松木安太郎が語る“ワールドカップと日本代表”の歴史「“ワールドカップで何を魅せるか”という時代に変わってきた」

藤木直人、高見侑里がパーソナリティをつとめ、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMのラジオ番組「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」(毎週土曜 10:00~10:50)。6月10日(土)の放送は、サッカー解説者の松木安太郎(まつき・やすたろう)さんをゲストに迎えて、お届けしました。


松木安太郎さん


1957年生まれ、東京都出身の松木安太郎さんは、小学4年生のころに現在の東京ヴェルディの母体である読売クラブに入団。16歳でトップチームに昇格し、読売クラブでは1983年の日本リーグ初優勝をはじめ、数々のタイトルを獲得。

日本代表としても、ワールドカップメキシコ大会の予選やアジア競技大会、ソウルオリンピック予選などに出場し、1990年に現役を引退。その後、読売サッカークラブのユースチームの監督、トップチームのヘッドコーチなどを経て、Jリーグ開幕元年の1993年に35歳でヴェルディ川崎(現:東京ヴェルディ)の監督に就任。チームを初代Jリーグチャンピオンに導いています。

◆W杯は“何を魅せるか”という時代に

藤木:1993年にJリーグができて、1998年のフランス大会で初めて日本はワールドカップに出場しましたが、松木さんが現役だった頃のワールドカップはどんな存在でしたか?

松木:やっぱり“遠い存在”ですよ。それまで(1998年大会以前)は、アジアの出場枠が少なかったんです。しかも、東アジアで1チームのみ、中東アジアで1チームのみという制限があったので、そのグループのなかで1位にならないと(ワールドカップに)出場できない時代だったんです。

僕らの時代は、1986年メキシコのワールドカップの予選で決勝まで進んだんですけれども、最後で(東アジアの)1チームに入れずに、ワールドカップに行けなかった。1994年アメリカ大会の最終予選で勝てなかった「ドーハの悲劇」も。

このように、それまで出場国の枠数で相当苦しめられてきたんですけど、1998年のフランス大会から出場国数が増え、それに伴ってアジアの枠が増えたおかげで、日本は出場することができるようになりました。

そして、次(2026年)のワールドカップからは、さらに増えて48チームになりますから、そういった意味では(“出場すること”が目標ではなく)ワールドカップに出場して“何を魅せるか”という時代に変わってきたなと思います。

藤木:JFA(日本サッカー協会)は、2050年までにワールドカップの優勝を目指すと言っています。

松木:どうですかね(笑)。でも、ヨーロッパの大会やコパ・アメリカという南米の大会、アジアカップなど、各大陸に(大会が)ありますけど、ヨーロッパや南米でおこなわれる大会は、「ワールドカップで勝つよりも大変だ」と言われているんですよね。

藤木:ワールドカップは予選があって出られない国もあるけど、もっと強い国もたくさんあるということですよね。

松木:(ヨーロッパや南米の強豪国でも)アンラッキーで出られない国があります。一方、アジアにも出場枠があるから、アジアのチームもワールドカップに出ることができます。

しかし、アジアやアフリカ、オセアニアのチームは、ヨーロッパや南米などの国に比べると、まだまだ力は落ちます。そういうチームがワールドカップに出場するので、ヨーロッパや南米のチームは「ワールドカップのほうが勝てるチャンスがある」と言っているんです。

でも、日本もようやくそういう時代になってきたじゃないですか。(昨年のワールドカップでグループステージを突破したように)アジアの国でも勝てるチャンスが出てきている。だからやっぱり、世の中が変わってきていますよね。

次回6月17日(土)の放送も、引き続き松木安太郎さんをゲストに迎えてお届けします。

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聴取期限 2023年6月18日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/

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