Jリーグ誕生から30年…松木安太郎がJリーグ発足当時を回顧「サッカーと言われてもご存知ない方が多かった」

藤木直人、高見侑里がパーソナリティをつとめ、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMのラジオ番組「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」(毎週土曜 10:00~10:50)。6月10日(土)の放送は、サッカー解説者の松木安太郎(まつき・やすたろう)さんをゲストに迎えて、お届けしました。


(左から)藤木直人、松木安太郎さん、高見侑里


1957年生まれ、東京都出身の松木安太郎さんは、小学4年生のころに現在の東京ヴェルディの母体である読売クラブに入団。16歳でトップチームに昇格し、読売クラブでは1983年の日本リーグ初優勝をはじめ、数々のタイトルを獲得。

日本代表としても、ワールドカップメキシコ大会の予選やアジア競技大会、ソウルオリンピック予選などに出場し、1990年に現役を引退。その後、読売サッカークラブのユースチームの監督、トップチームのヘッドコーチなどを経て、Jリーグ開幕元年の1993年に35歳でヴェルディ川崎(現:東京ヴェルディ)の監督に就任。チームを初代Jリーグチャンピオンに導いています。

◆Jリーグ誕生から30年!

藤木:Jリーグが開幕して今年で30周年、松木さんはJリーグの初代優勝監督なんですよね?

松木:Jリーグの年間チャンピオンということで、(Jリーグが発足した)1年目と2年目は優勝させていただきました。

藤木:30年前、1993年のサッカーはどのような感じだったのですか?

松木:やっぱり、プロスポーツといえば野球が第一でした。テレビでも野球の放送が多くて、スポーツニュースもほとんど野球という時代でしたから、(当時は)サッカーと言われてもご存知ない方が多かったですね。

ちょうどその頃から、僕の解説もそうですけど、“サッカーを観ていない方に、いかにサッカーに興味を持ってもらえるか”ということを考えながらやっていました。

そして、プロリーグになったと同時に、状況がガラッと変わるわけです。現場サイドも、30年前の開幕当初は、相当大変な思いをされた方が多かったと思いますね。“(サッカーの試合を)観に行く”という部分では、まだまだ知名度がなかった時代ですから。

藤木:(日本サッカーが)“プロ化される”となったときは、選手間ではどんな反応があったんですか?

松木:東京ヴェルディの前身である読売クラブは、プロ化を目指していましたから、選手のほとんどが契約選手という形で、全員が“プロになる”という思いを持っていたので、我々のチームにとってはすごくうれしい気持ちでしたね。

藤木:開幕は1993年ですが、実際にプロリーグが立ち上がると聞いたのは何年ぐらい前になるんですか?

松木:僕が引退してすぐ、1990年にワールドカップのイタリア大会があったのですが、当時の日本リーグ各チームのコーチと監督、もしくは指導者にあたる人たちを集めて、1ヵ月間、勉強がてら現地に視察に行ったんです。

ACミランなど、イタリアのビッグチームのスタジアムやクラブハウスに行って“こんな作りをしているのか”と、いろいろなことを勉強しながらワールドカップを観戦しました。あの頃から、すでに(プロ化に向けた)動きがあったんだと思います。

藤木:そしてJリーグが立ち上がると、社会現象にまでなりましたよね?

松木:それまで、社会人チームとして活動していた方たちは、(プロ化となる前は)半分(所属している企業で)仕事をしていたわけじゃないですか。でも、僕らはずっと、読売クラブの頃からプロを目指してサッカーだけをする契約でやってきましたから、考え方や毎日の生活の流れは(Jリーグ発足前と)それほど変わらなかったです。だけど、とにかく周りの反応というか、変わりようがすごかったんですよ!

特にヴェルディなんて、練習場で練習するとファンがバンバン来て、“こんなに変わっちゃうのか!”と思うくらい、我々もびっくりしました。

藤木:Jリーグの立ち上げのときには、海外から有名選手がたくさん来日しましたよね。

松木:世界のプロフェッショナルな選手たち、ベテランの選手たちは、新しいリーグが始まると“自分の(選手人生の)晩年をそこで活躍したい”と思うわけですよ。スペインのアンドレス・イニエスタ選手も日本のチーム(ヴィッセル神戸)に来てくれましたよね(今年の7月に退団予定)。

ちなみに、監督をやっていた当時は、各国の有名選手のプロフィールがFAXでどんどん入ってくるんです“こんな選手はどうですか?”と。それで“プロリーグができると世界がこんなに動くんだ”ということも実感しましたね。

藤木:またそれで、日本のサッカーのレベルもグッと上がりました?

松木:上がったと思います。プロとしての心構えだったり、トレーニングの仕方だったり。それに、プロになれば、ワールドカップにも出場しなくちゃいけないし、良い試合をしなければならない。そういう責任感は、選手もコーチも持っていたと思います。

次回6月17日(土)の放送も、引き続き松木安太郎さんをゲストに迎えてお届けします。

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聴取期限 2023年6月18日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/

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