日曜日の昼下がり、静かな通りに佇む一軒の店「your time」に集うお客様たち。カウンター越しには、それぞれの個性あふれる物語が聞こえてきます。パーソナリティのチャンカワイがお届けするTOKYO FMの番組「ヱビスビール presents Color Your Time」。
6月25日(日)、7月2日(日)放送回のゲストは、書道用具専門店「宝研堂(ほうけんどう)」の4代目として硯(すずり)を作り続けている硯の職人、製硯師(せいけんし)の青栁貴史さんです。自分時間「my time」にまつわる物語をひも解いていきます。

(左から)青栁貴史さん、チャンカワイ
◆刀から得られる情報は大事
青栁:硯を作るには技術が必要になってくるわけで、我々は硯用のノミを肩に当てて人力で掘っていくんですね。結構な肉体労働ではあるんですけど、刀で掘るのがなぜ良いかというと、今の便利な道具っていうのは基本的に人間にとって便利に作られていて、当然石にとっては便利ではないんですね。
チャンカワイ:え、そうなんですか。
青栁:肩越しに刀を使って、石にアプローチをしていく。そうすると、刃先からこの先にヒビがあるなとか、この先に固い部分が出てきそうだとか、そういう石の情報が音や振動を通して刃先を伝わって、五感情報として体に入ってくるんですね。
これってものすごく重要なことで、ただ造形物を作るだけだったら、ハンディタイプの今の道具でも悪くはないと思うんですけど、やはり“墨を磨る”という硯の大事なところですね。そこを第一に考えて作るということになると、やはり刀から得られる情報っていうのは大事で、我々が硯を作る工程で“刀で掘る作業”というものは、どうしても省くことができないんですよね。

(左から)チャンカワイ、青栁貴史さん
◆地球最古の石で硯を作ってみたい
青栁:今、考えていることがあって。地球最古の石で硯を作りたいってずっと思っているんですけど、地球最古の石って約40億年前とも言われておりまして、それがカナダ北西部のアカスタ地方にあるアカスタ片麻岩(へんまがん)という石だと言われています。
硯には向かないだろうと思っていたんですけど、いわば母なる石を刀を通して蘇生というか、感覚として自分の体に直積させたいんですよね。しかも、その最古の石で硯を作ることに成功したら、例えば小学校へ(教える側として)授業をしに行って、生徒に「地球最古の石でできた硯で墨を磨って、お手紙を書く授業をしたな」みたいな思い出を作ってあげられるし、子どもたちに硯文化や毛筆文化の本質を知ってもらうこともできるんじゃないか、という思いから、いつか取り組んでみたいことのひとつなんですよね。
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<番組概要>
番組名:「ヱビスビール presents Color Your Time」
放送日時:日曜 14:55~15:00
パーソナリティ:チャンカワイ
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/podcasts/cyt/