“VRイベント”で来場者「100万人」超え! HIKKY代表取締役CEO舟越靖「“商品を宣伝する場”ではなく、来てくれた人に楽しんで帰ってもらう場」

笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。6月17日(土)の放送は、株式会社HIKKY 代表取締役CEOの舟越靖(ふなこし・やすし)さんをゲストに迎え、お届けしました。


(左から)舟越靖さん、笹川友里


舟越さんは、大手通信会社を退職後、長年の夢だったクリエイティブ分野へ進出。2018年にはVR(Virtual Reality・仮想現実)コンテンツの制作・開発ソリューションを提供するVR法人HIKKY(ヒッキー)を設立し、世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット」を主催。また、独自のメタバース(仮想空間)エンジンを開発・提供するなど、 新時代におけるメタバースソリューションの提供、メタバース参入コンサルティングを実施しています。

◆世界最大規模のVRイベントを主催

HIKKYを起業した2018年から、主幹事業としてVRイベント「バーチャルマーケット」を主催。国内外からたくさんの企業やクリエイターが参加し、現在は来場者が100万人以上も集まる規模にまで成長しています。舟越さんは、「出展する側である企業、クリエイター、そしてイベントに集まるファンの三位一体で楽しめるのがポイント。そこを大事にして成長してきました」と話します。

さらには、「『バーチャルマーケット』は“商品を宣伝する場”ではなく、来てくれた人に楽しんで帰ってもらう場です」と声を大にします。そして、その理念に賛同した企業が出展しているため「“お客さんに商品を売り込む”という視点はまったくなく、自分たちの製品を見てもらうために“来てくれたお客さんをいかに楽しませるか”という点に注力してもらっている」と言います。

その結果、「楽しんで帰った人たちは“企業に売り込みをされた”ということを感じないで、“楽しませてくれた製品・メーカー”として認識するので、その後、ファンになってくれたり、その製品を口コミで広げてくれたりするんですよね」と語ります。

◆メタバース市場が拡大したきっかけ

世界で見ても100万人規模のVRイベントはそんなになく、「僕らが一番最初にバーチャルイベントを仕掛けましたが、まさかここまで大きくなるとは思わなかったです(笑)」。と舟越さん。そこで、メタバース市場におけるここ4、5年の動きについて伺うと、「(起業した)2018年の頃は、市場自体がないので本当に“ゼロ”の状態でした」と舟越さん。

続けて、市場が拡大した要因に“SNS”の存在を挙げ、「素晴らしいものを『素晴らしい』と言える時代なので、それで(メタバースが)トレンドになったりして、皆さんに知っていただける機会があったんです。それが(「バーチャルマーケット」の)第1回で感じて、そのときに“これは2回目を開いたら大変なことになるぞ!”と直感で分かったので、(第2回に向けて)企業さんに(参加を)訴えかけたところ、どんどん広まっていきました」と語ります。

◆VR体験がもっと身近な存在へとなるために…

VRゴーグルやVRヘッドセットは、まだまだ一家に1台という状況には至っていませんが、メタバースがもっと普及するために必要なこととして、“敷居の高さ”を課題に感じていたという舟越さん。

というのも、女性に人気のあるアイドルのアバターが登場した際、Webサイトには瞬時に数万単位のアクセスがあったにも関わらず、多くのファンの方々がバーチャル空間に入ることができなかったという苦い経験があり、「用意したコンテンツはものすごく良かったのに、非常に申し訳なかった」と振り返ります。

そのときの失敗を糧に、HIKKYはスマートフォンでURLをクリックするだけでバーチャル空間を楽しめるようなコンテンツを制作。これにより、「VRヘッドセットをつけたときのバーチャル体験よりは精度が落ちるが、ハマってもらう入口を作るために、アプリをダウンロードしなくても(バーチャル空間で)コミュニケーションが取れたり、アバターを作るのが簡単にできるようにしました」と舟越さん。

さらには、「(VR体験は)絶対に楽しい。でも、(VRゴーグルやVRヘッドセットを装着するなど)そこにいくまでのハードルが大変なだけなんです。僕たちは、その障害をどうやって乗り越えるかを考えて(製品やサービスを)たくさん作っています」とも。

最後に“VR”の敷居を低くするための考えとして、「スマートフォンが出たときに開発された“アプリ”は、何百万ダウンロードされても一銭にもならないような時代もあったのですが、その後、ガチャなどのゲームサイクルの発明があり、ユーザーが当たり前のように課金するようになりました。

そういう流れをメタバースでも作らなければならない。それはHIKKYだけではなく、メタバースに関連する企業は、それを作り出さない限り、この市場はこれ以上大きくならない。そこに注力しないと、やっていても無意味になってしまう」と力を込めます。

メタバースに関連する企業が開発を競争し合うことこそが、メタバース市場の成熟につながるとし、「HIKKYはクリエイターとの共存がすべて。彼らにコミットするようなことをこれからもやっていくだけです」と話していました。

次回6月24日(土)の放送は、アステリア株式会社 代表取締役CEO平野洋一郎(ひらの・よういちろう)さんをゲストに迎えてお届けします。アステリア株式会社が手がけるサービスやノーコードツールの開発についてなど、貴重な話が聴けるかも!?

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聴取期限 2023年6月25日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/podcasts/futurepix/

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