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大雨特別警報の解除後に“川が氾濫”するケースも…確認しておくべき「洪水の警戒点」を解説

手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。6月10日(土)の放送では、河川の氾濫による「洪水の警戒点」について取り上げました。


※写真はイメージです



6月2日(金)~3日(土)にかけて、台風や前線の影響で東日本や西日本の太平洋側を中心に“線状降水帯”が相次いで発生するなど、激しい雨が降り続き、東海や関東、近畿などでも記録的な大雨となりました。

この大雨の影響で、石神井川(しゃくじいがわ)や善福寺川(ぜんぷくじがわ)など、都内の7つの川で、一時、氾濫危険水位に達しました。そこで今回は、川の氾濫による“洪水の警戒点”について紹介します。

まず、洪水の危険度を知るために、気象庁が提供している「キキクル(危険度分布)」を活用しましょう。そこで、画面右上に出てくる「洪水害(洪水キキクル)」のアイコンを選択すると、あなたが住んでいる近くの川の危険度を色で確認することができます。

そのとき、氾濫の危険性が高くなっている箇所が紫色で示されているので、家の近くに紫色で表示されている川があれば、すぐに安全な場所に避難、もしくは、避難場所まで移動するのが危険な場合は、垂直避難(2階以上のなるべく高層階へ移動する避難方法)をおこないましょう。

また、高齢の方や小さいお子さんがいる家庭は、移動に時間がかかる場合がありますので、赤く表示されている川がある時点で避難しましょう。

また、家の近くにハザードマップにもないような中小河川などがある場合、自宅と川の位置関係を確認してみてください。そして、自宅の位置が川の堤防や橋よりも低い場所にある場合、浸水する可能性があります。

中小河川は川幅が狭く匂配が急なため、短い時間で水位が急激に上昇するのが特徴です。洪水が発生すると、大量の土砂や流木とともに住宅などを押し流す恐れがあります。2017年の「九州北部豪雨」では、山間部の中小河川を中心に土石流や氾濫が相次ぎ、大きな被害が出ました。

都心を流れる川も、幅が狭いうえに川底などがコンクリートに覆われていることも多く、短時間で急激に水位が上昇します。大雨が予想されているときや大気の状態が不安定になったときは、川から離れることが大切です。

また、大きな川では、堤防が決壊して氾濫が起きると、大量の水が一気に流れ出して住宅を押し流してしまうなど、広範囲で長期間浸水する危険があります。

2015年の関東・東北豪雨では、茨城県で鬼怒川(きぬがわ)の堤防が決壊し、常総市では多くの住宅が流され、5,000棟以上が全半壊しました。

大きな川の場合には、川を管理する国や都道府県が気象台と連携し、氾濫の危険が高くなると「氾濫危険情報」を出します。これが出たときには、自治体などの情報に注意して、早めに避難することが重要です。

また、大きな川は水が流れるのに時間がかかるため、住んでいる地域で雨が止んだ後も、時間差で水位が上昇することがあります。実際に2019年の台風19号では、阿武隈川(あぶくまがわ)が大雨特別警報の解除から9時間20分後に氾濫しました。

自分の住んでいる地域の雨量だけでなく、川の上流の雨量にも注意し、自治体から避難情報が出ているあいだは、安全な場所での避難を続けましょう。

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<番組概要>
番組名:防災FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/bousai/

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