分を支えている本質”を掘り下げて伺っていきます。2023年6月のマンスリーゲストは、女優の黒木瞳さん。この記事では、黒木さんの芸名の由来について伺った6月10日(土)放送の模様を紹介します。
(左から)石丸幹二、黒木瞳さん
今月は、女優の黒木瞳さんをゲストにお迎えします。宝塚歌劇団に入団後、2年という早さで月組のトップ娘役に抜擢されます。退団後は俳優として、数多くの作品に出演されるほか、映画監督、舞台演出家も務めるなど、エンターテインメントの世界で幅広く活躍されています。そして、今月16日(金)に公開の映画「魔女の香水」にもご出演されます。
◆「黒木瞳」という“芸名”の由来
石丸:黒木さんの芸名は、(出身地の)黒木町(くろぎまち)からとっているんですか?
黒木:そうなんです。宝塚(音楽学校)の本科生の夏休みで“自分で芸名を付ける”という宿題があったんです。それで“どうしようかな”と思っていたときに、ちょうど鳳蘭(おおとり・らん)さんと遥くららさんが「白夜わが愛」という五木寛之(いつき・ひろゆき)先生原作の舞台をやっていらした頃で、私は五木先生の高校の後輩なんですね。
石丸:そうなんですね。
黒木:そのご縁で、(宝塚)劇団の方が「五木先生に(芸名を)付けていただくようにお願いしておくね」とおっしゃっていただいたんですよ。でも“まさか付けていただけるなんて……”と思っていたので。
(八女市には)「黒木の大藤」という樹齢600年の天然記念物の藤棚があるんですけど、そこから「黒木藤子」にしようかなと(考えていました)。だから、もしかしたら「藤子」ちゃんだったかもしれないんですよ(笑)。
石丸:(笑)。でも、(芸名で)「○子」という方はあまりいらっしゃらないですよね。宝塚の方は昔からキラキラネームが多いじゃないですか。
黒木:そうなんです。昔は百人一首から取った天津乙女(あまつ・おとめ)さんとか。でも、百人一首も出つくしちゃって、それでキラキラネームだったり、いろんな名前が流行ってきたんですけれど。
石丸:そうだったんですね。
黒木:そうこうしていたら、夏休みに五木先生の奥さまから電話がありまして、「黒木瞳というのはどうでしょう?」と言われて、“あ、「黒木」は一緒だ”と思って。
石丸:「瞳」というのは、ご自身のお名前にもあるんですか?
黒木:いえ。先生はロシア文学もやっていらっしゃるんですけど、「黒い瞳」という(ロシアの)歌があるんです。それで“黒”とくれば“瞳”だろうということで。
石丸:ゴロが良かったというか。
黒木:はい。ということで、「黒木瞳はいかがですか?“ひとみ”はひらがなでも漢字でも良いですよ」と仰っていただきました。それで、私の父の姉にあたる人が、3歳くらいに病気で亡くなっているんですけど、その人の名前が「瞳」さんだったんですよ。“これも何かのめぐりあわせかな?”と思い、漢字の「瞳」にしました。
石丸:では、(もしかしたら)お父さまはお姉さまが戻ってきたような、そばにいるような気持ちになったかもしれませんね。
黒木:そうですね。だから「瞳」はすごく大切な名前だと思っています。
◆目でも楽しめる朗読劇
石丸:黒木さんは、6月13日(火)~15日(木)に紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで上演される朗読劇「ルビンの壺が割れた』で初めて脚本を手掛けており、もちろん出演もされます。
黒木:今回は“ただ読む”というだけではなくて、ゆるかわふうさんというアーティストがいらっしゃるんですけど、世界初の“光彫り”という技術を持っていらっしゃるんです。
それで「ルビンの壺(1915年頃にデンマークの心理学者エドガー・ルビンが考案した多義図形のひとつ)」というのは、見方によっては壺にも見えるし、人の顔にも見えるんですよね。
石丸:外側の壺のふち部分が人に見えるんですよね。
黒木:はい。それで、その方に壺を彫ってもらって、後ろから光をあてるんです。それを照明で当てて、どちらにでも見えるように工夫をしたりとか、(振付師の)ラッキィ池田さんにちょっと手伝ってもらって、素敵なステージングにしていただいたり、そういうところでも皆さんに楽しんでいただこうと。
石丸:じゃあ、耳だけではなく、目でも?
黒木:はい、楽しんでいただこうかなと。
石丸:楽しそう! これは何人で読むんですか?
黒木:男と女、あと案内役の語り部が1人の計3人です。
石丸:先ほど、黒木さんが脚本家デビューをされたと言いましたけれど、作家の宿野かほるさんの長編小説(『ルビンの壺が割れた』(新潮文庫))が原作となっています。
黒木:この作品は口コミだけで広がって、20万部も売れたという小説なんですけれど、ちょっと衝撃的な作品なんです。
石丸:どのあたりがですか?
黒木:ルビンの壺って、見方によっては壺にも見えるし、人の顔にも見える。だから、(それと同じように)人って何を見るか、どこを見るかによって気持ちが変わってくるじゃないですか。そういうお話なんです。
すでに原作をお読みになっている方もいらっしゃると思いますけど、お読みになっていない方は、ぜひ先に朗読劇を聴いていただいて、その後に原作を読まれると倍で楽しめると思います。
----------------------------------------------------
▶▶この日の放送内容を「radikoタイムフリー」でチェック!
聴取期限:2023年6月18日(日) AM 4:59 まで
スマートフォンは「radiko」アプリ(無料)が必要です。⇒
詳しくはコチラ
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
----------------------------------------------------
<番組概要>
番組名:Grand Seiko THE NATURE OF TIME
放送日時:毎週土曜 12:00~12:25
パーソナリティ:石丸幹二
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/nature/