“16年連続シェアナンバーワン”のツールを開発!アステリア株式会社 代表取締役社長/CEO平野洋一郎「“未来のニーズ”に応える必要がある」

笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。6月24日(土)の放送は、アステリア株式会社 代表取締役社長/CEOの平野洋一郎(ひらの・よういちろう)さんをゲストに迎え、お届けしました。


(左から)平野洋一郎さん、笹川友里



熊本県出身の平野さんは、熊本大学を中退し、ソフトウェア開発ベンチャー設立に参画。1987年からロータス株式会社(現:日本IBM)でのプロダクトマーケティングおよび戦略企画の要職を歴任し、1998年にインフォテリア(現:アステリア)株式会社を創業。2007年に東証マザーズに上場。

また、2008年~2011年には、本業の傍ら青山学院大学大学院にて客員教授として教壇に立ち、2023年4月、京都大学経営管理大学院の特命教授に就任しました。

◆時代の先のニーズを読むために必要なこと

アステリアは、企業内の多種多様なコンピュータやデバイスをつなぐソフトウェアやサービスを開発・販売しており、これまで、企業データ連携ツールの国内ソフトウェア市場で16年連続シェアナンバーワン(出荷数量ベース)を獲得している「ASTERIA Warp(アステリア ワープ)」をはじめ、モバイルアプリ作成ツール「Platio(プラティオ)」、ノード統合プラットフォーム「Gravio(グラビオ)」など、さまざまなサービスを生み出しています。

平野さんによると、日本国内にソフトウェアを開発する会社はあるものの、そのほとんどが企業や団体などのクライアントから受託してから開発しているのに対し、アステリアは「注文のないところから先に投資をして(製品やサービスを)作っていく。自分たちで考えて企画し、開発してできあがったものを『どうですか?』と世の中に提案するというメーカーの形をとっています」と説明。

ただ、そのスタイルで進めるにあたって、「今のニーズではなく“未来のニーズ”に応える必要がある。開発といっても2年ぐらいかかりますから、最低でも2年後のニーズ(を読んで開発しなければならない)。そして、製品なのでそこから5年、10年と売り続けたい。つまり、5年後、10年後のニーズにも応えられるものを作らないとヒット商品にならない」と言います。

もちろん、バズワードや流行りは毎年のように変わっていくため“数年後にどのようなものが求められるのか”を読むことは至難の業ですが、「そういう流行りのワードを追いかけるのではなくて、技術に根差して進化の形をしっかり見据えて、そのうえで何が必要かを考えていきます」と語ります。

◆DXの推進に“ノーコード”は欠かせない!?

また同社は、自らプログラミングをせずに業務アプリを開発する「ノーコード思考」を国内に広め、日本のソフトウェア文化を変革することを目的に2022年9月に設立された「ノーコード推進協会」の発起メンバーの一社です。

これまで、システムを作るにはコーディング(ソースコードを書く作業)やプログラミングなど特定の知識が必要となるため、エンジニアに依頼しなければならなかったのが、「(ノーコードなら直感的にグラフィカルな)画面を動かして、チェックをしたり、項目を入れたりするだけでシステムを作ることができる」と平野さん。

実際に、アステリアのノーコード製品の1つであるモバイルアプリ作成ツール「Platio」利用者の半分以上が非エンジニアだそう。プログラミングの知識がなくてもシステムを作ることができるノーコードの特長から、「ノーコード推進協会」の会員数は100社を超え、今なお増加していると言います。

さらには「ノーコードは、当たり前になってきます」と強調する平野さん。というのも、「経済産業省による予測では、システム開発やDX(デジタルトランスフォーメーション)におけるエンジニアの数が、国内だけで最大79万人も足りないとされています」と平野さん。

しかし、エンジニアが不足しているからといってDXを先延ばしにするのかというと、「世界的な競争のなかではそうはいかないですし、だからといって、足りないぶんを今から教育しても遅い。そのため、エンジニアではない人でも今すぐにDXを進められる、この根本的な解決策がノーコードなんです」と力を込めます。

最後に“アステリアが考えるDX”について伺うと、「『DXは全社で取り組まなければだめ』『専門の部門・部署がなければだめ』などとよく言われますけど、それだと大企業ばかりに話がいってしまって、中小企業(がDXに取り組むこと)は無理なんです。でも、現場はどこにでもありますから、現場の人が(ノーコードで)作れる。つまり“大企業だけでなく、中小企業も地方企業も取り組める”というのが、私たちが考える本当のDXだと考えています」と話していました。

次回7月1日(土)の放送も、平野洋一郎さんをゲストに迎えてお届けします。Chat GPTについての見解など貴重な話が聴けるかも!?

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▶▶この日の放送内容を「radikoタイムフリー」でチェック!
聴取期限 2023年7月2日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/podcasts/futurepix/

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