手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。7月1日(土)の放送では、「感震ブレーカー」について取り上げました。
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◆首都直下地震の被害減少に向けて
去年、首都直下地震の被害想定が10年ぶりに見直され、いずれも最大で死者が約6,150人、建物被害が約19万4,000棟に及ぶと想定されています。そこで東京都は、被害を軽減させるための対策などを盛り込んだ地域防災計画をまとめて、“2030年度までに被害を半減させる”という目標を掲げました。
具体的には、最新の耐震基準を満たしていない可能性がある2000年以前に建てられた住宅の耐震化を重点的に、耐震診断や改修工事への補助を新たに始めています。また、揺れを感知すると自動で電気が落ちる「感震ブレーカー」の普及率を25%に、消火器の設置率を60%に引き上げます。
さらに、東京都では機器を配ったり購入費を補助したりする取り組みを今年度中に始めます。このほか、木造住宅の密集地域で延焼を防いだり、緊急車両が通ったりできる道路幅を確保するために、住民の移転を進める取り組みも加速させていくとのことです。
◆“感震ブレーカー”とは?
地震火災の6割以上は“電気”が原因です。実際に、阪神・淡路大震災で起きた火災の61%、東日本大震災の65%が電気から発生しています。そこで、火災からあなたの家や街を守るために設置しておくと安心なのが“感震ブレーカー”です。
これは、地震が起きたときに設定以上の揺れを感じると電気を自動的に遮断する機器で、例えば、停電が復旧したときに発生する通電火災の発生を抑えることができます。
感震ブレーカーには、少々の工事が必要な分電盤タイプや簡単に取り付けられる簡易タイプ、バネ式タイプ、コンセントタイプなどいろいろなタイプがあります。ここで知っておきたいポイントとして、感震ブレーカーは、商品によって停電までの時間が違うということです。
例えば、地震の揺れを感知した後にすぐに電気が止まるタイプの場合、安全性は高いですが、すべてのブレーカーが落ちてしまうので、テレビやパソコンから情報を得ることができなくなったり、暗闇のなかを避難することになってしまうケースも考えられます。
また、分電盤タイプと簡易タイプの電池式は、揺れを感知した後、3分の待ち時間が発生しますので、3分のあいだに避難したり、身の回りの安全を確保するなど、停電への心構えができます。ブレーカーが落ちるまでに時間が必要な場合は、分電盤タイプや簡易タイプの電池式がオススメです。
なお、地震が起きたときの東京都の火災被害は、足立区や江戸川区、大田区といった木造密集地域に集中しています。そのなかでも、江戸川区では火災の発生件数が62件と都内で最も多くなると予想されています。そこで江戸川区では、コンセント型の感電ブレーカーを区内のすべての世帯に無料で配布する方針を決めました。
自治体も積極的に進める感震ブレーカーの設置。火災からから身を守るために、あなたの家庭でも検討してみてはいかがでしょうか?
<番組概要>
番組名:防災FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/bousai/