伝統芸能・人形浄瑠璃文楽 直面している「担い手問題」…太夫・豊竹靖太夫SNSと格闘中?

放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。6月11日(日)の放送は、人形浄瑠璃文楽の太夫 豊竹靖太夫(とよたけ・やすたゆう)さんをゲストに迎えてお届けしました。


(左から)小山薫堂、豊竹靖太夫さん、宇賀なつみ



◆豊竹靖太夫が語る「文楽」の魅力とは

ユネスコの無形文化遺産に登録されている伝統芸能の人形浄瑠璃文楽。小山はこれまで1度も観たことがなく、宇賀も数回観たことがある程度ということで、まずは豊竹さんに文楽について伺うことに。

豊竹さんは「文楽というのは江戸時代にできた人形芝居で、人形浄瑠璃文楽というのが正式な名称なんですけれども、もともとは人形を操ってお芝居をする芸能と、また別に音曲としておこなわれていたものが合体して、人形浄瑠璃という1つの芸能になったんですね」と解説します。

さらに「人形浄瑠璃文楽の“文楽”というのは、人形浄瑠璃は日本中にいっぱいあるんですけども、1つの座のグループ、劇団の名前と思っていただけたらよろしいかと思います。江戸時代から続いており、プロとしてずーっと続いているのが、この人形浄瑠璃文楽なんです」と説明します。

ここで小山からは「“太夫の豊竹靖太夫さん”とご紹介しましたけど、“太夫”は何ですか?」と質問が。豊竹さんは「物語を伝えるのが太夫の仕事です。ただ、厳密には我々は“語り”と言います」と回答。

豊竹さんによると、太夫、三味線、人形の3つの職種から1つの舞台ができており「太夫は太夫しかやりませんし、三味線は太棹三味線しか弾きませんし、人形は人形しか使いません。最初は頭と右(手)を持つ人、これが一番の人形遣いのリーダーで“主遣い(おもづかい)”という人です。次に左手を動かす“左遣い”という人がおり、最後に足を操る“足遣い”。この3人で1体の人形を遣っています」と補足します。

宇賀が「どういった内容の物語があるんですか?」と尋ねると、「文楽の作品は、大きく分けて“時代物”と“世話物”という2つに分けられます」と豊竹さん。

「時代物は江戸時代にできた作品です。江戸時代から見た昔のお話、江戸時代の人にとっての時代劇のようなものですかね。世話物で一番代表的なものが世話物の始まりと言われている、近松門左衛門の『曽根崎心中』というのがありますけれども、これは江戸時代の人にとっての現代劇ですね」と話します。

数ある古典芸能のなかでも、文楽の一番の魅力について問われると、豊竹さんは「人形はそのまま置いていたら、何の魂も宿っていなくて“ポツン”と立っているだけなんですけど、それを舞台に上げて義太夫と人形遣いが一緒になったときに、人間以上にお客さんに何かを伝えられる。そういう可能性がすごくありますよね。人形だから伝えられるものがあると思うんです」と力を込めます。

そんな文楽の世界で現在直面しているのが、担い手の問題。文楽の研修生を毎年募集しているものの、「今年度は研修生の応募がなかったので、ちょっと悲しい状態でしたね」と豊竹さん。

Twitterなどを活用して情報を発信しているそうですが、「SNSは自分の興味のあるものが(アルゴリズムで)表示されてしまいますから。まったく知らない人に“どうやって届けたらいいのかな”と、それをいま悩み中ですね」と本音を吐露します。

豊竹さんが文楽の世界に入ったときは、研修生の年齢制限は23歳でしたが、「(現在も)原則としては同じですが、だいぶ緩くなっています。(年齢的なものは)大丈夫ですので、気にせずに応募していただきたいなと思います」と呼びかけます。

年齢制限が緩くなってきているとはいえ、修業期間なども考えると「(年齢制限は)30歳くらいまでじゃないですかね」と述べたうえで「(もし文楽の世界に入りたい人がいれば、国立文楽劇場に)まずはお電話ください」と話していました。

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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/post/

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