黒木瞳“宝塚音楽学校”は記念受験だった!?「親からも『公務員しかダメ』と言われていたので…」

俳優・石丸幹二がパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「Grand Seiko THE NATURE OF TIME」(毎週土曜12:00~12:25)。各界で活躍するゲストを迎え、毎週1つのキーワードから“自分を支えている本質”を掘り下げて伺っていきます。2023年6月のマンスリーゲストは、女優の黒木瞳さん。この記事では、宝塚音楽学校を目指した経緯を伺った6月3日(土)放送の模様を紹介します。


(左から)石丸幹二、黒木瞳さん


今月は、女優の黒木瞳さんをゲストにお迎えしてお届けします。宝塚歌劇団に入団後、2年という早さで月組のトップ娘役に抜擢されます。退団後は俳優として、数多くの作品に出演されるほか、映画監督、舞台演出家も務めるなど、エンターテインメントの世界で幅広く活躍されています。そして、今月16日(金)に公開の映画「魔女の香水」にも出演されます。

◆アンドレとオスカルのすべてにひと目惚れ

石丸:このサロンでは、人生で大切にしている“こと”や“場所”についてお伺いしております。今回はどんなお話をお聞かせくださいますでしょうか?

黒木:今日は「宝塚時代」についてです。

石丸:黒木さんと言えば、宝塚(歌劇団)の娘役ですよね。ただ、僕は(その舞台を)観れていないんですけれども(笑)。

黒木:(笑)。

石丸:そもそも、宝塚を目指されたきっかけは?

黒木:中学時代は映画をやりたくて女優になりたかったんですけど、福岡の田舎で生まれ育ったので、どうやったら女優になれるのかが分からなかったんです。それでまず、高校で演劇部に入りました。

演劇って、映像と違ってステージに立つじゃないですか。だから“舞台を観なきゃ”と思っていた高校1年生のときに、福岡で宝塚の『ベルサイユのばら』の公演があったんです。それで拝見したら、あの夢のような世界が……考えられます? 金髪の縦ロールですよ。

石丸:そうですよね(笑)。

黒木:輪っかのドレスですよ。そして、女性の方が男役を演じるんですよ! アンドレとオスカルのすべてにひと目惚れしてしまいました。

石丸:じゃあ、そのときに“私はここに行きたい!”と?

黒木:いえいえ、だって“行けない”と思いましたもん。“あんな人たちは、霞を食べて生きていらっしゃるのだろう”と(笑)。

石丸:ハハハ(笑)。

黒木:そんな夢の世界ですから、“私なんて足元にも及ばない”ということで、そのまま高校で演劇を続けていたんですね。

石丸:3年間ですか?

黒木:はい。親にも「公務員しかダメ」と言われていたので、音大に行って音楽の先生になって演劇部の顧問をやろう、なんて思っていたんです。

石丸:そういう制約があったんですね。

黒木:そうなんです。それでも、“一応、電話だけはしてみよう”と思って。宝塚音楽学校に電話をして、願書を(自宅に)送っていただいたんです。

石丸:なるほど。

黒木:そうしたら、入試要項に「18(歳)まで」ってあって。

石丸:私も初めて聞いたんですが、宝塚音楽学校って、(受験できるのが)限られた期間なんですよね。

黒木:15~18歳までなんですよ。

石丸:そのあいだであれば、いつ受けてもいいんですよね?

黒木:はい、(その期間内であれば)4回まで受けても良いんです。

石丸:それでも、黒木さんの場合は(年齢制限の関係で)後がなかったと?

黒木:“高3で最後なんだ”と思って、もちろん大学の受験勉強もしながら、自分の夢の終止符として願書だけは出しておこうと、当時のボーイフレンドに受験料の1万円を借りまして願書を出したんです(笑)。

その後、大学は合格したのですが、宝塚の受験まで1週間あったので、そこで初めてクラシックバレエを習いに行ったんです。

石丸:え!?

黒木:(笑)。音大志望だったので、歌とかはやっていたんですけども、バレエというものをやったことがなかったので。

石丸:バレエって、1週間で習得できるものなんですか?

黒木:できません(笑)。でも“夢の終止符だ”と思っていたので、受験を受けるまでがすごく楽しかったんです。

石丸:そうなんですか?

黒木:合格できるなんて思っていないじゃないですか。「宝塚の街にいる」「宝塚音楽学校にいる」ということ自体が、楽しくてしょうがなかったです。

石丸:じゃあ、バレエが未経験でも、黒木さんにある何か(光るもの)を見て、“この人を迎えよう”ということがあったんですね。

黒木:ただ、自分で言うのもなんですけども、運動神経は良かったんですよ。

石丸:なるほど。

黒木:運動神経だけで動いていたんです。

石丸:すごい! じゃあ、ちゃんと様になっていたということですよね?

黒木:様になっていないんですよ。ただ、楽しくてしょうがないから、笑顔だけは(常に)満面の笑みで。そのときの1年上の本科生が安寿ミラさんで、ダンスの振り付けのお手伝いにいらしたんです。

だから、安寿さんに「受験のときの私(黒木さん)のダンスがあまりにもヘンテコで……だけど“カーッ”て笑っていたあの笑顔が忘れられない」と会うたびにおっしゃいます(笑)。

石丸:(笑)。皆さんの脳裏に笑顔が刻まれたということですよね。

黒木:ただ楽しかったから、踊れるなんて思っていないから。

石丸:とは言え、ちゃんと踊ったんですよね?

黒木:いえ、踊っていない、動いただけです(笑)。

石丸:(笑)。

黒木:宝塚(音楽学校)に入れてくださった先生方には本当に感謝しています。宝塚に入っていなかったら、今こうやって石丸さんともお話しができていませんから。

石丸:そんな、何をおっしゃいますやら。

<番組概要>
番組名:Grand Seiko THE NATURE OF TIME
放送日時:毎週土曜 12:00~12:25
パーソナリティ:石丸幹二
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/nature/

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