黒木瞳「“禁断の扉を開ける”というか…」詩にハマるきっかけとなった谷川俊太郎の詩集とは?

俳優・石丸幹二がパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「Grand Seiko THE NATURE OF TIME」(毎週土曜12:00~12:25)。各界で活躍するゲストを迎え、毎週1つのキーワードから“自分を支えている本質”を掘り下げて伺っていきます。2023年6月のマンスリーゲストは、女優の黒木瞳さん。この記事では、黒木さんが長年書き続けている“詩”について伺った6月17日(土)放送の模様を紹介します。


(左から)石丸幹二、黒木瞳さん


今月は、女優の黒木瞳さんをゲストにお迎えしています。宝塚歌劇団に入団後、2年という早さで月組のトップ娘役に抜擢されます。退団後は俳優として、数多くの作品に出演されるほか、映画監督、舞台演出家も務めるなど、エンターテインメントの世界で幅広く活躍されています。そして、今月16日(金)公開の映画「魔女の香水」にも出演しています。

◆“詩”に興味を持ったきっかけは?

石丸:このサロンでは、人生で大切にしている“もの”や“こと”についてお伺いしております。今回はどんなお話をお聞かせくださいますでしょうか。

黒木:今回は“ポエム”についてです。

石丸:ポエムというのは“詩”のことですよね?

黒木:そうですね。

石丸:黒木さんにとって、なぜ大事なのですか?

黒木:ずっと書き続けているということもあるんですけれど、私は読書が大好きで、小学6年生のときに、小学校の図書館の本を全部読んじゃったんですよ。

石丸:え~!? すごい!

黒木:(学校で)読むものがなくなってしまったときに、ちょうど町の開発センターに図書館ができたんです。それで行ってみたら、谷川俊太郎さんの「愛について/愛のパンセ」という詩集があったんです。

12歳って、まだ愛というものを知らないじゃないですか。それを読んだときに“大人の階段をのぼる”というか“禁断の扉を開ける”というか……そんなイメージがして、“愛ってすごい。谷川俊太郎さんってすごいな”と思って。

その後も、谷川俊太郎さんの「二十億光年の孤独」とかを読んでいたら、“詩”って、フランツ・カフカ(の「変身』)じゃないですけど、(詩のなかでは)老人でも、宇宙人になっていても良いんですよ。(谷川俊太郎さんがつくる)“空想の世界”というのがものすごくて、“自分でも書いてみよう”と思って、12歳のときからずっと書き続けています。

◆昨年に「第四詩集」を発売!

石丸:では、今までいろんな詩を書きためていらっしゃるのですか?

黒木:はい。宝塚を辞めてから第一詩集(『長袖の秋』)、第二詩集(『夜の青空』)、第三詩集(『恋のちから 愛のススメ』)を出して、そこで止まっていたんです。なぜかというと、詩の言葉が自分のなかから出てこなくなったということと、エッセイを書く機会が増えて、詩を書く気持ちになれなかったんですが、昨年にやっと“書いてみたい”という気持ちになって、第四詩集(『夢の水たまり』)を出しました。

石丸:「書く気持ちになった」とおっしゃいましたけど、どういうときに(詩が)浮かんでくるのですか?

黒木:10~20代のときは、言葉が溢れんばかりに出てきたので、それをダーッと書いていたんですよね。それで30(歳)で結婚したときは、ちょっと幸せだったんです(笑)。

石丸:なんだか、それまでは幸せじゃなかったみたいな……(笑)。

黒木:そういうわけではないんですけど(笑)。詩って少しネガティブなほうが書けるんですよ。

石丸:なるほど。

黒木:詩を書くことで、ネガティブな気持ちを払拭して前向きな気持ちになるというか、心のバランスを取っていたんだなと。ですので、やっぱり(結婚して)幸せだったんでしょうね。それでちょっと遠ざかっていたんですけど、昨年になって“やっぱり詩はずっと書き続けていきたいな”と思って。

石丸:「ネガティブ」と仰いましたけど、何か(また書き始める)きっかけはあったのですか? 満たされなくなった部分が自分のなかで見つかったとか?

黒木:いえ、よく「書くことがなくなったときに書けるのがプロだ」と言われていたので、何かネガティブなことがあったわけではなく、ふと“書けなくなったときに、私に何が書けるんだろう”と思ったんです。

石丸:新たなチャレンジを自分に課したわけですね。一生懸命に“何が湧いてくるんだろう”と、待っているなかで言葉が浮かんできたのですか?

黒木:そんな感じでした。

石丸:黒木さんの言葉から、泉にまた水がとうとうと湧き出してきたようなイメージを受けました。言葉を連ねているうちに、新たな自分は見つかりましたか?

黒木:やはり、“自分を励ます”というか……詩は制約がないので何行でも良いですし、どんな感じでも良いんですけど、それによって“自分が前に歩ける”というか。

私の詩を読んでくださった方が、何を感じて何を思われるかはまったく分からないんですけど、何か心の琴線に触れるフレーズがあるのではないかという気持ちで(書きました)。

石丸:自分のなかでいろんな想いが言葉として浮かんできたものが、そこに連ねられていると。だから“これが今の黒木瞳です”ということなのですかね?

黒木:そうですね。うまくまとめていただいてありがとうございます。

石丸:この本は、今の黒木さんを知るうえで一番大事なものかもしれないですし、一番素敵なものかもしれないですね。

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聴取期限:2023年6月25日(日) AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:Grand Seiko THE NATURE OF TIME
放送日時:毎週土曜 12:00~12:25
パーソナリティ:石丸幹二
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/nature/

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